全てのビジネスは金融商品
最近のビジネスは、全て金融商品に結びつけることが流行しているのではないだろうか?
そんな事を感じたきっかけが二つある。
大前研一の本「サラリーマン・サバイバル」に、現代の車・住宅販売の営業マンは、単に車や住宅を売るだけでなく、それらを金融商品として売る能力がなければならない、と書いてあった。例えば、車を売るなら、中古車として売る時に高く売れるように、保険をつけるように勧める、とか。
つまり、営業マンは、車や住宅に詳しいだけでなく、その価値を高める術を知っている金融コンサルタントでなければならなかったのだ、と。
ある勉強会で電車の自動改札システムと航空券予約システムをクラス図でモデリングしたのだが、業務フローが似ているのにクラス図があまりにも違うのに違和感があった。
経験者の人へ「電車の自動改札システムと航空券予約システムはどこまで似ていて、何が違うのか」と質問したら「交通サービスという業種ゆえシステムの構造は似ている。これらのシステムは、座席を在庫と見なしている」と答えられたのが印象に残った。
「UMLモデリングの本質」では、在庫が出ると、アナパタの勘定パターンを使え、という定石がある。アナパタには、会計と物流システムは似ている、と書かれてあったが、その意味は、お金の流れとモノの流れは基本的に同じ仕組みであるということだった。
最近の新聞では、トヨタの記事が多い。クレジットカードに車のキーの機能を持たせるとか、有り余るお金で金融に乗り込んだりしてる。トヨタといえば、カンバンで名高い優れた在庫管理ノウハウを持っている。
結局は、製造業の生産管理を極めた者は、金融ビジネスにも自然に入り込める。
そんな気がする。
【補足1】
JR西日本ならICOCA、JR東日本ならSUICAが販売されている。それらは、プリベート・カードみたいなもので、チャージした金額から乗車代が落とされる。JR会社は、乗車券をクレジットカードのように扱いたい動機があるのではないか?
【補足2】
他の例として、携帯電話に決済機能を持つICチップを載せたFelicaというサービスが始まっている。このサービスもプリベート・カードみたいなもの。クレジットカードのように与信機能まで持たせてはいない。チャージした金額から落とすので、前払いではないから。
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