リソース数がビジネスの可能性に関係する理由
T字形ERではテーブルをリソースとイベントの2種類に区別して、ビジネスを分析する手法を取る。
T字形ERでは「リソース数>イベント数なら、イベントを増やすことによってビジネスを拡張できる可能性がある」と言われている。
その理由が分かったのでメモ。
ラフなメモ書き。
【元ネタ】
なぜresourceにeventが混入してはいけないのか - 極北データモデリング
resourceの数がデータベースの限界を決める - 極北データモデリング
「データベース設計論」を読む(1) - 極北データモデリング
【1】T字形ERでは、ヴィトゲンシュタインの本にインスパイアされたという言葉がよく紹介されるが、その理由がresourceの数がデータベースの限界を決める - 極北データモデリングやなぜresourceにeventが混入してはいけないのか - 極北データモデリングに書かれている。
つまり、ヴィトゲンシュタインが言う論理空間はデータベースであり、対象がリソース、事態がイベント、論理形式がスキーマに相当する。
目の前の事象を、対象や事態に区別し、本来の対象を見出す作業がヴィトゲンシュタインの哲学みたい。
事態(イベント)から対象(リソース)を見出すのが正規化なのかもしれない。
また、対象(リソース)と対象(リソース)を組み合わせて事象(イベント:対照表)を作り出すのが、T字形ERの発想に似ているらしい。
すると、対象(リソース)はそのビジネスルールによって生成できる事態(イベント)は限られているから、生成できる事態(イベント)の数は、対象(リソース)の数で制限されている。
ましてや、総当たりで対象(リソース)を組合せたとしても、本当にビジネス上意味のある事態(イベント)はそうは存在しないはず。
だから、できるだけ事態(イベント)を多く作っておき、ビジネスの可能性を残しておくという手法を取るのだろう。
【2】T字形で事業を解析する、とは - 極北データモデリングでは、「論理データベース論考―データ設計の方法:数学の基礎とT字形ER手法」の本に書かれているアパレルメーカーのビジネスの例が書かれている。
ここは非常に分かりやすい。
アパレルメーカーだから、ユニクロなどが例にあげられるだろう。
ここでは、「生地を裁断してから染色するのか」「生地を染色してから裁断するのか」のどちらを業務フローにしているのか、がデータモデリングで分かるらしい。
すると、裁断と染色の順番が分かったら何が嬉しいのか?
実は、ベネトンがセーターの染色と編み上げの順序を入れ替えることで大成功を収めた、という事例があったらしい。
つまり、伝統的なセーターの製法は「糸を染めてからセーターを編む」だが染色から販売まで6ヶ月もかかるので、見込生産となってしまい、大量の在庫ができてしまい、需要予測が外れると大赤字になってしまう。
しかし、編んだセーターを染める技術が確立されたおかげで、ベネトンは「セーターを編んでから染める」手法へ製造順序を逆転することによって、受注生産や直販が可能になり、在庫と機会損失が減った、という話。
この話から得られる教訓は、T字形で事業を解析する、とは - 極北データモデリングにも書かれているが、その業界のビジネスがあまり分からなくても、データモデリングでエンティティを見出し、その順番について考えざるを得ない時、コロンブスの卵の発想のような業務革新のアイデアをSEが提案できる可能性があること。
昨今の技術革新の進歩は速いので、エンティティの順序やエンティティの組合せを変更するだけで在庫が減り、在庫の回転率が上がる業務フローをSEが見出すことも可能なはず。
データモデリングには、ビジネスを知らないSEがビジネスを分析する手法が隠されている気がする。
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