TestLinkの運用例
TestLinkの運用例を見つけたのでメモ。
【元ネタ】
TestLink使用レポート ― ありえるえりあ
記事から類推すると、かなりのテストケース数でテストしているのではないかと思われる。
下記にまとめてみた。
【従来】
・テキストベースでテストケースを管理していたから、把握しにくい。
・毎日メールでテスターから進捗を連絡してもらったが、進捗管理しにくい
・不具合が発生した場合のワークフローが曖昧
・テストケースそのものが読みづらい
【TestLink運用後】
・テストスイートごとにテストケースの数を表示してくれるので、テストの範囲や工数を把握しやすい。
・テスト計画やテスターの単位で進捗率を表示してくれるので、進捗が分かりやすい
・テスト実行画面からケースを絞り込んでテストできる。
・テスト結果画面から、不具合一覧を見れる
・テストケースが単体で存在し、文章に色や下線、箇条書きなどで装飾できるので、テストケースが読みやすい
【TestLinkで物足りない点】
・過去のテスト仕様書を移行するのが大変
・実行結果に登録したチケット番号はテストケース自体へは反映されない
→記事によると、テスト計画終了後に、テストケースのカスタムフィールドに「過去の不具合」を作り、そのフィールドにBTSチケット番号を書き記している。
最後の点は、なるほどと思わせる。
TestLinkでは、テストケースとテスト実施結果は1対多の関係にあり、別個の存在である。
しかし、テスト仕様書として出力する場合、テストケースの履歴で特に過去の不具合内容は全て書いておきたいものだ。
その場合、テストケースと過去の不具合のチケット番号は、1対多(実際は0以上)の関係になるだろう。
従来のExcelのテスト仕様書では、テストケースの行には、「関連1」~「関連5」のような項目が5個ぐらい存在している時がある。
以前、その「関連1」~「関連5」の使い道を聞くと、テストケースの依存関係を示すテストケースNoを振るためのものだと聞いた時があった。
僕がTestLinkを運用した時、「関連1」~「関連5」には、要件管理IDを振って、要件カバレッジに使っている。
しかし、それだけでなく、過去の不具合チケットNoやブロックの発生源となったテストケースIDも振りたいものだ。
つまり、「関連1」~「関連5」は、テストケースの要件、あるいは、テストケースの実施結果の発生源と紐付けたい。
すなわち、テストケースとテスト実施結果が1対多となる関係をもっとたくさんの種類で色づけしたいのだ。
それらは、例えば、テストケースのキーワード、あるいは、テストケースのカスタムフィールドで表現されるべきなのだろう。
TestLinkにはまだまだ使い勝手の向上の余地があるけれど、テストに対し、色んな気付きを示唆してくれる。
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