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2014/08/13

Mooldeの基本的な概念

Moodle 2ガイドブック―オープンソースソフトウェアでオンライン教育サイトを構築しよう」本を読んだ。
Moodleの基本概念(ドメイン)をメモ。


【発端】
この記事を書こうと思った発端は、「ルポ MOOC革命――無料オンライン授業の衝撃」を読んで衝撃を受けたから。
2011年は電子書籍元年と言われたが、2012年はMOOC元年と言われていたのに気づかなかったから。
実際、MITの無料授業公開をきっかけとして、米国の大学はほとんどが無料の授業を公開しているらしい。

| edX

Course Catalog for Online Classes - Udacity

Your Courses | Coursera

2014年になってようやく、東大や京大もMOOCに参加する記事があった。
日本の大学も、世界中の大学と競争せざるを得ない環境に陥っている。

MOOCとは - はてなキーワード

181号 世界で広がる無料のオンライン講義とは 1/4 : カレッジマネジメント : リクルート進学総研

東京大学[社会連携] 大規模公開オンライン講座(MOOC)

edXで京都大学の無料講義配信が始まる! - 化学者のつぶやき -Chem-Station-

MOOCが広がれば、大学入学のために数百万円や数千万円の授業料を払わずとも、独学で習得し、修了証をもらえる。
その修了証が大学卒業の資格と同じくらいの価値があるようになれば、大学に行かなくてもいいい。
その結果、大学の存在価値が薄れる影響がある。

一方、MOOCの修了証が社会で認知されれば、人は義務教育を卒業しても、一生学習せざるを得ない。
実際、会社の平均寿命は人の労働期間よりも短いし、10年後に働いている職場、職業は変わっているだろう。
つまり、MOOCのような無料オンライン授業を使うなどして、人は生きている間、時代に追いつくために学習し続け、自分の生活手段を確保する必要があるのだろう。

ただし、注意すべき点は、今世界で流れているMOOCのほとんどは大学生向けの英語の授業であること。
英語が読み書きできるだけでなく、英語で授業を理解する能力も必須条件。
英語ができなければ、最先端の知識やノウハウの学習すらできない。
その点では、日本人にはギャップがある。

現在の日本ではようやく、小学生から英語学習する流れになってきたが、この流れは止まらないだろう。
日本の中学生・高校生で能力のある人は、学習の早い段階から、MOOCのような授業を見て、世界の潮流や世界のレベルを知っておくべきなのだろう。

【1】Moodleの基本フロー

教師の授業(Moodleでは「コース」と呼ばれる)をサポートするWebシステム。
PDCAサイクルで回ると考えると分かりやすい。

Plan:
 授業の理念や授業設計を行う。
 →アウトカム、評価尺度、コース、レッスン、リソース。

Do:
 教師がコースを使って授業の情報を公開し、生徒とやり取りする。
 →フォーラム、チャット、用語集、データベース、活動、リポジトリAPI、リソース連携。

Check:
 教師が生徒をテストで評価したり、授業のフィードバックを得る。
 →課題、ワークショップ、フィードバック、調査、小テスト、盗作プラグイン。

Action:
 テスト結果やフィードバックから、データ集計したり、テストの集計結果を生徒にフィードバックする。
 →ポートフォリオ、評定、評定者レポート、統計、バッジ(OpenBadge、バックパック)

