SQIP2012の見所
SQIP2012のプログラムが公開されていたのでメモ。
【元ネタ】
ソフトウェア品質シンポジウム2012【SQiP2012】
日科技連 | ソフトウェア品質 | 第28回 ソフトウェア品質シンポジウム2009
(SQiP(スキップ)シンポジウム)
チケット駆動開発- BTSでExtreme Programmingを改善する-
僕もSQIP2009でチケット駆動開発を講演しました。
SQIP2012のプログラムで驚いたのはチケット駆動開発に関する発表があること。
チケット駆動開発について経験発表するぐらい事例が増えていて、普及しているということなのでしょうか?
発表内容が気になります。
普通は資料がPDFで公開されるので、楽しみに待っていようと思います。
他にも、細谷さんによるアジャイル開発事例や、XDDPとScrumを併用した事例という興味深い話もあるようです。
(引用開始)
A2-3【経験発表】
チケット駆動型進捗管理システムによるカーナビゲーション開発管理の効率化
藏本 英彦 氏
【概要】
我々が開発しているカーナビゲーションは、ソフトウェアの開発規模が1,000万行を超え、1,000人以上が関わる大規模製品となっている。開発を取り巻く環境として、短納期開発、低コスト、仕様が固まらないなどの外部要因を抱えおり、要件変更が頻繁に起こる。これは従来の製品開発で適用されているウォーターフォール型開発では、手戻りを発生させる要因となる。
要件変更が頻繁に起こる開発でも、手戻りの影響を減らす新たなプロセスの構築が必要であると考えた。そこで、変更にすばやく適応することに主眼をおくアジャイルソフトウェア開発に着目した。一般的にコミュニケーションを重視するアジャイル開発は、大規模開発には不向きとされている。しかし、開発対象を細かな機能に分割し、開発のスコープをコミュニケーション可能な規模にすることで、アジャイル開発の適用が可能と考えた。
ウォーターフォール型開発にアジャイル的な要素を組み込む際に、進捗管理システムにチケット駆動型管理システムを採用した。機能の開発計画を管理する計画チケットと、工程で発生する作業をコミュニケーション可能な粒度で管理する作業チケットに層別した。
本発表では、上記要件を備えたプロセスの構築と、それを製品開発に適用するためのプロジェクト進捗管理システムについて報告する。
A2-1【経験発表】
アジャイルプラクティスを活用したチームとしての品質確保の取り組み
細谷 泰夫 氏
【概要】
ソフトウェア開発の経験が浅いメンバーが大半を占める場合、以下のような課題がある。
(1) 経験の浅いメンバーの成長をどのように促していくか?
(2) 製品の品質をどのように確保するか?
アジャイル開発手法では、短期間の反復開発を実施する。要求分析~テストまでのプロセスを何度も繰り返しフィードバックを受けることは、経験の浅いメンバーの設計、実装スキルを向上させる効果が高いと考える。
一方で、経験の浅いメンバーが含まれる中でも製品の品質をしっかりと確保する必要がある。
本発表で紹介する事例では、アジャイルプラクティスがカバーするレビューの範囲、必要なスキルに着目し、既存のレビュー手法、テスト手法と組み合わせることで、製品の品質を確保する工夫を行った。
本発表では、各プラクティスをどのように組み合わせて品質を確保したか、計測したメトリクスを交えた実施結果を紹介する。
A2-2【経験論文】
XDDPとSCRUMによるチーム型派生開発の取り組み事例
勝又 淳 氏
【概要】
昨今の組み込み機器は、製品競争の激化により高機能・高品質・短納期・低コストへの要求が強く、これらの課題解決が急務となっている。しかしながら、長きにわたる景気低迷によりヒト・モノ・カネといったリソースが潤沢に割かれるわけではない。派生開発においては、新規開発に比べてその傾向が強いことが多い。
そこで我々は、派生開発において、迅速かつ最適の人員で高品質なソフトウェアを開発する手段として、派生開発における技術的なアプローチ(XDDP)と自律型チームによる継続的改善アプローチ(SCRUM)の2つのアプローチを適用することで課題解決に取り組んだ。
その結果、品質面・納期面・コスト面・メンバのモチベーション面において非常に良い結果を得ることができた。これは、この2つのアプローチが、お互いの特徴を打ち消すことなく良好に作用した結果であるといえる。
本稿では、この2つのアプローチがどのように作用して、品質向上・納期遵守・高動機づけに繋がったのかを考察する。
(引用終了)
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