日本のIT業界のホラー小説「人形つかい」
一部で有名だったシステム開発の読み物(全23話)を読んでみた。
あらすじはネタバレになるので書かないが、いくつか感想をメモしておく。
【元ネタ】
Press Enter■: 人形つかい(1) 未知との遭遇
日本のIT業界で働いた経験がある人なら、リアリティがありすぎて思わず引き込まれるだろう。
他の業界の人が読んだら、何故今の日本で奴隷のように働くのだろうと不審がるだろう。
感想を二つほど書く。
一つは、日本の製造業に特徴的な多重下請構造をIT業界が真似たことで、技術者が手配師になるか一匹狼の技術者になるかどちらかしか選択肢がない状況になっていること。
この件については過去にも色々考えた。
個人的には、松原友夫さんの指摘「しかし、品質に関して重大責任を負うに至ったソフトウエア開発ビジネスで、成果責任を負わない派遣形態がかくも横行しているのは日本だけである。 」が最も本質を突いていると考える。
日本のソフトウエア産業、衰退の真因 | スラッシュドット・ジャパン
日本のソフトウエア産業、衰退の真因 - 真髄を語る:ITpro
もう一つは、SIが独自に作る俺様フレームワークに技術上だけでなくマネジメント上も致命的な欠陥があること。
この件も過去にも色々考えた。
SIerの俺様フレームワークは最悪に激しく同意: プログラマの思索
SIが俺様フレームワークを作りたがる理由は、昔のCobol開発のように、上流工程の設計さえできればプログラムは自動生成すればいい、という発想があるのだろうと思う。
その考え方は多分アジャイル開発とは相容れないと思う。
Continuous Delivery~TDDとCIの次に現れた自動化の概念: プログラマの思索
SIerは自動化する対象が違っているのでは? - Togetter
IT勉強会カレンダーを見る限り、日本のIT技術者は向上心があるし、RubyやSeasarなどを日本人が生み出したのだから、技術的に劣っているとは思えない。
オープンソース活動やコミュニティ活動が日本の変革の鍵を握っているように直感している。
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