【2】基本概念

【コース】
授業ごとのWebページ。
授業や学習プログラムごとに先生と学生を登録する。
登録メンバーのみアクセス可能。

【リソース】
教材や資料。
PDFやパワポ、動画、音声など。

【活動】
小テスト、相互評価、フォーラムなどのオンラインでの活動。
Redmineの活動ログと同じ機能。

【条件付き表示】
ある資料を参照したり、特定の課題を提出しなければ、コースにある次のステップに進めないような制約条件。
生徒の進捗度合いに合わせて、学習できる。

【完了チェック】
各コースの修了条件を設けて、学習の修了を自動判断する。
授業の単位修得の制約条件。
普通はテストで学習の達成度合いを測定する。

【外部ツール】
他のサーバーと連携する。
LTI規格。
Moodleでは、リポジトリAPIとは異なる機能。

【リポジトリAPI】
外部のリポジトリから教材や資料を検索、取得して、コースに追加する。
国内・海外の教材リポジトリを横断的に検索して、コースへ登録できる。

教師が授業に関するすべての材料を位置から作る必要はない。
他の教師が作った資料やWeb上の資料を授業に流用して、コース準備のコストを下げる。

【フォルダ】
リソースのうち、静的な資料を分類する。

【ブック】
リソースのうち、文章やメディア(動画、音声など)を分類する。

【ラベル】
リソースをコースに掲載する。
ポータルページに記載するイメージ。

【課題】
先生が説明文を提示し、学生がテキストやファイルを提出する。
宿題に似ている。

【フォーラム】
オンライン掲示板。
教師と生徒、生徒同士の掲示板。

【チャット】
コース上のリアルタイムなやり取り。
コースの登録ユーザのみ可能。

【用語集】
コースのページに用語辞典を配置。
用語集の自動リンクを有効にすると、用語集の言葉がコース内にあると、リンクされる。
Wikiやはてなの用語リンクと同じ。

例:コースに関連した用語。
例:学生が集めたプラクティスやTIPS。
例:試験対策のデータベース(Moodleの機能)。

【フィードバック】
先生自らが作成して、アンケートを実施する。
アンケートと同じ。
回答は匿名もOK。

例:授業評価、実態調査。
例:コースに追加して、授業中にリアルタイムにアンケート実施。
例:あるアンケートを行い、学生に考えさせる。

【調査】
用意された質問に対する回答を収集する。
Moodleで決められた仕様がある。

【投票】
用意された質問に対する投票。
アンケートとは異なるMoodleの機能。

【小テスト】
様々な出題形式のテスト。
問題バンクに登録されていれば、問題を流用できる。

【ワークショップ】
他の学生の提出物を学生同士で評価し合う。
PBLでの相互評価(ピアレビュー)。
課題(Moodleの機能)とは異なる。

【データベース】
コース上で、学生や生徒によるデータの登録。
例:歴史的事件の内容をデータベースに登録する。

【レッスン】
シナリオ型教材。
コースの一種。
学習の回答で分岐する機能も持つ。
ロールプレイゲームに近い。

【評定】
成績と同じ。

【評定者レポート】
成績表と同じ。
指名、メルアド、各活動の評定を表示する。

【評価尺度】
コース内の評価尺度。
普通は、4~6個の基準を策定する。

例:4段階評価(悪い・普通・良い・大変良い)

【統計】
Cronを設定すると、コースの利用履歴などをレポート集計してくれる。

【バッジ】
修了バッジを発行する。
制服に着ける腕章、ワッペンと同じ。
OL授業の修了時にバッジを発行して、到達度や学習成果を見える化する。
生徒の達成意欲を刺激する。

【OpenBadge】
OpenBadgeという国際規格もある。
学習の修了者のバッジを発行できる発行者を認定する。
PNGデータに暗号化されたメタデータを入れ込んで、改ざんを防止する。

例:カーンアカデミーの修了バッジ

多くの人達がカーンアカデミーを選ぶ理由。 スマートスが調査した! | スマートラーニングガイド

最近は、MOOC(大規模無料オンライン授業)の修了証として、OpenBadgeを使い、大学入試や就職などに役立てようという動きがある。

Open Badges 1.0 のご紹介 ~さまざまな教育機関で習得したスキルを証明し、それを関連サイトで共有できます~ | Mozilla Japan ブログ

オンラインの資格学歴証明をどうするか??Mozillaが普遍的な枠組みOpen Badges 1.0をリリース - TechCrunch

【バックパック】
バッジ情報を集約するサービス。
例:MozillaのBackpackサービス。

Open Badges

【アウトカム】
コンピテンシー。
クライテリア。
コース(授業)で達成すべき学習目標。
評価尺度で評価する。
コースを紐づける。

例:異文化理解。学習指導要領の達成。

【ポートフォリオ】
学生の成果物を外部サーバへ転送する。

例:Flickr、GoogleDoc、Picasoなど。

【完了トラッキング】
コース内の学生の学習の進捗を追跡する。
Redmineのチケットトラッキング機能に似ている。

【盗作プラグイン】
成果物の盗作や剽窃を防止する。
外部システムと連携して、盗作プラグインを実現する機能もある。

例:卒業論文や修士論文の盗作防止。


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