プロジェクト管理ツールを使いこなせないのはITリテラシーが低いから
何故、Excelによるプロジェクト管理に限界があると分かっているのに、プロジェクト管理ツールを使わないプロマネが多いのは何故か?
実は、従来のプロマネはITリテラシーが低いのではないか、という原因で考えてみた。
【元ネタ】
情報リテラシー - @IT情報マネジメント用語事典
ITリテラシーとは本来、情報やデータを扱う時にコンピュータを操作できることを指す。
そこから、コンピュータを使って情報を収集したり加工したり発信する能力まで指すようになった。
上記の用語辞典によれば、情報システムを企画し、業務をIT化して変革していく能力まで対象にする時もあるらしい。
(前略)
リテラシーとは本来「識字力=文字を読み書きする能力」のことで、情報リテラシーとは情報・情報機器活用能力がナレッジワーカーにとって“基礎的能力” であることを示す言葉だが、企業などにおける情報活用が高度化するに伴って、情報システムを企画し、業務のやり方を主体的に変えていく能力なども情報リテラシーの対象にする場合もあるようだ。
その発想でいけば、従来のExcelによるプロジェクト管理では、アジャイル開発のような頻繁にリリースする開発スタイルは実現できないことは明らか。
その開発速度に追いつけないからだ。
度重なるタスクの変更や突発的なバグ修正、顧客からの仕様変更をExcelで随時反映して、追跡していくのは正直難しい。
しかし、Excelにしがみついてしまう理由は、プロジェクト管理ツールの使い方に慣れて、開発チームで運用する方法が分かっていないからだろう。
SIが顧客の業務をIT化して業務を改善していくソリューションビジネスが主なビジネスモデルなのに、実は自分たち自身の業務分析ができておらず、業務をIT化できてない。
障害報告票をExcelや紙で管理しているチームはいないだろうか?
モジュールのリリースをExcelの管理台帳で管理していて、必ず紙で印刷してマネージャの判子で承認してもらうフローで運用しているチームはいないだろうか?
つまり、広義の意味で、プロジェクト管理ツールを使いこなせないのはITリテラシーが低いと言えるのではなかろうか?
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