2026/02/11

データモデリングの手法をあなたは持ってますか? at 関西IT勉強宴会

関西IT勉強宴会で、データモデリングについて聞いてきた。
データモデリングの手法をあなたは持ってますか?と皆に聞かれた気がした。
ラフなメモ書き。

【参考】
やさしいデータベース設計 要件定義から運用までの勘どころ | 衛藤 豊 |本 | 通販 | Amazon

「やさしいデータベース設計」出版記念講演 in 新大阪 - connpass

事業分析・データ設計のためのモデル作成技術入門 | 佐藤 正美, TMの会 |本 | 通販 | Amazon

システム開発・刷新のための データモデル大全 | 渡辺 幸三 |本 | 通販 | Amazon

業務別データベース設計のためのデータモデリング入門 | 渡辺 幸三 |本 | 通販 | Amazon

生産管理・原価管理システムのためのデータモデリング | 渡辺 幸三 |本 | 通販 | Amazon

業務システムのための上流工程入門 | 渡辺幸三 |本 | 通販 | Amazon

【1】渡辺さんのライブモデリングは、いつ見ても、すごいと感じる。
佐野さんよりいきなり、お題は、大学生に対するストレスチェックみたいなアンケートシステムに対し、データモデルを書いてみましょう。

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渡辺さんは、大学と学生のテーブルを書いた後、こんな感じでホワイトボードに書き始める。
アンケートと質問が必要ですね。
質問はアンケートごとに作られるので行番号があり、アンケート回答ごとの何らかの制約は回答値制約、アンケートに基づき大学生の心身状態に対応する必要があるので、対応区分と対応制約があるね。

次に、アンケート実施した結果は、学校別アンケートが必要で、その元ネタは生徒別回答だね。
ここで、生徒別回答テーブルのカラムを書き出した時、さらっと「(対応区分)」と書いて、動的参照関係が出てくるね、と書き下す。

そして、アンケート結果から、学生の心身状態に対応する集計結果が必要なので、対応区分別SUM(サマリ)も必要だね。

最後に、学校別にもアンケート集計結果が必要で、学校別対応区分SUMがいるね。
ここで、学校別対応区分SUMへ、外部キー制約や親子関係を貼っていく。

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では、このデータモデルを皆で見てみましょう。
ここで、「対応区分」という言葉が、アンケートシステムの目的にフィットしていないことに気づき、本来は学生の心身状態に応じて支援する対策を立てることであるから、「支援区分」と書きましょう、と赤字で書き直した。

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衛藤さんが絶賛されていた点は、一度書いたデータモデルを赤字で「支援区分」に見直して修正したこと。
まさにモデラーですね。
データモデルに対し、最後まで美学というか、こだわりをもって、少しでも用語に違和感があれば最後まで粘って、用語を修正し、モデルを修正する。
ドメイン駆動設計で言う、ユビキタス言語にこだわっている。
モデラーの美学、コンサルの美学を僕も感じた。

【2】渡辺さんのデータモデリングの最大の利点は、DBMSの制約条件が自然に出てくることだ。
具体的には、外部キー制約だけでなく、ユニーク制約などだ。
ユニーク制約は、国民年金番号みたいに別の主キーがもう一つあるね、とか、取引管理番号みたいにもう一つの主キーがいるはず、という業務ルールを意識して考えなければ、出てこないだろう。

特に、動的参照関係という、DBMSでは実装できず、論理的なER図だけでしか表現できないような制約条件も、渡辺さんのデータモデリングでは自然に出てくる。
動的参照関係は、TM手法でも他のデータモデリング手法でも、明示的に導出される場面を見た時がない。

たぶん、渡辺さんの過去の経験値から、こういう手法が編み出されているのかなと想像する。

こういうシーンは過去にも見た時がある。
10年以上前だが、花束問題のデータモデルに、テーブルの派生関係にさらに2次識別子を設けて、受払いの過去データと予定データを1つにまとめる手法は、目からウロコだった。

第39回IT勉強宴会の感想~花束を作る花屋の業務モデルをT字形ERと三要素分析法で比較する: プログラマの思索

【3】TM手法と渡辺さんの関数従属性だけのモデリング手法は、どちらが優れているのか?
見た感じでは、渡辺さんの関数従属性だけのモデリング手法が生産性が高く、分かりやすい。

