概念に正しい言葉を当てはめないと混乱の原因になる
要件定義のプロセスで、コンサルタントが作った要求定義書から不明点を洗い出している時、「概念に正しい言葉を当てはめないと混乱の原因になる」ことを経験した。
とあるシステムの要件で、データを論理削除する処理があったのだが、「この文脈では論理削除と言うべきではなく、法律用語に従って、廃棄とか廃止と呼ぶべきだ」と指摘を受けたことがある。
論理削除という言葉では、削除という意味合いが強すぎて、本来は、データが別の異なる状態に移ったことを強調すべきだ、ということだった。
要件定義では、用語集を作るのが大事ですが、その理由をもう一度再認識した。
ネーミングは難しい。
だが、XP祭りで会ったXPerたちはネーミングが上手かった。
例えば「ふりかえり」「ペアボード」「ニコニコカレンダー」「あんどん」のように。
以前、数セミで、数学者よりも物理学者の方が概念に対するネーミングがうまい、彼らは抽象的な方程式に隠れている物理的意味を知っているからだろう、みたいな記事があったのを思い出す。
最後に関係ないけれど、ウイスキー「Early Times」がありますが、どのような言葉を当てはめるべきか?
僕は、「早すぎた日々」などとトンチンカンな訳をした。
後輩の子は「若気の至り」と訳していた。さすが文系出身(^^)
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コメント
「以前、数セミで、数学者よりも物理学者の方が概念に対するネーミングがうまい、彼らは抽象的な方程式に隠れている物理的意味を知っているからだろう、みたいな記事があったのを思い出す。」
これ、おもしろいですねー。ほとんどの名前は、メタファから来ていると思う。同じ概念構造(オントロジ)の既にあるものから名前を借りる。(あるいは、借りたことも意識できない)例:バブ、Web。
やはり、物理学者は現実世界の構造に興味がもともとあるからだろうか。
投稿: 平鍋 | 2005/09/11 09:07
コメントありがとうございます!
元ネタは10年以上も前の数セミの記事です。
物理学者は概念を数式で表すので、数式や定数にネーミングするのがうまい、とある数学者が言っていた記憶があります。
ProjectFacilitationでも、名前付けを重要視していますよね。
アジャイル系の人達は、マネジメント系の活動をメタファでうまく抽象化するのが上手い気がします。
投稿: あきぴー | 2005/09/11 20:55