Xead Driverの感想
渡辺幸三さんがXEAD Driverを公開されたので、その講演を聞いてきた。
感想や考えたことをメモ。
【元ネタ】
関西IT勉強宴会のブログです: 2011-04-22(金)XEAD Driver公開記念企画の内容
渡辺幸三の開発支援サイト「システム設計のこと、もっと知りたい」 - XEAD
XEAD Driverの詳細は、記事を読んでもらえればいいが、僕はMDA(Model Driven Development:モデル駆動開発)の一種のように思っている。
僕の考えでは、アジャイル開発は動くプログラムが正であり、プログラミングが全てのIT技術の基本と思っているので、MDAとは真っ向から対立していると思っている。
自分の立場がアジャイル開発、あるいはプログラマであるだけに、モデルからプログラムを自動生成すればOKという話はとても好きになれなかった。
XEAD Driverを使える場面は、要件定義で画面プロトタイプ専用ツールとして使うぐらいしか連想できなかった。
(ごめんなさい)
でも、渡辺幸三さんがホワイトボードの前でまるで画家のようにモデリングしていく様はとても興味深かった。
渡辺さんが独自に編み出したDFDやER図の記法で、参加者の要望を吸い取り、システムのスコープを決めて詳細化しながら、「お客さんがなにか考え事をしていて場が止まっていても、モデラーはどんどん書いていくべきなんですよ」と言いながらドンドン書いていくのを見るのは面白かった。
そして、データモデリングでも、ビジネスルールを考慮しながらキー・非キーを配置していく様は、なるほどと思った。
個人的には、データモデリングは長い歴史を持ち、Railsが出てからはその重要性が高まっているにも関わらず、そのノウハウはパターンとして整理されていない印象を持っている。
OOAではアナリシスパターンのように業務モデルをパターン化してくれているのに、DOAではデータモデルパターンの本が日本語訳すらされていない。
Railsを使う開発者ならば、OOAよりもデータモデリングの手法を研究する方が実際に役立つし、その経験がドメイン駆動設計にも生きるだろうと思っている。
色々考えてみる。
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