実際、今日はいきなり、佐野さんから、アンケートシステムのお題を出されて、渡辺さんはあっという間にホワイトボードにデータモデルを書き上げた。
しかも、実際にアンケートシステムは既に作られていて、その画面を見ながら答え合わせすると、そのデータモデルはほぼ同じ。

一方、TM手法では、2つのリソースの対照表を作っては、業務レベルで必要なのか吟味する作業を延々と続けるので、正確ではあるが、モデルを完成させるまでに手間がかなりかかる。
また、外部キー制約、ユニーク制約とか、特に動的参照関係の制約までは、業務ルールを意識しなければ出てこない。

【4】ただし、TM手法では、2つのメリットがあると思う。
1つは、リソース数とイベント数を数えて、リソース数>イベント数であれば、新しいイベントを生み出すことで新しい事業を生み出す可能性があると指摘できること。

リソース数がビジネスの可能性に関係する理由: プログラマの思索

もう一つは、「データモデリング入門-astah*を使って、TMの手法を使う-」はとても良いモデリング資料: プログラマの思索に書いたように、2つの業務の順番を入れ替えることで、コストやリードタイムを劇的に改善できる可能性を指摘できること。
たとえば、「伝統的なセーターの製法は「糸を染めてからセーターを編む」」だが、「染色から販売まで6ヶ月もかかるので、見込生産になる。在庫が蓄積されやすい。」
しかし、「ベネトンは「セーターを編んでから染める」手法へ製造順序を逆転した」ことで「製造期間を短縮できるので、受注生産や直販が可能になった。在庫も減らせる。」

「データモデリング入門-astah*を使って、TMの手法を使う-」はとても良いモデリング資料: プログラマの思索

つまり、TM手法では、データモデルから新しい事業や業務を提案できる仕掛けを持っている。
その点が非常に面白いと思っている。

【5】渡辺さんのデータモデリングは何度か見ているが、今日みたいに、いきなりライブモデリングしていく姿に刺激を受けた。
関数従属性というたった一つのルールだけで、データモデルをTOBEとして描くことができるわけだ。
真似できないが、色々考えてみたいと思う。

【補足】
データモデリングでドメインを駆動する──分散/疎結合な基幹系システムに向けて | 杉本 啓 |本 | 通販 | Amazon

実践的デ-タモデリング入門 (DB Magazine SELECTION) | 真野 正 |本 | 通販 | Amazon

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2026/02/08

E-BOMとM-BOMの違いは何か?

E-BOMとM-BOMの違いは何かを考えると、日本の製造業に特有である製番管理とBOM管理が密接に絡むのではないか、という仮説を持った。

【参考】
なぜArasは国内PLM市場で支持されるのか カギは“製造業の強み”への深い理解:国内製造業のPLM - MONOist

PLMを構築できない部門がやろうとすると失敗する

5つの問題解決パターンから学ぶ実践メソッド BOM(部品表)再構築の技術 | 三河 進 |本 | 通販 | Amazon

図解 DX時代のPLM/BOMプロセス改善入門 デジタル化 段階別課題解決のアイデア100 | 三河 進 |本 | 通販 | Amazon

中小企業だからこそできる BOMで会社の利益体質を改善しよう! | 谷口 潤 |本 | 通販 | Amazon

MES入門 | 中村 実, 正田 耕一 |本 | 通販 | Amazon

図解MES活用最前線: 実践事例でわかるMES〈製造実行システム〉導入のポイント | 中村 実, 中村 一世, 実践MES研究会 |本 | 通販 | Amazon

IoT時代のMESをもう一度考え直す ? (3) MESの未来像とは : タイム・コンサルタントの日誌から

IoT時代のMESをもう一度考え直す ? (1) MES普及を妨げたもの : タイム・コンサルタントの日誌から

IoT時代のMESをもう一度考え直す ? (2) MESの機能と階層を理解する : タイム・コンサルタントの日誌から

【1】僕はERPに含まれる生産管理、つまりM-BOMとMRPの部分の機能しか知らなかった。
だから、BOMに種類があり、目的ごとにBOMの使い道が違うという発想がなかった。

日本の製造業のうち、組立製品や部品加工業が多いと思う。
東京や大阪の下町で見かける中小企業の工場がまさにそうだろう。
彼らのビジネスモデルは、多品種小ロットの受注生産だ。
たいてい、大企業や元請けから受注した一品物の部品や製品を製造し納入するビジネスモデル。

