HTML/CSSは今後500年先まで使われる技術と見据える電子書籍の動向
昨日の下記のTwitterを見ながら考えたことをメモ。
CSS3が日本語の禁則処理、傍点、縦書きなど対応へ、ドラフト公開 - Publickey
確かにepubをiBooksで読む場合、文字の拡大、音声出力などが可能だから、高齢者や障害者にとってアクセシビリティは高まる利点がある。
また、目次や索引などのリンクも簡単だから、ナビゲーション機能も優れている。
個人的には、epubにはとても可能性を感じていて、epubの将来にとても興味を持っている。
しかし、日本の現状は世界の流れから遅れているように見える。
上記の記事でこんな事が書かれている。
(前略)
CSSの発案者であり、いまもCSS3の議論の中心的な存在であるオペラソフトウェア CTOのホーコン・リー氏は、「活版印刷が発明されて500年。HTML/CSSもこれから500年先まで使われる技術」と言い、知識を表現するための重要な技術だとHTML/CSSを位置づけています。
こうした認識で議論されている(そして本当にこの先500年使われるかもしれない)国際標準のど真ん中に、いま日本語の縦書き組み版が入るかどうかを議論しているときに、国はXMDF+ドットブックを国際標準へ支援するという方向で本当にいいのでしょうか?
(後略)
今後500年先まで使われる事を想定して、世界中の開発者が仕様を決めているepubやCSS。
かたや日本国内のフォーマットを世界に持って行こうとする日本政府と日本企業。
日本政府と日本企業のやり方は世界の潮流に乗り遅れてないか?
いくら技術が優れていても、日本の携帯電話のように、世界では全く存在感が無い状況の二の舞にならないか?
日本政府が産業育成を主導しようとする発想そのものが既に時代遅れなのかもしれない。
すなわち、技術を主導する場が政府や会社ではなく、オープンソースのような公共の場に移りつつあることを意味しているのかもしれない。
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