2023/01/22

PM理論では課業志向の方が関係志向よりも生産性が高いことを主張しているのではないか

@sugimoto_keiさんのツイートを読んで、PM理論ではP志向の方がM志向よりも生産性が高いことを主張していることに気づいたのでメモ。

【参考】
杉本啓さんはTwitterを使っています: 「多くのひとは職場での人間関係を気にし過ぎる。その人が自分を支配しようとして色々束縛するなら、それは人間関係の問題だが、そうでないなら、人間関係は気にしないで自分がやるべき仕事をすれば、ほとんどの場合、解決する。人間関係が気になるのは仕事がうまくいってないから。その逆ではない。」 / Twitter

杉本啓さんはTwitterを使っています: 「昔の経営学で、課業志向と人間関係志向という概念があったが、これは課業志向の考え方。基本的には、課業志向でできることをまずやるのが先決だと思う。人間関係というものは答えがないし、根本的に解決することもできない。」 / Twitter

杉本啓さんはTwitterを使っています: 「多くのひとはたぶん、集団の中で自分の居場所を作ることが重要だと考えているのだろう。それが人間関係志向ということ。それはわかるのだが、そうではなく、何を達成するのか、そのためにどうするか考える。これが課業志向。そうすると人間関係は大して気にならなくなるし、却って良くなるものだ。」 / Twitter

【PM理論とは】歴史や特徴を事例からわかりやすく解説|リベラルアーツガイド

PM理論とは?理論とリーダー育成における活用場面をわかりやすく解説|人材育成・社員研修|ラーニングエージェンシー

PM理論でリーダーを育成する企業は伸びる『事例紹介』 | 識学総研

管理職に求められる能力はPM理論そのものではなかったのか: プログラマの思索

心理的安全性はPM理論のメンテナンスの発展形ではないか: プログラマの思索

組織論で紹介される学者はほとんどが欧米人だが唯一の日本人として、三隅二不二のPM理論がよく紹介されている。
昭和の時代にカイ二乗検定を使って統計的に有意な仮説としてPM理論を打ち立てたらしい。
PM理論の考え方は考えてみれば当たり前のように感じて、あまり気に留めていなかったが、@sugimoto_keiさんのツイートを読んで、PM理論が主張したかった本来の内容は違うのではと思った。

組織におけるリーダーの能力は、課業志向と関係志向の2つがあり、両方とも高いレベルを目指すべきとPM理論は言う。
しかし、実は課業志向の方が関係志向よりも生産性が高いことを言いたかったのではないか。
つまり、リーダーシップは結局成果を出して初めて認められるものであり、成果を重視せず関係ばかりに注力しても問題解決にならない、と。
特に、日本人のリーダーや集団は課業志向よりも関係志向を重視しすぎていて、生産性が高くないのではないか、と。

たとえば、リーダーシップとは成果主義が前提であるという考えは、「採用基準」にも記載されていたのを思い出した。
採用基準」では、成果を求められないリーダーシップに囚われすぎる日本人を批判している。

たとえば、野中先生の「失敗の本質」でも、日本軍という官僚的組織が実は成果主義よりも関係志向を重視していて、リーダー間で忖度し合うことで戦争に負けた経緯が詳しく分析されている。

たとえば、PM理論でリーダーを育成する企業は伸びる『事例紹介』 | 識学総研では、典型的な日本企業である日立でも、管理職のリーダークラスは優秀であっても課業志向ではなく、関係思考が強い傾向があるらしい。

こういう話を踏まえた上で考えると、日本人は集団でリーダーシップを発揮するという考え方や行動に何らかの問題があり、それがずっと弱点になっているのではと思う。

今の日本のアジャイル界隈では心理的安全性という概念がとても好まれているが、実は日本人のリーダーシップには関係志向が強すぎて課業志向が欠落しているのではないか、という考え方も心に留めておく。
たぶんコンテキストや環境によってはこの観点も必要だろうと思う。

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TestLinkの要件管理にUSDMを適用する方法

TestLinkの要件管理にUSDMを適用する方法が紹介された記事をメモ。

要求管理とテスト管理、その間のトレーサビリティの維持、および要求(仕様)カバレッジの把握 --- TestLinkとExcelツールで運用する - Qiita

USDMは清水吉男さんが提唱されている派生開発XDDPの要件管理技法の一つ。
僕の理解では、CMMIなど今までのソフトウェア工学の知見をベースにきちんとしたプロセス設計で開発しましょう、というものと思っている。
USDMでは、要件をFV表に対応付けることで漏れなく管理できるようにした仕組みと理解している。
要求を仕様化する技術・表現する技術 - 入門+実践 仕様が書けていますか?」でも紹介されている。