その仕組は製番管理であり、受注生産になる。
すると、受注時に製品の設計図を作って、顧客とすり合わせしながら設計図を固めて、初めて受注が確定する。
その時に、設計BOMなるE-BOMが確定する。
普通は、リピート製品が多いので、過去の製番に紐づくE-BOMを元に、ちょっと部品をカスタマイズして設計図を完成させる。

そのE-BOMを元に、部品ごとの単価表を組み合わせた部品原価と、工場人員の作業工数、設備機械や電気水道などの運用費用をあわせた製造原価が確定する。
それが見積もりBOMになる。
見積もりはQuoteなのでQ-BOMと呼ぶときもあるらしい。

見積BOMを元に、製造スケジュールや負荷計画を立てて、生産計画を作る。
それが製造BOM、つまりM-BOMになる。
ここからMRPを使って、製品に必要な部品をいつまでにどれくらい手配すべきか確定し、部品発注される、という流れ。

5つの問題解決パターンから学ぶ実践メソッド BOM(部品表)再構築の技術 | 三河 進 |本 | 通販 | Amazonを元に、受注から生産までの流れを書いてみた。

【2】BOMには、E-BOMやE-BOMだけでなく、P-BOM、S-BOMなどもある。
実際にインスタンスを書いてみると理解しやすい。
中小企業だからこそできる BOMで会社の利益体質を改善しよう! | 谷口 潤 |本 | 通販 | Amazonを元に、具体例を書いてみた。

ポイントは、部品を自社で作るのか、外部に委託するのか、しかも外部に委託する時に部品や材料も渡して組み立ててもらうのか、などの種類によってBOMの構成が変わること。
また、S-BOMのように、販売後の保守では、単なる保守サービスだけでなく、オプション品を提案することで売上を確保する営業もしていきたい、という発想までつながる。

【3】目的別BOMで考えた時、どのBOMが一番重要なのだろうか?
BOMをマスタ保守すべき対象として考えた時、E-BOMが一番重要だろう。
なぜならば、E-BOMが全てのBOMの発生源となるからだ。
E-BOMの内容がおかしかったりブレていれば、そこから派生するM-BOMもP-BOMもS-BOMもおかしくなってしまう。

また、多品種小ロットの受注生産が基本的なビジネスモデルでは、製番管理とE-BOMが密接に絡む。
受注時の顧客要望より、過去のE-BOMに似たような製品を抽出してきて、そのE-BOMをカスタマイズして製番が確定する。
つまり、製番には、製造すべきE-BOMがある。
よって、製番に紐づくE-BOMは、今までに蓄積してきたE-BOMのどこかから派生しているので、何らかのツリー構造を持つ。

すなわち、E-BOMは過去の製番の履歴が蓄積された巨大な部品のツリー構造をマスタとして持つ。
これこそが、製造業の競争力の源泉になるわけだ。

しかし、製造業の中小企業はもちろん、大企業であっても、E-BOMをきちんと管理できている現場は実は少ない。
IT化されていない頃は紙の製図で設計図を書き、そこに部品情報を書き込んでいたので、E-BOMとして抽出できていない。
たいていの製造業では、たくさんの設計図が紙やExcel、PDFなどが存在するが、マスタとして利活用できる状態ではない。
だから、PLMで一括管理して、資産管理しましょう、という流れ。

【4】E-BOMとM-BOMの違いは何か?
それは、E-BOMが全てのBOMの発生源であり、M-BOMは生産計画に使われるBOM。
それらBOMを全工程で統合して一括管理するツールがPLMになるわけだ。

PLMの考え方は、図解 DX時代のPLM/BOMプロセス改善入門 デジタル化 段階別課題解決のアイデア100 | 三河 進 |本 | 通販 | Amazonが一番分かりやすかった。

【5】佐藤 知一さんが下記Blogに書かれていた「E-BOMをコンフィグレータとして使う」イメージがようやく分かった。

IoT時代のMESをもう一度考え直す ? (3) MESの未来像とは : タイム・コンサルタントの日誌から

E-BOMができていれば、部品構成が分かっているので、そこから自動で見積もりが一瞬で出てくる。
さらに、部品をオプション部品やカスタム部品に分類しておけば、顧客に最適なオプション部品を提案してさらに付加価値を上げることができる。
そういうE-BOMの仕組みをコンフィグレータ(コンフィギュレータ)でシステマティックに作っておくわけだ。

