TestLinkの隠れ機能~工数集計とステータス設定
TestLinkのVer1.8を使ってみて、隠れ機能を見つけたので書いてみる。
【1】Ver1.8以降では、下記のドキュメントに従うと、予定工数、実績工数の合計表示をテスト結果画面で集計できると書かれている。
testlink\docs\customfields_for_computing_times.txt
上記に従って、Ver1.8.2とVer1.8.4のTestLinkで、下記の手順を行ってみた。
【TestLink1.8.2】
1・4個のSQLを実行
2・テスト仕様で、テストケースを作り、予定工数を入力
3・テスト実行で、テストケースに実績工数を入力して「成功」にする
4・テスト結果で、「カスタムフィールド情報とテストケース」画面で実績工数が表示される。
しかし、同じテストケースをグルーピングして実績工数を合計表示してくれない。
5・テスト結果で、「カスタムフィールド情報とテスト計画」画面では、「予定工数、実績工数が空欄表示される」。
【TestLink1.8.4】
1・4個のSQLを実行
2・テスト仕様で、テストケースを作り、予定工数を入力
3・テスト実行で、テストケースに実績工数を入力して「成功」にする
4・テスト結果で、「カスタムフィールド情報とテストケース」画面で実績工数が表示される。
しかし、同じテストケースをグルーピングして実績工数を合計表示してくれない。
5・テスト結果で、「カスタムフィールド情報とテスト計画」画面では、「予定工数、実績工数の項目すら表示されない」。
上記の結果を見ると、1.8.4はデグレしているように見える。
上記は、TestLinkの隠れ機能のように思えるが、テスト予定日・予定工数・実績工数をテストケースやテスト結果の属性へ持てれば、テストのスケジュール管理を機能強化できるだろう。
【2】TestLinkのテスト結果には「未実施」「成功」「失敗」「ブロック」の4種類しかないが、もっと増やしたい場合がある。
例えば、システムテストや受入テストのように、複雑なデータパターンでテストしている場合、エビデンスは採取できたものの、検証に時間がかかる場合は、「検証中」という仮のステータスを設定したい。
「検証中」ステータスは「テスト実施済み」だが、まだテスト結果が未定の状態を表す。
「検証中」ステータスが欲しい理由は、とにかくテストの見かけ上の進捗を先に進めたい時だ。
テストを実施してエビデンスを採取するテスト実行者と、採取されたエビデンスを分析して確認する検証者の2人によるペア作業が発生するので、二人の作業状態を表すステータスが欲しいのだ。
つまり、「未実施」ステータスのテストケースはテスト実行者がどんどんテストを実施すればいいし、実施後は「検証中」ステータスに更新して、検証者に回せばいい。
他にもテスト結果のステータスを増やしたい場合があるだろう。
/testlink/custom_config.inc.php にある下記ソースを修正すると、TestLink実行・結果画面で、
「全て」「存在しません」「不明」というステータスが現れる。
実行後、「存在しません」「不明」ステータスは色付けされる。
----↓ここから↓----------------------------------------
$tlCfg->results['status_code'] = array (
"failed" => 'f', #失敗
"blocked" => 'b', #ブロック
"passed" => 'p', #成功
"not_run" => 'n', #未実施
"not_available" => 'x', #存在しません
"unknown" => 'u', #不明
"all" => 'a' #全て
);
$tlCfg->results['status_label'] = array(
"passed" => "test_status_passed",
"failed" => "test_status_failed",
"blocked" => "test_status_blocked",
"not_run" => "test_status_not_run",
"all" => "test_status_all_status",
"not_available" => "test_status_not_available",
"unknown" => "test_status_unknown"
);
$tlCfg->results['status_label_for_exec_ui'] = array(
"passed" => "test_status_passed",
"failed" => "test_status_failed",
"blocked" => "test_status_blocked",
"not_run" => "test_status_not_run",
"all" => "test_status_all_status",
"not_available" => "test_status_not_available",
"unknown" => "test_status_unknown"
);
$tlCfg->results['default_status'] = "passed";
----↑ここまで↑----------------------------------------
「全て」ステータスは、テスト結果のステータスプルダウンの一種と推測される。
「存在しません」「不明」ステータスの使い方は不明だ。
上記のステータスは、Ver1.8の隠れ機能と思われる。
TestLinkにある上記2点の隠れ機能がver1.9で早く実現して欲しいと思う。
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