情報を共有化した方がリスクが少ない
「情報の私物化を禁止する」記事を読んで、情報の共有化について改めて考えさせらる所があった。
ソースコードの共有化は、XPだけでなく、普通のウォーターフォール型プロジェクトでも、VSSやCVSのようなソース管理ツールで実現される。その意味は、複数人の開発でソースの修正権限を制限したり、バージョンごとのリリース管理などの技術点があげられるけれど、「会社の資産であるソースコードを自分のPCだけで保持してはいけない」という発想はなかった。
ソースコードの共有による長所は、先の技術点だけでなく、他人のソースを参照できたり、自分固有のライブラリを作らないようにしたり、他人に見られることでより綺麗なプログラムを書こうとするようになる、などがあげられる。
だが、もっと大事なのは、情報を共有することで、悪い情報をすぐに知ることが出来るようになることではないか。
顧客と要件定義や見積もりのメールのやり取りでは、必ずステークホルダー全員にCCすることが多い。その意味は、プロセスの状況提示であり、CCされた人は誰でもそのプロセスに割り込みできる。
特に顧客とのメールのやり取りは、こちらの状況が悪くなった時、「以前こんなことを言ってましたが」と引っ張り出して、履歴として後で使える。
ソース管理やメールだけでなく、ビジネスプロセスに関する情報を生成から消滅まで保持しておくことは、「何かおかしい」という時に原因探しなどトラッキングに使える。
情報を共有化したほうが、状況が悪くなったことをいち早くキャッチできるようになる。
ビルゲイツも、「悪い情報は早く知らせた方がいい」と言っていたが、そんな仕組みをMSも持っているのだろう。
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