しかし、コンフィグレータを作ってきちんと管理できている製造業は少ないだろう。
ちょっとした複雑な製品になれば、部品点数は1万点、10万点ぐらいにすぐに膨れ上がる。
それらを何十年もかけて、全ての受注生産した製品のE-BOMを管理するのは難しい。

また、日本の工場は、設計者も製造担当者も真面目に働きすぎているので、IT化しなくても工場が回るのだろうと納得した。
今まで、E-BOMやコンフィグレータがなくても、受注生産してきて、売上を確保してきたからだ。
現場の人たちの頑張りのおかげ。

とはいえ、さすがに現代ではそのやり方は通用しなくなってきたという状況なのだろう。
この辺りの考察は再度まとめる。

【補足】
誰も教えてくれない「生産管理システム」の正しい使い方 | 本間 峰一 |本 | 通販 | Amazon

誰も教えてくれない 「工場の損益管理」の疑問 | 本間峰一 |本 | 通販 | Amazon

誰も教えてくれない 「部品工場の納期遅れ」の解決策 | 本間峰一 |本 | 通販 | Amazon

誰も教えてくれない「SCM計画立案・遵守」の疑問 あなたの会社の生販在(PSI)計画は機能していますか? | 本間峰一 |本 | 通販 | Amazon

受注生産に徹すれば利益はついてくる! | 本間峰一 |本 | 通販 | Amazon

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製造業におけるPLM製品とMES製品の違いは何か?

製造業におけるPLM製品とMES製品の違いは何なのか。
この問題を考えると、製造業のシステムは、PLM、ERP、MESの3層構造からなるのではないか、という仮説を持った。

【参考】
MES入門 | 中村 実, 正田 耕一 |本 | 通販 | Amazon

図解MES活用最前線: 実践事例でわかるMES〈製造実行システム〉導入のポイント | 中村 実, 中村 一世, 実践MES研究会 |本 | 通販 | Amazon

IoT時代のMESをもう一度考え直す ? (3) MESの未来像とは : タイム・コンサルタントの日誌から

IoT時代のMESをもう一度考え直す ? (1) MES普及を妨げたもの : タイム・コンサルタントの日誌から

IoT時代のMESをもう一度考え直す ? (2) MESの機能と階層を理解する : タイム・コンサルタントの日誌から

【1】製造業の基幹系システムは結局何があるのか?
普通は、ERPやその一部機能であるMRPなどの生産管理機能だろう。

しかし、工場の現場では、M-BOMとMRPのような製造工程だけの管理だけがメイン作業ではない。
その部分は、いわゆるMRPの機能を含むERPに相当するが、それ以外の機能も必要なんだ、と現場を見て知った。

僕の理解では、製造業の基幹系システムは、PLM、ERP、MESの3つが必要であり、3層構造からなると考える。
特に、MESの観点が漏れていたなと思った。

【2】まず、製品を製造するには、製品の設計図をCADで作る必要がある。
その製品の設計図から、まずE-BOMという設計BOMが作られる。
その設計BOMが製造BOMであるM-BOMの発生源になる。

E-BOMもM-BOMもBOMの一種であるが、設計→製造→販売後の保守という流れの中でBOMは当然変化するので、何らかの履歴管理として残していきたい。
それらBOMの変遷サイクルを管理する製品がPLMになる。

つまり、PLM(Product Lifecycle Management:製品ライフサイクル管理)は、製品の企画、設計、製造から、販売、保守、廃棄に至る全プロセスの技術データやプロセスを一元管理する手法・システム。

【3】ERPは、一般に販売管理、会計管理などの業務が主体だが、生産計画と購買管理を持つ生産管理システムも含む。
すなわち、E-BOMで定義された部品構成とBOP(工程表)を元に、製造スケジュールや工場の設備・人員のリソースを考慮して生産計画を立てる。
生産計画から生産指示が工場の現場に送られて、実行される。

