スコープ管理はプロジェクト計画書から始まる
プロジェクト管理の肝はスコープ管理。「スコープ管理はプロジェクト計画書の作成から始まる」という記事を読んで、スコープ管理のテクニックの重要性を改めて知った。
プロジェクト立ち上げ期に、プロジェクト計画書の作成に時間をかけるということには、二つの意味がある。
一つは、プロジェクトのゴール、スケジュール、リソースを洗い出すことによって、スコープを把握すること。
もう一つは、プロジェクト計画書をステークホルダーの同意の積み重ねで作成することによって、ステークホルダーに「プロジェクト途中でのスコープ変更は難しい」という意識付けをすること。
前者の内容はすぐに理解できる。
後者は、プロジェクト計画書が単にドキュメントであるだけでなく、ステークホルダーのコミットメントが含まれていることを示している。CMMIの構成管理の考えに似ている。
XPならば、プロジェクト計画書作成は、計画ゲームに相当するだろう。計画ゲームに顧客が混じっていることで、顧客のコミットメントもストーリーカード作成に含まれていることを示している。しかし、XPではコミットメントの意識がチームにあまりないので、ステークホルダーの利害調整に足元をすくわれる時が多いのではないか?
スコープ管理が難しいのは、コミットメントが含まれているからだろう。つまり、プロジェクトマネージャーは、プロジェクト管理のスキルだけでなく、ステークホルダーの利害調整の橋渡しをするという政治的役割も担っている。
その意識がないプロジェクトマネージャーが多いのではなかろうか?
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