データモデル表記読み替えハンドブック
IDEF1X、T字形ER、TH法、UMLの記法の違いをデータモデル表記読み替えハンドブックなるものが詳細に解説してくれていて、とても分かりやすかった。
リンクしておく。
できれば、渡辺式ER図の記法も比較してくれるとありがたがった。
【元ネタ】
データモデル表記読み替えハンドブック (第1.0版)
DOA+コンソーシアム第3分科会 CONCEPTWARE販売管理をTH法で描く
個人的には、UMLは習得しているので、IDEF1Xが馴染みやすい。
TH法の記法は独特。
T字形ERはIE記法だから読めるけれど、概念が難しい。
サブタイプ、関連などの例を見ると、それぞれの記法の特徴が分かる。
UMLは多重度や継承、ロールの表現は強いが、関連クラスの表記は弱い。
つまり、UMLは連関エンティティ、複合キーの表現が弱い。
IDEF1XはUMLのようにサブセットやロールの表現は優れていて、特に穴もない感じ。
サブタイプ実装は、確定が完全、未確定が不完全、共存はロールで表現するやり方なので、UMLが分かっていれば理解しやすかった。
T字形ERは、NULL除去、Resourceから外部キー(event)削除、という発想はとても優れている。
しかし、再帰やヘッダ・明細の表現がイマイチ。
サブタイプ実装は独特で複雑。僕はまだ理解できてない。
TH記法は、エンティティの分類が多く、導出属性の分類も多い。
何となくCobolから発達したデータモデリング記法のように思えた。
何となく使いづらそうなイメージ。
但し、いずれも僕がUMLの観点から各技法を眺めているので、理解できてないだけだと思っている。
モデリング技法は、どんな問題をどのように解決しようとしているのか、が背後に動機として隠れているので、ある問題の解決には強く、他の問題では有効でない場面があると思っている。
今後もDOAに関してまとめていく。
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コメント
T字「形」ですかねえ。
投稿: kdmsnr | 2011/01/22 16:31
◆kdmsnrさん
指摘を受けて直しました。
投稿: あきぴー | 2011/01/22 17:05
はじめまして。大阪の佐野といいます。DOA+で一時期活動していました。
>渡辺式ER図の記法も比較してくれるとありがたがった。
渡辺さんもほぼ毎回出席してくださっている勉強会を毎月やっています。
http://www.onas.asia/home/kwansaiit
そこで、このハンドブックの渡辺式の検討会をやりましょうか?まとまれば、追記してもらえると思います。
2月の予定はまだ立てていませんが、よければMLにご参加下さい。
投稿: sano | 2011/01/24 17:44