USDMの考え方はとても良く考えられていると思うが、実際の運用ではExcelベースなので使いづらい部分が個人的にはあった。
しかし、上記の記事を読むと、ExcelでUSDMで要件を作り、TestLinkの要件管理機能にインポートして一括管理するようだ。
これは個人的に面白いと思う。

以前、TestLinkでテスト管理した時に要件IDを振って運用してみた時があった。
すると、要件カバレッジが取れるので、テスト結果の時系列推移ごとに、要件をどれだけテストでカバーできたのか、を見ることができる。
また、テスト後に、どの要件でバグが発生したのか、その割合を算出することで、障害の原因分析にも使える。

OSSのテスト管理ツールTestLinkはまだ可能性があると思うので気になった時に調べてみたい。

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TestLinkのテストケースはクラスとインスタンスの考え方で区別する

TestLinkのテストケースはクラスとインスタンスの考え方で区別するツイートを見つけたのでメモ。

[QCの基本]テストインスタンスについて|Tsuyoshi Yumoto|note

TestLinkでは、テストケースそのものの管理とテスト結果を記録する機能が分離されている。
この考え方は、テストケースがクラス、テスト結果がインスタンスで区別すると理解しやすい。
メリットは、回帰テストを実行できること、テストケースを再利用しやすく保守しやすいこと。

Redmineによるタスクマネジメント実践技法」でもTestLinkのこの考え方は記載していた。

しかし、現場のExcelテスト仕様書では、テストケースとテスト結果は分離されていない場合がほとんどだろう。
だから、回帰テストの管理が面倒だし、障害管理との連携もスムーズでない。
その理由は、テスト管理ツールが導入されておらず、Excelで頑張っているからだろう。

下記ツイートにあるように、テストケースをクラスとインスタンスで分離する考えは、本来はSIで最も有効なのにね。

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2023/01/09

農林水産業はITと相性がいい

農林水産業はITと相性がいい事例を見つけたのでメモ。

【参考】
りんご栽培の作業を「見える化」 労働生産性の高い農業を追求【もりやま園株式会社(青森県弘前市)】 | 中小企業とDX | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]

記事では、りんご園でりんごの木を1本ずつデータ化して生産性を分析し、そこから労働生産性を低い状況をいかに改善して収益を上げるか、という課題を次々にIT技術で解決していった事例が紹介されている。

僕が興味を引いたのは、2つある。
1つ目は、使ったIT技術は割りと当たり前のテクノロジーであるにも関わらず、農林水産業ではとても強力な効果があったことだ。

膨大な本数のりんごの木をデータ化するには、いくらパートやアルバイトで手作業でやってもとても時間がかかる。
そこで、スマホを使いリンゴの木のデータを登録するシステムを導入してみると、「りんごの摘果の作業に2倍の時間がかかり、しかも収量が3割少ない品種があった。1時間働いて400~800円程度の稼ぎ。これでは最低賃金にも満たない。その栽培のために年間の労働力を何時間も浪費していた。正直、ぞっとした」。
つまり、りんごの木は収益性のバラツキが大きかった。
おそらく、日当たりの良い所、土壌の成分が良い所などの観点で、りんごの木の生育に大きなバラツキが発生していたのだろう。
そういう事実がデータ分析できるだけでも十分に効果がある。

そういう現状が分かれば、生産性の低い木の代わりに他の品種へ変更したり、労働力の配分を変更するなどの打ち手も指せる。
おそらく、農林水産業は労働集約的で無駄なリソースが非常に多いために、IT技術を少し導入するだけでも非常に効果が出やすいのだろう。

特に、スマホ、AI、IOT、ドローンのようなハイテクノロジーを農林水産業のシーンでどう使うと効果的なのか、というテーマは素人でも色んな発想が出やすい。
日々食べる食材で実感があるので、こうしたらいいのでは、というアイデアが出やすいからだと思う。

また、農林水産業の労働賃金は、他業種に比べると非常に安い。
だから、IT技術を使って付加価値をつけて労働賃金を上げる余地は非常に大きい。
つまり、IT技術を使って課題を解決するインパクトは非常に大きいだろう。

