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2008/05/09

【PFP関西】役割の変化が与えるもの

PFP関西#13に参加してきた。
今回もワークショップが面白かった。
その時の感想を書く。


今日のワークショップは、1回目は「PFの効果」について真面目に話し、2回目は役割を決めて「CO2削減の効果」について話し、3回目に役割を決めたまま「PFの具体的な効果」について話し合った。

僕が面白いと思ったのは、各人に役割を決めると、ポンポンとアイデアが出て、全員がムードメーカーになったこと。
僕のチームでは、若旦那、仲居、女将、板前などに各人が役割がアサインされた。
すると、板前や仲居らしき発想がポンポン出る。しかも、皆で笑う。

役割がある方が、発言しやすいと感じた。

ザ・ファシリテーター2―理屈じゃ、誰も動かない!」に似たような話があった。
主人公の彼氏のいる会社の研究所は、ROIが低い問題があるのに誰も手をつけられずにいた。
そこで、所長が、研究所のスポンサーである各事業部の代表という役割をベテラン研究員にアサインした。
ベテラン研究員ならば、第一線から遠のいているが、研究の事業性という観点では経験が役立つ。
更に、ベテラン研究員にその役割をアサインすれば、ベテラン研究員を再生することもできる。

以前の会議では、お互いに遠慮しあって、有益な発言すらなかった。
しかし、実際にアサインしてみると、会議では、各人のいる事業部の研究が本当にビジネスになるのか、という観点で、お互いに鋭い意見を交わすようになった、と。
役割をちょっと変えただけで、組織はすぐに活発になる、と。

プログラマと言う立場だけでは、ITビジネスが分からない所がある。
役割をアサインされると、その役割が存在理由になって、自由に発言できる。
そして、その役割でしか見えないものがたくさんある。
その役割で要求されるスキルがはっきり見えるようになる。

サブリーダー、プロジェクトリーダーと言う役割をアサインされると、その役割に似合うような人格が形成されていく人もいる。
リーダーとしての役割をアサインされると、普段の言動や服装まで、皆から自然に注目されるから、自然に模範となるように自分を律していくもの。
いわゆる「高貴な人の義務」を自然に身に付けていくように。

逆に、「7つの習慣」では、役割が多いと人は時間に追いまくられて疲れ切ってしまう、というアドバイスもある。
特に、子供がいて働く女性の場合はそうだろう。
「7つの習慣」では「刃を研ぐ」習慣がその時のアドバイスになっている。

今の日本の大手SIerは、歴史が長い会社ほど、年齢構成が逆三角形になっている。
つまり、40代、50代以上が多く、30代以下が極端に少ない構成。
そして、昨今の売り手市場で、新人社員が極端に多いので、ワイングラス構造とも呼ばれている。

こういう組織では、若手にいくら能力があっても、それなりの役割をアサインされないので、経験値が上がらない。
だから、技術や業務ノウハウの継承に問題がある。
しかし、一番の問題は、30代という人間の自然学的構造から見て最も知能も体力も整っている年齢で、中間管理職、そして経営層という役割の経験を得られずに、単なるオペレーターとして終わってしまうこと。

おそらく、日本の大企業ほど、団塊世代の成功体験に引きずられて、昨今のIT化の流れに乗り遅れていると思う。

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