【4】PLM、ERPの製品が必要なことは分かるが、製造業の役員・部長クラスはそれだけでは不十分らしい。
彼らの問題意識を聞いてみると、生産計画に対し、工場の進捗状況や発生原価をリアルタイムに把握して、生産・販売・在庫をリアルタイムに管理したいらしい。
そのために、生産現場の各工程のKPIを取得したいらしい。

製造業の本質は「すり合わせ」と「PSIのトレードオフ」にある|akipii

実際にその内容を見ると、製造現場で各工程の直接作業工数、設備などの運用費用、部品の費用なども考慮したコストも把握したいらしい。

たぶん、それを管理するためのシステムは、MESになるだろうと思った。

MES(製造実行システム:Manufacturing Execution System)は、製造現場の生産工程、作業者、設備をリアルタイムで管理・監視・支援するシステム。上位の生産管理システム(ERP)と現場の制御機器の中間に位置し、作業指示、進捗管理、品質管理、設備保全などのデータを収集・分析して生産効率を最大化する。

【5】IoT時代のMESをもう一度考え直す ? (3) MESの未来像とは : タイム・コンサルタントの日誌からを読んで気づいたのは、工場の生産ラインにあるNC制御装置や工作機械をプラグラム制御しているのだから、それらの設備機械に生産手順だけでなく、生産計画も流し、生産実績も吸い取れば、生産進捗を管理できるはず。
それがMESなんだな、と気付いた。
ソフトウェア開発のPJ管理ツールで、実際の開発者の作業管理に使うのと同じ。
製造業の進捗管理は、MESという製品でカバーするわけだ。

しかし、MESというシステムはほとんど聞かない。
日本ではなぜMESが導入されていないのか?
MES入門 | 中村 実, 正田 耕一 |本 | 通販 | Amazonのような優れた本が2000年代初頭から出版されているのに、誰も見向きもせず絶版になっている。

一方、PLMについては、2000年代初頭から製造業において必要性がうたわれて、導入がようやく進みつつあるように思える。
PLMの導入が遅れた理由は何があるのか?

これらの問題も考えてみたい。

【補足】
誰も教えてくれない「生産管理システム」の正しい使い方 | 本間 峰一 |本 | 通販 | Amazon

誰も教えてくれない 「工場の損益管理」の疑問 | 本間峰一 |本 | 通販 | Amazon

誰も教えてくれない 「部品工場の納期遅れ」の解決策 | 本間峰一 |本 | 通販 | Amazon

誰も教えてくれない「SCM計画立案・遵守」の疑問 あなたの会社の生販在(PSI)計画は機能していますか? | 本間峰一 |本 | 通販 | Amazon

受注生産に徹すれば利益はついてくる! | 本間峰一 |本 | 通販 | Amazon

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2026/02/07

日本の半導体産業はなぜ凋落したのか

日本の半導体産業はなぜ凋落したのか?
エヌビディア 半導体の覇者が作り出す2040年の世界を読んで理解できた。

【参考】
エヌビディア 半導体の覇者が作り出す2040年の世界 | 津田 建二 |本 | 通販 | Amazon

教養としての「半導体」 | 菊地 正典 |本 | 通販 | Amazon

図解即戦力 半導体プロセスのしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書 | 先端テクノロジー業界研究同好会 |本 | 通販 | Amazon

Amazon.co.jp: 電子立国は、なぜ凋落したか : 西村 吉雄: 本

「電子立国は、なぜ凋落したか」の感想~日本の技術者は減価償却のコスト意識が低い: プログラマの思索

これでよいのか?日本の半導体市場シェアが単調下落し続けついに5%台まで下落 - セミコンポータル

【0】日本の半導体・デジタル産業戦略の今後の方向性は、経済産業省の下記レポートが分かりやすい。

第14回 半導体・デジタル産業戦略検討会議 (METI/経済産業省)


半導体・デジタル産業戦略の現状と今後


【1】半導体は2026年の今、製造業の中で最重要な製品になる。
半導体があるから、スマホ、PC、自動車、家電製品、制御装置など、ありとあらゆる製造物には半導体が埋め込まれている。
半導体があれば、プログラム制御できるし、プログラムを自由に書き換えることにより、高機能化しやすい。
さらに、現代では、AIがGPUを大量に消費するので、半導体の重要性はさらに高まっている。
特に、AIデータセンター建築のために、半導体を浪費しまくっている。
そのために2026年後半から半導体不足に陥る予想が出ているほどだ。