2つ目は、IT技術を導入する時に政府の補助金を上手く利用して導入し、そのシステムを他のりんご園にも提供していることだ。

スマホを使いリンゴの木のデータを登録するシステムは、地元の商工会議所が実施したコンテストにソフトウエアの開発を提案して補助金を出してもらい、開発したこと。

また、余計な実を未熟なうちに摘み取るりんごは捨ててしまうしかないが、その未熟なりんごを加工してりんごジュースにする提案をして補助金を出してもらい、加工工場を作ったこと。

つまり、設備投資に政府の補助金を上手く利用していること。
農林水産業では、地方活性化の旗印を作れば公共機関から援助してもらいやすい環境もあるのではと思ったりする。

あるいは、農林水産業の6次化と言われるように、生産加工で付加価値を付けたり、りんご観光などのサービスで付加価値を付けることもできるので、地方の労働者の職を支援する範囲も広がるから、地方自治体にとっても良い影響があると考えてもらいやすいのだろう。

他にも事例があれば調べてみたい。

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過学習に陥った人間や社会の事例は何があるのか

深層学習、機械学習では過学習という罠の事例がある。
では、過学習に陥った人間や社会の事例は何があるのか?
ラフなメモ。

【参考】
学習データに最適化されすぎて本来の目的が達成できなくなる「過学習」と同様の現象はAIだけでなく社会全体で起こっているという主張 - GIGAZINE

失敗の本質―日本軍の組織論的研究の感想: プログラマの思索

なぜ米国企業は90年代に蘇ったのか~日本の手の内は完全に読み取られた~V字回復の経営の感想: プログラマの思索

(引用開始)
Sohl-Dickstein氏は、グッドハートの法則の強力なバージョンは機械学習を超え、社会経済的な問題にも適用できると主張しています。グッドハートの法則の強力なバージョンが当てはまる例として、Sohl-Dickstein氏は以下のものを挙げています。

ゴール:子どもたちをよりよく教育する
プロキシ:標準化されたテストによる成績測定
結果:学校はテストで測りたい基礎的な学問スキルの教育を犠牲にして、「テストに正しく答えるスキル」の教育を進める

ゴール:科学の進歩
プロキシ:科学論文の出版に対してボーナスを支払う
結果:不正確または微妙な成果の公開、査読者と著者の共謀が広まる

ゴール:よい生活
プロキシ:脳内の報酬経路の最大化
結果:薬物やギャンブル中毒になったり、Twitterに時間を費やしたりする

ゴール:国民の利益のために行動するリーダーの選出
プロキシ:投票で最も支持されるリーダーの選出
結果:世論操作のうまいリーダーの選出

ゴール:社会のニーズに基づく労働力と資源の分配
プロキシ:資本主義
結果:貧富の格差の増大
(引用終了)

過学習は人間や社会の方が罠にはまりやすいのではないか。
なぜならば、一度成功すれば、その成功事例や成功パターンに囚われてしまって、成功バイアスから逃げにくくなるから。
成功してしまうと、あえてリスクを選択して、別のやり方を取らなくても成功できると勘違いしてしまうから。

過学習の罠は特に平成時代の日本人や日本社会にすごくよく当てはまるだろう。
昭和の時代に日本が経済No.1になってしまったために、その時の製造業の成功パターンに囚われてしまって、95年から始まったIT革命に乗り遅れてしまって、現在はWebはおろか、クラウド、スマホ、IOT、AIには到底追いついていない。

日本人は「失敗の本質」に書かれているように、第二次世界大戦でも日清戦争・日露戦争の成功体験に囚われすぎて国を破滅してしまったという前科がある。
この前科も過学習という観点で考えれば、とてもフィットするのではないか。

過学習の話で面白いのは、過学習から逃れる手順も既に分かっているいることだ。
具体的には、学習が成功しないようにあえてランダム化して、失敗をある程度許容して、頑健なプロセスを確立することだ。

たとえば、受験勉強に過学習でハマりすぎて、過去問のパターンだけに適合してしまって、新しいテーマの問題に対応できない人であれば、わざと別のテーマを勉強したり、別の分野へ広げるとか。

ある既存ビジネスで成功しすぎた企業であれば、新規事業の種をわざと社内に残し、新規事業を起こせる人たちやチームが活動できるような組織文化をあえて作るとか。

でも、過学習はイノベーションのジレンマと同じタイプの罠かもしれない。
一度成功したやり方でどんどん成功してしまうと、他のやり方を試す事自体がコストがかかるし、現在の成功した状況を危うくしてしまうリスクが大きいからだ。

自分自身も過学習やイノベーションのジレンマに陥っていないか、定期的にふりかえって、我が身を見直すことが大切なのかもしれない。

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