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2012/03/29

IPAから日本のアジャイル事例報告

@hiranabeさんのTwitterから、IPAから日本のアジャイル事例報告書を見つけたのでリンクしておく。

【元ネタ】
Twitter / @hiranabe: IPAから日本のアジャイル事例報告。「中大規模事例でよく行われた工夫」が末尾にある(パタン言語への入り口か)!

「非ウォーターフォール型開発の普及要因と適用領域の拡大に関する調査」報告書を公開~情報処理推進機構:ソフトウェア・エンジニアリング

「非ウォーターフォール型開発の普及要因と適用領域の拡大に関する調査」調査概要報告書[2.29MB]~情報処理推進機構:ソフトウェア・エンジニアリング

「非ウォーターフォール型開発の普及要因と適用領域の拡大に関する調査」調査報告書[3.87MB]~情報処理推進機構:ソフトウェア・エンジニアリング

160ページもの報告書には、11社のアジャイル開発12事例が掲載されている。
注目すべきは、組織構成と契約スタイルを中心に書いていることと、背景・考慮点・解決したかった問題・効果のようにパターンカタログのような形式で書いていること。
前者に関しては、特に組織構成が面白いと思った。
何故なら、アジャイル開発の運用が難しい理由は、顧客と開発者が密接に関係しあうような体制が必要なのに、実際の開発現場では互いの利害が衝突してしまいがちだから。
顧客から一方的に納期と工数、スコープが固定されて提示されてしまったら、アジャイルに開発のしようがない。
こういう事例がIPAという日本のIT業界のエスタブリッシュメントから出たことが感慨深い。

なお、IPAの下記サイトから、日本の大手ベンダーの開発事例を定量化したデータが無料で公開されている。
中身を見ると、FP法による開発規模、工数、納期などの定量データが公開されていて、とても参考になる。

Twitter / @akipii: IPAのサイトから日本のソフトウェア開発の定量データを無料で落とせる。資料を収集する時にこれほど役立つものはない。すごいね。ソフトウェア開発データ白書 http://sec.ipa.go.jp/publish/index.html

SEC BOOKS~情報処理推進機構:ソフトウェアエンジニアリング

<第2版>ソフトウェア開発データ白書2010-2011~IT企業2584プロジェクト 実践的活用に役立つ定量データ~情報処理推進機構:ソフトウェアエンジニアリング

興味深いのは、日本のソフトウェア開発では、反復型開発(アジャイル開発も含む)はわずか2.7%に満たず、それ以外はWF型開発であること。
上記のアジャイル開発の事例は、日本の大手SIではかなりの少数派と見なした方がいいだろう。

IPAの他の資料も無料で公開されているので読んでみると面白いだろうと思う。

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