なぜなぜ分析の良書籍
先日のSEA関西プロセス分科会にて、なぜなぜ分析のアンチパターンや方法論について講演された時に、なぜなぜ分析の書籍「なぜなぜ分析 実践編」を紹介されていたのでメモ。
【著者のHP】
なぜなぜ分析の効果的なやり方・展開のしかた | 有限会社マネジメント・ダイナミクス
なぜなぜ分析は、品質管理の一つの技法として紹介されている。
事故や障害が発生した後で、その障害防止策の作成に使うときが多いだろう。
多分、トヨタのなぜなぜ分析から発生してきたのではないか、と推測する。
実際になぜなぜ分析を使って考えると、単純に「なぜ?」を5回繰り返すだけだが、実はかなり難しい。
なぜ?と問いかけても、ロジックがずれていると、変な方向へずれてしまって、肝心の原因まで辿り着けない。
例えば、待ち合わせに遅れたケースをなぜなぜ分析した時に、事故が起きたのが原因だから、道順を変えてみると分析した場合などがあるだろう。
実際の原因は、自分のスケジューリングがまずかった、などもあったはずなのに、いつの間にかずれてしまっているのだ。
本来のなぜなぜ分析では、最後の5回目のなぜで、心理的要因にたどり着くものらしい。
例えば、油断、思い込みなど。
すると、そのような分析の過程で、徹底的に掘り下げていくために、自分や他人に対して、かなりきつく当たってしまう時も多い。
だから、精神的にとても疲れやすいように思う。
しかし、なぜなぜ分析で徹底的に考えし尽くす方法はやっぱり重要だと思う。
似たような手法として、PFのKPTによるふりかえりがあるが、観点が違う。
KPTによるふりかえりは、ラフな雰囲気の中でメンバーが過去のチームの出来事について、問題点を洗い出し、緩やかな対策を作り出す手法だ。
以前、平鍋さんに、ふりかえりを問題解決の手法として使えるか、と聞いた時、ふりかえりは問題解決のために使うのではなく、問題の提示に力点をおくべき、と回答して頂いた時があった。
つまり、PFのふりかえりはチームビルディングの一手法であり、問題解決のために原因を徹底的に掘り下げるための手法ではない。
おそらく問題解決のための徹底的な思索は、なぜなぜ分析を使うのがベターではないかと思っている。
なぜなぜ分析を日本流ロジカルシンキングとして、論理的思索に使ってみるのも面白いかもしれない。
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