ウォーターフォール型開発は日本の業界構造と表裏一体
「ソフトウェア開発におけるパラダイムシフト」の記事を読んで、日本でウォーターフォール型開発プロセスが幅を利かせているのは、大手SIerにとって土建業界のように階層化された業界構造が好都合な開発モデルだから、という一節にすごく納得した。
元請から下請まで5層もの階層構造にするから、元請は上流工程と称して、要件定義しかやらない。しかし、詳細設計で初めて、仕様漏れが見つかるのが普通。結局、仕様漏れが積み重なってデスマーチ・プロジェクトに陥るのではなかろうか?
最近は、最下層の下請は中国へ流す。だから、言語のコミュニケーションギャップも加わり、より問題が複雑になっているように思う。
「アジャイル開発は元々日本的なものだ」という上記記事の主張は、なるほどと思わせる。完璧な計画を作って進めるスタイルは、どう見ても西洋式。トップダウンで物事を進めるよりも、ボトムアップのプロセスの方がはるかに日本的。
そうならない理由は、結局、ウォーターフォール型開発プロセスが大手SIerのビジネス構造に組み込まれているからだろう。
アジャイル開発の方が利益に直結するように、自分たちのビジネス構造を変えていかなくては。
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