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2007/02/22

県庁の星

 随分前に「県庁の星」を借りて見た。

 織田裕二と言えば「踊る大走査線」が有名だよな。
 「事件は会議で起きているんじゃない!現場で起きているんだ!」の台詞が有名だけれど、この映画も似たような路線。
 でも、こちらの方が楽しめた。
 柴崎コウセカチューでも出てたことをようやく知りました。。

 ラストシーンはハリウッドぽくエンターテイメントで終わる。

 エリート公務員の織田裕二が三流スーパーにやって来て、若い女性パートの柴崎コウにしごかれる。
 そのシーンがステレオタイプすぎて面白い。

 しかし、織田裕二が作ったプランを実際に実行してみると、三流スーパーの業務改革にすんなりはまる。
 彼が倉庫を観察して、余った棚で在庫品を整理したり、床に在庫を運ぶための経路をガムテープで張ったりする。
 そんな彼を叱咤する柴崎コウが頼もしい。

 とまあ映画では面白おかしく進むのだが、彼が実行しようとしたプロセスが、まず在庫整理というのが興味深かった。
 
 小売業のプロセスの基本は下記の繰り返し。

販売計画→売上実績→在庫調整

 これはいわゆる「PDS」(Plan→Do→See 計画→統制→実績)に相当する。

 映画の三流スーパーでは在庫をコントロールできていないだけでなく、在庫数を自分たちも把握できていない。
 では、どこから改革したらいいのか?

 TOCのMLのコンサルの話によると、こうなる。

こういう状況では「実績と現状が不一致」になっている。
だから、次のやり方で進めていく。

1・まず実績に現場の数字を入れて、実績を実態に合わせる。
2・次に、調達計画や販売計画も自分たちが決めて数字を入れる。
(これらのやり方を「システムを空回りさせて足で稼いだ実績データを使う」という風に言っている)

3・そして、DBRを使ってローカルな統制を行い、計画や実績のデータの正確性を高めていく。

4・ここで、バッファー=時間的余裕を使って、ローカルな最適化を全体最適へ持っていく。
 つまり、最初はバッファ(ゆとり)は大きく取るけれども、データの精度が高まるにつれて、バッファを小さくしていく。
 揺らぎが小さくなれば、システムはスムーズに流れるようになる、と。

 実際、この映画でも、三流スーパーの在庫整理から始まり、調達計画から抜き打ち検査のマニュアル作りという計画まで作っていく。
 といっても、映画なので、TOCのバッファ管理やDBRに似たような場面はなく、従業員の信頼を織田裕二が勝ち取っていくという場面になっていますが。。
 
 ま、笑える映画でした。

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