【2】1980年代の日本は家電立国だった。
半導体のシェアは、日本が殆どを占めていた。
しかし、90年代から右肩下がりとなり、今やシェアは5%くらいに過ぎない。
米国はもちろん、台湾、韓国、中国に圧倒的に負けている。

日本の半導体業界の技術者は優秀だ。
僕も優れた知り合いを知っている。
実際、東芝、NEC、日立など。
フラッシュメモリを生み出したのも東芝だった。
しかし、2026年の日本では、ルネサスとか、TSMCやサムスンに比べるとあまりパッとしない企業しか存在しない。

【3】なぜ、日本の半導体産業は凋落したのか?

エヌビディア 半導体の覇者が作り出す2040年の世界では、こんなストーリーだ。

家電メーカーの経営者が半導体業界の環境変化を認識できず、事業戦略を間違えた。
家電メーカーは、白物家電、公共インフラ、車載機器、半導体などたくさんの事業部門を抱えているので、どの事業に注力すべきか、選択と集中がやりにくいし、カニバリゼーションになりやすい。
図体だけ大きくて、意思決定も遅い。
欧米の独裁者のようなCEO、中国韓国のアジア圏にいる家父長制のCEOに比べて、経営者の意思決定が遅すぎる。

【4】半導体製造は元々、日本の家電メーカーが垂直統合でやってきた。
しかし、90年代以降、設計や露光・エッチング・洗浄などの製造、品質評価など後工程のように、各工程ごとにバラバラに水平分業のサプライチェーンに変わった。

なぜ、半導体製造は垂直統合から水平分業に変わったのか?
理由は簡単だ。
半導体製造の設備投資額は膨大なので、1社がすべての工程を抱えることはほぼ不可能になったからだ。
ポーカーゲームのような賭金で設備投資をどんどん積み上げていくスピードについていけなかった

つまり、設計だけ行うファブレス、TSMCのような製造を行ってに引き受けるファウンドリ、後工程だけを請け負う専業メーカーに細かく分かれて、一つのサプライチェーンをなす構造に業界そのものが急激に変化した。
この環境変化に結局、日本の家電メーカーは追随できなかった。

【5】また、各工程ごとに半導体製造装置を納入する製造装置メーカー、原材料や特殊薬品を納入する化学用品メーカーが多数あり、それらメーカーの規模もかなり大きい。
つまり、半導体製造業界は、非常に専門化されて分業化された流通構造、サプライチェーンを形成している。

今の日本企業は、半導体製造や設計は弱いが、特定の工程に特化した半導体製造装置メーカーや化学用品メーカーは、その工程ではシェアが高いケースが多い。
結局、iPhone製造のサプライチェーンにおける日本企業の立ち位置と同じように、一品物の専門製造メーカーのみ生き残っている感じだ。

【6】さらに、日本の半導体メーカーは、歩溜まり向上に囚われすぎて、出荷スピード感がない。
日本の半導体メーカーは、半導体製造装置メーカーから納入された製造装置を生産ラインで稼働させて正常動作するまで検収を続けて、歩溜まりが上がるまで検収完了とせず、支払いを半年以上待たされたという。
つまり、納入して検収が終わるまでの半年間も、日本の半導体メーカーは半導体製造装置メーカーにお金を支払わなかったのだ。
こんな状況では、日本の半導体製造装置メーカーも資金繰りが悪くなり、やってられない。

一方、台湾や韓国の半導体メーカーは、半導体製造装置の納入時に7~8割は前払いし、生産ラインで実稼働させながら、歩溜まりを向上させて、どんどん売上を増やす施策を取った。
半導体製造装置は1台数億円もする装置なので、非常に高価であるが、彼らはそれらを使い捨てにしてでも、早く元を取るために、減価償却の期間を短くする施策を取ったわけだ。

この事象は、「電子立国は、なぜ凋落したか」の感想~日本の技術者は減価償却のコスト意識が低い: プログラマの思索に書いたし、Amazon.co.jp: 電子立国は、なぜ凋落したか : 西村 吉雄: 本に詳しく書かれている。

【7】さらに、日本の半導体メーカーは、半導体の設計製造に関わる優秀なエンジニアを大切にしなかった。
技術者ならば常に最先端の技術を追いかけたいのに、日本の半導体メーカーは、彼らのモチベーションを下げるような施策をやっていた。
なぜなのか?

