「チケット駆動開発」の感想を集めてみたpart3
@SugiTKさんが「チケット駆動開発」の感想をTwitterで流していて、とても参考になったのでメモ。
ありがとうございます。
感想をラフなメモ書き。
多分、BTSというWebシステムが出現する以前から、障害管理と変更管理、ビルド管理を組み合わせた手法を実施していた現場は存在していただろう。
そのようなツールの組み合わせが生まれた理由は、現場でそんな開発環境が必要だったからという欲求があったからだと思う。
@SugiTKさんのように、随分以前からCVS + GNATS + makeのようなツールを組み合わせて、「短期間でのリリース目標設定、日々の回帰テスト、継続的デリバリ」を運用してアジャイルに開発していた現場はかなり慧眼の目があったに違いない。
その頃とチケット駆動開発が生まれた現在を比較してみると、CVS + GNATS + makeからgit + Redmine + Jenkinsというツールへ成長して変わっただけとも見えるが、僕はそう思っていない。
チケット駆動開発がアジャイルという概念と密接に連携しただけでなく、ソフトウェア開発に新しい観点を提示した点が大きいのではないかと思っている。
そして、そのようなツールが必要となるマーケット(開発現場)とチケット駆動開発というアイデアが結びついたからこそ、静かに普及していったのだと思う。
従来型開発へのテーラリングは、その一連の流れのバリエーション(派生・先祖返り)に過ぎないかなと思ってる。
最近思うのは、ソフトウェアがようやく時代に追いついたという感覚。
TwitterやFacebookが普及した頃から、各地の開発現場のノウハウを勉強会やコミュニティで共有しやすくなり、色んな人達が切磋琢磨するような環境が生まれたように思う。
チケット駆動開発は、ITSやバージョン管理などのツールの使い方という観点と、アジャイル開発への適用という観点がある。
その観点が意味するのは、ソフトウェアでソフトウェア開発のプロジェクト管理の諸問題を解決できるという事例が増えてきていることを意味していると思う。
プログラミング技術が優れていれば、それをベースにより少人数でアジャイルに開発できる環境が整いつつあるからだ。
そうでなければ、短期間で頻繁にリリースしていくアジャイル開発を安定して運用することはできないだろう。
そして、安定してアジャイル開発できるようになれば、そこから開発のリズムが生まれ、自分たちの運用を改善していけるようになり、マネジメント技術も身に付けていくことができると思っている。
プログラマがいきなりチーム運営できる立場に立つことはあまりないだろうが、アジャイル開発を経験することで、マネジメント能力を向上できるきっかけが生まれると思う。
より良い環境を自ら作り出せば、能力を向上できるチャンスがどんどん生まれる時代なのだと思う。
他にも探してみる。
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