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2014/09/20

BonitaBPMを動かしてみた感想~BPMツールに必要な必須機能

オープンソースBPMツールBonitaBPMを動かしてみたのでメモ。

【参考】
ProcessSampleKit - オープンソースBPMジャパン株式会社

ProcessLib - オープンソースBPMジャパン株式会社

Bonita BPMの国内Webサイトが公式オープン、BPMN2 サンプル図を一挙公開 | 岩田研究所

オープンソースのBPMツールBonitaのメモ: プログラマの思索

ちょい図解!使って覚える始めてのBonita

【1】インストール方法

BonitaのWebサイトから、Bonitaをインストールするだけ。
Eclipseベースらしいが、ツールのUIは赤色と銀色のメタリックな感じ。

Bonita01

【2】BPMサンプルの動かし方

ProcessSampleKit - オープンソースBPMジャパン株式会社から、サンプル組織マスタとサンプルプロセスをインポートする。

BonitaBPMの画面から実行ボタンを押すと、Webサーバーが起動し、localhostで画面が開く。
画面のUIは今風で使いやすそう。
PCだけでなく、スマフォやタブレットでも使えるようなUIの作りになっている感じ。

ログインユーザごとに、申請・承認・経理精算などのロールが異なり、BPMNの業務フローに従って、フローが進む。

Bonita02

【3】感想とねらい

業務システム開発に携わっていると、ワークフローエンジンをベースにして、ある特定の業務のBPMを開発する場合が多い。
たとえば、従来は紙ベースでやっていた出張申請フロー、部内のファイルサーバーのID発行管理、倉庫へ原材料の入庫や製品の出荷などを指示するフローなどがある。
つまり、従来は紙ベースで手作業していた業務をシステムで自動化するだけでも、業務は大きく効率化できる。

BPMツールでは、このようなワークフローエンジンが組み込まれていて、簡単な業務フローならば、管理画面からノンコーディングで簡単に作れる。
業務フローをBPMNというワークフローで書くのが最近のツールの流行みたい。

BPMツールで重要なポイントはいくつかある。

【3-1】多種多様な利用状況を考慮すること。

たとえば、稟議申請フローでは、承認する際に他の課長にも回覧する必要があったりする。
稟議内容を情報共有するためだ。

あるいは、ある企業の稟議フローでは、10人いる課長のうち3人の課長の承認が必要という機能とか、代理承認の機能が必要だったりする。
あるいは、承認時に動的に承認者を設定する機能が必要な場合もある。
つまり、単純な分岐フローというわけではない場面がある。

その企業の特有の事情をどこまで把握できるか、業務分析が大切。

【3-2】BPMツール上のワークフローを担当する担当者の組織マスタを別途準備する必要があること。

業務フローは、業務を担当する人の組織構造に依存している。
たとえば、出張申請を承認する人は課長、出張旅費の立替または精算を担当する人は庶務の女性のように、複数の人が特定のフローを担当する。
だから、BPMNで書いた業務フローのプロセスには、組織構造のロールがアサインされる。

故に、業務フローを分析するだけでなく、組織人事マスタをBPMツールに取り込む処理も必要になる。
普通の企業ならば、組織人事マスタを社内の別システムで保守しているから、日次バッチで組織人事マスタを変換して取り込めばいい。
つまり、組織人事マスタというデータモデリングが必要であり、BPMツールへ取り込むためのデータ移行が発生する。

さらに、注意すべき点は、大企業の場合、正式な組織構造ではなく、非公式な組織構造による申請・承認のロールが複数存在する時の考慮だ。

たとえば製造業では、正式な組織構造の元に部長・課長・係長・主任のような承認ラインがあるが、遠隔地の工場や販売店では、正式な組織階層の上級職がいないために、その現場だけの組織構造に基づく申請承認フローが必要だったりする。
特に日本の製造業は、売上を出す工場ほど現場の作業員の力を大きいため、非公式な組織構造で現場の業務を切り盛りしている場合が多いのだ。

すると、BPMツールとしては、正式な組織構造を反映した組織マスタだけでなく、特定の現場で使われる非公式な組織階層に基づく非公式組織マスタを複数個登録しておく必要がある。
そして、業務フローごとに、どの組織マスタを適用するか、予め設定しておく必要があるのだ。

貧弱な機能のBPMツールには、非公式な組織構造を持つ機能がないツールもあり、そのようなツールは、特に日本企業では使いづらい。
日本企業は、売上をあげる現場が強いので、非公式な組織階層に基づく業務が意外に多いためだ。
この辺りは、業務モデリングでも重要。

【3-3】BPMツールを複数の外部の業務システムとデータ連携する場合も考慮すること。

例えば、企業内に社内ポータルのWebサイトがあり、そのポータルサイトにログインしたら、ログインユーザごとの申請状況をBPMツールから取得して表示したりしたい時がある。
あるいは、営業見積りシステムや経理システムが既にあり、その業務フローの中にBPMツールのワークフローエンジンを流用して、申請承認フローを使いたい時がある。

または、申請承認した結果を毎月末に集計した結果を別の業務システムに取り込み、申請承認データを分析することで、業務の利用度合いや投資対効果を見たい時がある。

つまり、他の業務システムからBPMツールとデータ連携する方式設計が重要になってくる。
連携方式としては、バッチ連携かリアル連携としてSOA連携が普通だろう。

オープンソースのワークフローエンジンActivitiの解説記事にも、SOA連携の仕組みが載っている。

オープンソースのワークフローエンジン「Activiti」入門 - Tech-Sketch

有償・オープンソースのBPMツールも含めて、外部接続の連携方式はかなり研究されており、機能も豊富であるのが普通だ。

但し、BPMツールをデータ連携する場合、通信要件や性能要件のような非機能要件に注意すべき。
ネットワーク遮断、大量データのリアル連携、障害発生時の対応など、非機能要件の設計がうまくないと、BPMツールの外部連携は安定稼働しにくいだろう。

【4】個人的には、BPMツールはERPからワークフローエンジンの機能だけを抽出したサブシステムであると思っている。
だから、BPMツールはそんなに難しいわけではない。
ERPの導入・運用による長年の経験があるから、BPMツールの適用場面や適用した効果はおそらく既に知られているはず。

逆に言えば、BPMツールの機能や効果はおそらく20年以上前からさほど変わっていないだろうから、技術的にはあまり進化していないとも言える。
つまり、BPMツールを適用できる場面や得られる効果は、昔も今もほとんど変わっていないわけだ。
そういう意味では単純な技術の範疇かもしれない。

でも、最近の傾向として、BonitaやActivitiのようなオープンソースBPMツールが出現して、有償製品でなくても十分に使えるレベルになっている。
つまり、昔ならベンダーから高価なBPMツールを導入して保守費用を払っていたけれど、現代では、自社に技術力さえあれば、オープンソースのBPMツールを駆使して、安く自社に導入できる手段も取れる。

そんな背景を見ると、BPMツールに限らず、CRMやERPでもオープンソース製品のレベルが上がっており、パッケージ製品を導入するよりもオープンソース製品を導入した方が利点がある傾向があると思う。
その範疇にRedmineも含まれるだろう。

そんなわけで、オープンソースの業務システムに今後も着目していく。

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