たぶん、半導体製造の設備投資は非常に膨大であり、シリコンサイクルと言われる好況不況の波が激しいので、いつもリスクを取れるわけではない。
よって、日本の半導体メーカーは、自分たちの身の丈に会う程度で設備投資できる範囲内で、半導体事業をコントロールしたかったからではないか。
しかし、それは裏目になったと言えるだろう。

だから、「電子立国は、なぜ凋落したか」の感想~日本の技術者は減価償却のコスト意識が低い: プログラマの思索に書いたし、Amazon.co.jp: 電子立国は、なぜ凋落したか : 西村 吉雄: 本にもあるように、優秀な半導体エンジニアは、日本メーカーを退職して韓国、台湾企業へ転職したり、土日にアルバイト出張して、技術流出させていた。
そんな事象を見ると、日本の半導体メーカーはもちろん、日本の製造メーカーは、エンジニアを育てる環境を作っていないなと思ってしまう。

【6】半導体は、現代では全ての製造業の基盤だ。
AIブームにより、半導体の設計製造の重要性は非常に高まっている。
しかも、昨今の中国・米国の政治的対立を見れば、半導体の重要性はさらに高まっていると言えるだろう。

日本がどのような施策を取って挽回していくのか、探ってみたいと思う。

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2026/02/04

製造業のDXを推進する部門をITコーポレート部門に割り当てるとなぜ失敗するのか

製造業のDXを推進する部門はどこに置くべきなのか?

【参考】

誰も教えてくれない「生産管理システム」の正しい使い方 | 本間 峰一 |本 | 通販 | Amazon

誰も教えてくれない 「工場の損益管理」の疑問 | 本間峰一 |本 | 通販 | Amazon

誰も教えてくれない 「部品工場の納期遅れ」の解決策 | 本間峰一 |本 | 通販 | Amazon

誰も教えてくれない「SCM計画立案・遵守」の疑問 あなたの会社の生販在(PSI)計画は機能していますか? | 本間峰一 |本 | 通販 | Amazon


【1】一般企業では、常識的には、IT情報システム部門やITコーポレート部門がDXを推進しているだろう。
しかし、製造業のDX推進部門にITコーポレート部門を割り当てると、事業部門から総スカンをくらったり、現場のサボタージュによって、たいてい上手く行かない。
製造業ではDX推進にITコーポレート部門に割り当てるとなぜ失敗するのだろうか?

製造業ではない業界、たとえば、小売業や金融業では、ITコーポレート部門がDX推進して上手くいくケースがある。
そのケースを見てみると、ECサイトに特化したり、QRコード決済やオンライン取引へ拡大したり、実際の事業活動を現場から離れてオンライン場へ展開したケースが多い気がする。
つまり、できるだけ、現場の作業から生み出される利益よりも、オンライン事業による利益を追求したケースだ。
最終的には、SaaSに近いビジネスモデルになるのではないか。

【2】一方、製造業では、製造設備や工場敷地を持つ現場に、設備投資して製品を生産し、付加価値を付けて製品を売り、利益を得る。
すなわち、実際の現場の作業こそが利益の源泉であり、現場から離れることは難しい。
いくらITで業務効率化したといっても、現場の手作業が効率化されるだけであって、現場の作業そのものがなくなるわけではない。
むしろ、現場の手作業にこそ差別化要因があるケースもあるだろう。
自動車、家電、医薬品、食品、石油精製、製鉄、造船などの製造業を見れば、どうしても現場の手作業から離れることは難しいように思える。

だから、製造業のDX推進部門は、ITコーポレート部門ではなく、事業部門そのものが推進すべきという考え方には一理あるように思う。

【3】しかし、AIの普及とロボットにAIを埋め込むことで、その考え方も変わるかもしれない。
製造業における工場の生産ラインをロボットでAI制御できる状態にしたり、生産ラインそのものをソフトウェアで簡単に入れ替えできる状態にできれば、全てをITで制御できることも可能だろう。
そうすれば、初めて、製造業のDX推進部門を事業部門からITコーポレート部門へ移すこともできるのではないか。

ビジネスモデルとIT戦略の関係、さらにはDX推進部門を含めた組織戦略については、再度考えてみたい。

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