ビジネスパターンによるモデル駆動設計
「ビジネスパターンによるモデル駆動設計」を立ち読みした時の感想をメモ。
ラフなメモ書き。
【元ネタ】
第3回 分析やビジネスモデリングのためのソフトウエアパターン | Think IT
REAとビジネスパターン入門(1) - 要求開発アライアンスのビジネス・モデリング道場:ITpro
REAとビジネスパターン入門(2) - 要求開発アライアンスのビジネス・モデリング道場:ITpro
REAとビジネスパターン入門(3) - 要求開発アライアンスのビジネス・モデリング道場:ITpro
REAとビジネスパターン入門(4) - 要求開発アライアンスのビジネス・モデリング道場:ITpro
OOAと言えばドメイン分析。
概念モデルをクラス図で書きながら、ビジネスを分析していくスタイルが王道。
僕もいろんな本を読んできたけれど、結局使いこなせていない。
「ビジネスパターンによるモデル駆動設計」にあるパターンは、確かに面白いけれど、「アナリシスパターン」に比べると奥が浅いように感じた。
「ビジネスパターンによるモデル駆動設計」の発想は、悪く言えば、T字形ERと勘定パターンの組み合わせに過ぎない。
モデルの対象をR(Resource:資源)、E(Event:イベント)、A(Agent:エージェント)というモノ・コト・ヒトに分ける発想は、T字形ERのイベントとリソースの拡張版。
ビジネストランザクションが経済リソースの交換であり、片方が増加すれば、片方も増加ないし減少するという発想は、簿記の仕訳そのものであり、そのモデルはアナリシスパターンに出てくる勘定パターンで表現できる。
モデリングは単なる分析ではなく、その過程でそのビジネス特有のビジネスルールを抽出していく所が腕の見せどころで面白いのであるから、その部分をもっと見せて欲しいのだ。
だが、そこまで詳しく書かれていないように感じた。
むしろ、業界ごとにモデルのパターンを羅列してくれる方がはるかに役立つのに。
アナリシスパターンに出てくるモデルは確かに優れているし、なるほどと思わせる。
だが、OOAは詳細設計から開発の部分はとてもスムーズで、書いていて楽しいけれど、要件定義やそれ以前の業務分析では、声高に叫ばれているほどの実績がないように思う。
色々調べてみたい。
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コメント
こんばんわ。いつも楽しく読ませていただいています。
個人的な見解ですがOOAはソースコードを整理整頓する技術だと考えています。データベースで実現された正規化(データの一意性)の考え方に対し、プログラムソースの一意性を実現しようとする試みがOOAであるように思えます。従ってそもそも要件定義や業務分析において効果をあげる技術ではないと思うのですがいかがでしょうか?
OOAでの具体的なモデリングの実例としては「ユースケース駆動実践ガイド」が大変わかりやすく実践的でした。もし読まれていなければお勧めです。
投稿: こば | 2010/07/27 23:48