課題管理とFRCPの法則
「ザ・ファシリテーター2―理屈じゃ、誰も動かない!」の本に、FRCPの法則という概念が出てくる。
FRCPの法則とは、
機能(ファンクナリティ)F
→信頼性(リライアビリティ)R
→利便性(コンビニエンス)C
→価格(プライス)P
の順に消費者は満足する、ということ。
「ザ・ファシリテーター2―理屈じゃ、誰も動かない!」では、日本の製造業が得意とするのは、R(信頼性)とC(利便性)の部分なのに、中国を意識してP(価格)で勝負しようとしているのは間違っている、という文脈で使われていた。
FRCPの法則を知って、すぐに思い浮かんだことはITシステムにおける課題管理。
課題管理は、顧客からあがった課題を分類し、優先順位をつけて、一つずつ進捗をトレースして、解決していくプロセスを指す。
例えば、新規システムを初めてカットオーバー後、顧客から山のように課題が上がってくる。
その時、課題の質をトレースすると、FRCPの法則が適用できる気がする。
つまり、下記の時系列で課題の質が変化する。
【カットオーバー直後】
予期しなかった業務フローがあったり、バグが判明したり、パフォーマンスが悪かったり、などの苦情が寄せられる。
この時の課題は、F(機能性)やR(信頼性)が多い。
特に、F(機能性)に分類された課題は、最優先課題と言える。
何故なら、機能が不足しているということは、システムがサポートする業務が滞るから。
本当はあってはならないのだが、納期に間に合わせるために、機能を削ることはままある。
また、R(信頼性)の課題は、システムの品質に関わるため、優先順位が高い。
ITシステムの品質特性は、信頼性以外にも性能や保守性などもあるが、品質が悪ければ、いつまで経ってもプロジェクトはデスマーチのままで、メンバーも疲弊する。
システム開発ではいつも、システムの品質をいかに保持するか、に悩まされる。
いずれにしても、F(機能性)とR(信頼性)の課題は最優先に解決すべきことに変わりない。
【バグも改善してシステムが落ち着く頃】
リリース前後の繁忙期を越えて、システムにマッチするように業務が回り始めると、C(利便性)の課題が寄せられてくる。
この時の課題は、苦情と言うよりも、こうしてくれると使いやすい、こうしてくれるともっとありがたいんだけど、などのような期待に近い課題になる。
顧客満足を高める観点から言えば、この種の課題を速やかに解決すると、顧客の信頼が高まる。
F(機能性)とR(信頼性)に比べると、優先順位は低いが、顧客と関係を長く保つ時は重要な課題になる。
特に、C(利便性)の課題から、次のプロジェクトにつながっていくことも多いから。
課題のステータスに、進捗やリリース日、優先順位だけでなく、FRCPの分類を入れてみてもいいかもしれない。
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