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2010/04/17

簿記のオーディオブック

業務SEの必須スキルは、DBやモデリングだけでなく、会計の知識も必要だ。
以前、渡辺幸三さんから、SEは簿記3級の知識は必須ですよ、と言われた時がある。
又、大前研一勝間和代も、英語・IT・会計は現代人の必須スキルと言っている。

業務システムで簿記の知識が必要になってくる理由は、業務システムは最終的には会計システムであるからだ。
つまり、日々の業務で行われるお金に関する取引データは、仕訳として起こされて、最終的には損益計算書や貸借対照表へ出力される。
業務システムでかき集められた業務データは最終的には、損益計算書や貸借対照表を作るためにあると言っても過言ではない。
そのために、残高補正や棚卸など決算期特有の業務がある。

そして、会計の知識が必要な理由は、単に業務システムを作るために必要であるだけでなく、管理職や経営者になる場合、日々の活動がどれだけの利益を生んでいるか、を分析して、上司へ説明するためにも必要だ。
だから、マネージャになると、嫌でも会計の知識は必須になってくる。

簿記は、3級は個人商店、2級は株式会社や製造業、1級は管理会計と幅広い。
簿記3級の知識は、個人商店の会計だからとても簡単だが、日々の仕訳から損益計算書や貸借対照表の作り方まで教えているから、初心者にとってハードルが高い。
仕訳→総勘定元帳→合計残高試算表→精算表→損益計算書や貸借対照表という流れを自力で計算できなければ、複雑な金融システム、例えばクレジットカードシステムなどは作れないだろう。

簿記のルールは、初心者には分かりにくい。
何故こんなルールなのか、説明がないからだ。
借方、貸方という概念も福沢諭吉が作ったけれど、実際に損益計算書や貸借対照表を作るときにはその概念の意味は殆ど無関係だ。
この辺りの説明は、渡辺幸三さんの本「業務別データベース設計のためのデータモデリング入門」の最後で触れられている。
会計の仕組みは、物理の法則とは違って、所与されたルールに従って、仕訳を切り貼りして損益計算書や貸借対照表を作るためにある、と。
業務別データベース設計のためのデータモデリング入門」は業務SEにとって、とても分かりやすい本なのでお勧め。

簿記で最も基本的で重要な概念は、仕訳だ。
日々のお金のやり取りをすぐに仕訳に起こすことができれば、後はルーチンに従って、現金勘定なり、合計残高試算表なり、作ればいい。
勝間和代の本「無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法」によれば、会計士試験でも、仕訳を半年間徹底的に勉強したから一発で通ったと書いてあった。

簿記3級に出てくる勘定科目は決まっているので、それらの仕訳パターンを覚えるのが最短ルートだと思う。
本で勉強してもいいが、「音簿記」という簿記のオーディオブックがとても素晴らしいのでメモしておく。
30パターンの仕訳を解説してくれているので、通勤電車のお供にできるし。

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とは言え、ITが普及した現代は、仕訳パターンマスタにこれらの仕訳パターンは登録されているので、キーワードさえ覚えいれば、パートでも仕訳できる仕掛けになっている。

そして、会計システムとして経理業務がIT化された現代では、仕訳伝票・出金伝票・入金伝票のような紙でちまちまと仕訳を残す会社はもうないだろう。
会計システムでは、毎日の仕訳を日次バッチで自動仕訳して、リアルタイムに損益計算書や貸借対照表を出力できるようになっている。
しかも、部門単位やプロジェクト単位で損益計算書や貸借対照表を出して、社内の組織をコントロールしたり評価したりする管理会計の流れが主流になっている。
だからこそ、中間管理職はまるで中小企業の社長みたいに大変なわけだ。

この辺りの流れは、「グラス片手にデータベース設計 ~会計システム編 (DBMagazine SELECTION)」の本がとても分かりやすい。
DB設計の注意点も書かれているので参考になる。

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