【公開】第4.5回Shibuya.trac発表資料「RedmineとTracの機能比較~TiDDに必要な必須機能」
第4.5回Shibuya.trac に参加して発表してきた。
スタッフの皆さん、ありがとうございました。
その発表資料「RedmineとTracの機能比較~TiDDに必要な必須機能」をCC Attribution ライセンスで公開します。
今回の発表は、昨年のKOFで発表したRedmine+TiDDから続く一連のチケット駆動開発のまとめになります。
SQIP2009では、大手SIの経営者や管理職が多いせいか、チケット駆動開発の発表はプロセス改善というよりもツールに依存した運用改善と捉えられがちで、あまり反響がなかった。
でも、第4.5回Shibuya.tracはまるでホームのような雰囲気で、聴衆はTrac使用者がRedmine使用者よりもやや多かったけれど、チケット駆動開発に興味のある人達ばかりだったので、熱く語ることができた。
関西から八朔さんや小枝さんも来てくれて心強かった。
最後のパネルディスカッションでは、5人のパネラーにTiDDをKPTの観点で経験談や苦労話を語ってもらった。
実際の運用事例を5人の経験の観点から話せたから、とても参考になったと思う。
#パネルディスカッションの内容は下記で公開されている。
meeting/04.5/PanelDiscussion - Shibuya.trac Wiki - Shibuya.trac - SourceForge.JP
また、僕のBlogをたくさんの人が読んでくれていた事実も気付かせてもらい、更にフィードバックももらって非常に参考になった。
最近思うのは、ノウハウはどんどん公開した方がいいこと。
僕がRedmineやTestLink、そしてMercurialを使って経験したこと、考えたことは基本的にBlogで公開するようにしている。
最初は、Blogに書きながら僕が考えていることを整理しているだけだった。
でも、Blogにコメントがあったり、コミュニティでBlogの記事に関して質問を受けたりして、思索を深める上でとても参考になった。
KOF2008、XP祭り関西2009、ETWest2009の発表資料を公開した時、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスにしている。
このライセンスにした理由は、チケット駆動開発の提唱者であるまちゅさんが自分の資料をそのライセンスで公開していたから。
でも、このライセンスにして良かったと思っている。
このライセンスのおかげで、僕が考えたというクレジットを付けてくれれば、誰もが自由に流用でき配布できる。
僕が色々考えたアイデアは、僕がたくさん汗をかいて経験した後で気付いた結果だが、色んな人の影響も受けている。
チケット駆動開発と言うアイデアは僕一人のものではないし、むしろ、興味ある人達がよってたかって知恵として固めようとしている最中。
勝間和代の本に「情報は通貨である」という文言があったけれど、まさに実感する。
ノウハウはお金と同様に、貯めても意味がない。
貯めたお金は投資して、生産性を上げて富を増やして意味をなす。
ノウハウもどんどん公開して、みんなに使ってもらって、フィードバックを受けて、より良いものへ修正していくほど、価値が上がる。
特に技術者にとって、ノウハウを公開して自分の技術力を知らしめることができれば、自然に営業できる。
Blogに記事を書いたり、SourceForgやGoogleCodeでソースを公開すれば、Googleの検索エンジンが拾って関連付けてくれて、一つのノウハウが色んな人達のノウハウと積み重なって、大衆の知恵のように一つのプラクティス、あるいは思想になる。
オープンソース、あるいはBlogと言うからくりは、技術者にとってすごく重要な仕組みだと思う。
この記事を読んでいる人達、チケット駆動開発を実践している人達には、是非、自分の考えを発信して、色んな人に影響を与えて欲しいと思う。
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