Pivotal Trackerに似ているツールFulcrum
Moongiftさんの記事で、ストーリーベースのタスク管理ツールFulcrumが紹介されていたのでメモ。
【元ネタ】
ストーリーベースのアジャイル開発に。Railsのプロジェクト管理「Fulcrum」 - MOONGIFT|オープンソース・ソフトウェア紹介を軸としたITエンジニア、Webデザイナー向けブログ
Pivotal Trackerとredmineの違い: プログラマの思索
Fulcrumの画面キャプチャを見た感じは、倉貫さんがRxtstudyでデモしたPivotal Trackerにとてもよく似ている。
Fulcrumの作業領域は、Chilly Bin→IceBox、バックログ→Backlog、InProgress→TaskBoard、Done→本番環境へリリース済みと見なせば、Pivotal Trackerとほぼ同じだ。
後は、Fulcrumにおけるストーリーカードの作業状態やリリース状態がアジャイル開発の概念を反映しているなら、Pivotal Trackerのように、ストーリーカードの進捗はBooleanで、リリース状況は受入テスト中・済のいずれかになるだろう。
FulcrumやPivotal Trackerのように、ストーリーカードでタスク管理を行うツールは、「アジャイルサムライ」やリーンソフトウェア開発に出てくる「かんばん」をそのまま実装したように思える。
実際、ストーリーカードの作業状態をかんばんで表現しているし、かんばんの制約条件である作業中(Work In Progress)のカード数に上限を設けて、ストーリーカードをChilly Bin→Backlog→TaskBoard→Doneへ流れるようにすればいいだろう。
特に、Chilly Bin→Backlog→TaskBoard→Doneへストーリーカードが流れる様は、リーンソフトウェア開発に置けるPull方式の発想につながるのだろう。
例えば、TaskBoardにある作業がDoneに移って終われば、Backlogにある一番上(最優先)のカードを取り出してTaskBoardへ移動して作業を始めればいい。
すなわち、自分の手持ちの作業が無くなってから、次の作業に取り掛かるので、Pull方式のタスク管理になる。
かんばんがScrum界隈で最近注目されているのは、スプリント単位の反復開発よりももっとスピーディな開発スタイルとしてかんばんが取り上げられているのだろうと推測する。
但し、かんばんの運用はスプリント単位の反復開発以上に難しいと思う。
何故なら、Pivotal Trackerの倉貫さんのデモでも、ストーリーカードの粒度は1人日以下と非常に粒度が小さいように作られていた事実から、かんばんにのせるストーリーカードは事実上のタスクカードに近いレベルまで作業を落としこんでおく必要があるからだ。
普通のソフトウェア開発では、ストーリーカードから直接実装できるほど簡単ではない。
システムの仕様やアーキテクチャを知り尽くしているからこそ、ストーリーカードを細かく分割することができるからだ。
その前提条件(コンテキスト)は忘れがちなので要注意。
なお、かんばんの解説は@ryuzeeさんのBlogがとても詳しく参考になる。
[Agile]“塹壕よりScrumとXP”その後とテスト自動化順序の決め方 | Ryuzee.com
[Agile]Kanbanを導入する正しい理由5個 | Ryuzee.com
かんばんについてはまだまだ理解できていないので、チケット駆動開発上でどのように運用すればよいか、色々考えてみる。
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