ようこそリーンスタートアップ 「ムーブメント」へ by @hiranabeさん翻訳
「ようこそリーンスタートアップ 「ムーブメント」へ」というスライドを見て、リーンスタートアップの理解が進んだのでリンクしておく。
ラフなメモ書き。
【元ネタ】
MVP、革新会計、成長エンジン…書籍「リーン・スタートアップ」で紹介されている重要コンセプト | ihayato.news
成功するリーンスタートアップ実践のポイント「顧客課題仮説の記述」 | "Lean Startup Japan"
[早版] 東京「クックパッドがリーンスタートアップから学んだアジャイルな開発」 ? Agile Japan 2012レポート(9) | ManasLink - EM ONLINE
「Lean Startup Bootcamp」に参加してきました!~前編~ | クラスメソッド開発ブログ
高速で無駄のないソフトウェア開発を実現するための7つのポイント - Social Change!
リーン・スタートアップの開発サイクルは、仮説作成→MVP試作→BMLプロセス→Pivot(方向転換)。
まず、どんな製品を作るとどのマーケットに売るか、という仮説を作り、検証する。
仮説が確定したら、MVP=Minimal Viable Product、つまり、実用最小限の製品という試作品を作る。
MVPはプロトタイピングに似ているが、必要最低限の機能だけとし、ユーザインターフェイスを重視して作る。
MVP試作は従来のプロトタイプ作成とは意味合いがかなり違う。
そして、MVPが確定したら、MVPを元に製品を開発し、実際にマーケットに出して、ユーザからフィードバックを受けて評価する。
BMP=Build, Measure, Learnの略。
つまり、構築(Build)し、測定(Measure)した結果を学習(Learn)して、次の機能改善に活かす。
[早版] 東京「クックパッドがリーンスタートアップから学んだアジャイルな開発」 ? Agile Japan 2012レポート(9) | ManasLink - EM ONLINEでは、クックパッドがMVPのアイデアを用いてどのようなWebサービスを作ったのか、という事例が書かれている。
クックパッドの事例では、測定評価の対象が女性社員だったり、スーパーにチラシを配ったユーザだったり、かなり身近な人達が対象になっているのが興味深い。
その方がフィードバックが早いだけでなく、実際に購入したユーザが明確になるので、ペルソナ分析もやりやすくなる利点があるのだろう。
つまり、どのターゲットに絞って製品を販売するのか、という観点がより明確になる利点もあるのだろう。
そして、「試験的に使ってくれるユーザーにお金を払ってもらうことが、正直なフィードバックを得るためのコツなのだそうです」という話は、マーケティングの基本を思い出す。
つまり、製品のアーリーアダプターには、いきなり低価格の製品を使ってもらうのではなく、高い価格でも製品を購入してくれるかを探るために、モニターになってもらってフィードバックをもらうようにするのがコツなのだろう。
また、「MVPにはメールが相性がいいらしい」という話も面白い。
ユーザとのチャネルは、メール以外にも紙媒体の広告、営業電話、チラシなどがあるが、メールは直接ユーザに届くだけでなく、開封しなければユーザにとっても邪魔にならない。
メールという古いプロトコル(チャネル)は研究する余地があるのだろう。
ピボットとは、戦略(製品計画)の方向転換のこと。
最初に作った仮説に基づいて製品を作ったとしても、ユーザのフィードバックを受けながら、少しずつあるいは大胆に方向転換する。
むしろ、方向転換するタイミングを逸する方がリスクがあるようだ。
この辺りは、アジャイル開発のイテレーション計画に似ている。
例えば、アジャイル開発では、作業計画は定期的に最新化して、現状の作業に合わせながら、チームが進むべき道を示す。
リーン・スタートアップをアジャイル開発の観点で見れば、MVPという考え方がとても特徴的で、アジャイルの考え方を発展させたように思う。
盛り沢山の機能は却って不要であり、むしろ最低限のシンプルな機能の方がユーザにとっては逆に使いやすいという発想。
特に、XPの計画ゲームではイテレーションのたびに、不要な機能は思い切って削るべきという指摘があり、とても驚いた経験がある。
アジャイル開発が問題点をすり替えた品質特性~機能性と信頼性: プログラマの思索にも書いたように、最近では、機能性という品質の考え方が根本的に変わっている。
リーン・スタートアップはまだまだ理解が浅いので他にも調べてみる。
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