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2005/12/13

ムーアの法則が経済ルールを支配する?

 今頃になって、「新・資本論」―見えない経済大陸へ挑む(大前研一)を読んでいる。
 読み出した理由は、今年になって、技術やビジネスの流れが急激に変わりつつある予感がして、その予兆を既に予見していたと言うこの本が紹介されていたから。

 本に出てくるビジネスの例は、6年以上前のことだから古い。
 ボーダーレス経済、サイバー経済、プラットフォーム、色んな単語が出てくるが、僕には本質が読み取りにくかった。

 以前のケインズ経済理論が成り立たなくなった理由は、梅田さんが言ったように、IT業界で生まれたムーアの法則が全ての産業に波及したからではなかろうか?
 「半導体の集積度は1年半で2倍になる」ことから始まって、「1年半で製品の値段は半額になる」ことまで行き着く。つまり、世の中の全てのモノ、情報の値段が1年半には半額になるとしたら、数年後には殆どタダになってしまう。
 だから、世の中の競争がどんどん激しくなっているように感じる。
 しかもその競争は、全てを無にしてしまう。

 かと思えば、はてなの近藤さんが実行しているように、情報を隠すよりもオープンにしてしまう方が実は力になる、という例もある。
 例えば、不具合を起こしたプロセスをオープンにするとか、はては、新規ビジネスの企画会議までオープンにしてしまうとか、今までは考えられないことをやっている。
 記事を読んだら、情報を隠すのはコストがかかる、しかも、情報を公開して外部リソースを使う方がはるかに有用だ、という内容だった。昔のビジネススタイルでは考えられないやり方。

 オープンソースも、ネット上のコミュニティ運動も、いずれも、コミュニケーションや情報を公開することのコストが下がったおかげで成り立ち、コミュニケーションのプロセスを公開することで更に信頼を得て、ネットワークを広げているように思える。
 それによって、無数の人が集まり、そこにリソースが集まるのを目ざとく見つけた人は、ビジネスのマーケットを嗅ぎ取る。

 ムーアの法則と経済理論について、本質的な洞察をした人はいないのだろうか?

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