37シグナルズ「小さなチーム、大きな仕事」の感想
37シグナルズのDHHが書いた「小さなチーム、大きな仕事」について感想をメモ書き。
書評:小さなチーム、大きな仕事ー37シグナルズ成功の法則 - Social Change!
小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則 - 基本読書
【起業&仕事術】「小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則」:マインドマップ的読書感想文
「小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則」を読み終えて - アインシュタインの電話番号?
小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則 | bmblog
Ruby on Railsの創始者で一躍有名になったDHHが書いた本の日本語訳。
小さなソフトウェア会社が活躍するための経験知が書かれている。
気に入ったフレーズを書き残す。
()は僕の感想。
・現実の世界なんて無視しよう
→現実の世界は場所ではなく、言い訳だ。何も試さないことの正当化だ。あなたには関係ない。
・「失敗から学ぶこと」は過大評価されている
→他人の失敗はしょせん他人の失敗だ。一度成功した起業家は次もうんと成功しやすい。進化は常に上手くいったものの上に築かれ、過去の失敗は引きずらないものだ。
(成功体験が人を基本的には成長させる)
・あなたに必要な物を作る
→すごい製品やサービスを生み出す最も単純な方法は、あなたが使いたいものを作ることだ。自分で欲しい物を作れば、直接すばやく、代理を通さずに品質を評価できる。
何と言っても、「自分自身の問題を解決する」アプローチは、作り手は作る物と恋に落ちる。問題をよく知っているだけでなく、解決の価値も知っている。
(好きなモノこそ上手になれ)
・必要な物は思ったよりも少ない
→本当に10人必要か?
本当に50万ドル必要か?
本当に6ヶ月必要か?
本当に、オフィス、倉庫、広告、会計士、工場、店舗、IT部門が必要か?
いずれ実際に大金のかかる道に行ったとしても、今ではない。
偉大な企業(例えばアップル)はガレージでさえスタートするものだ。
・新興企業(スタートアップ)ではなく、企業を始めよう
→スタートアップ企業は、自分で稼ぐ方法を見つけるまで他人のお金を使わせてもらえる不思議な場所。そこにはビジネスの論理が関係ない。でもこの不思議な場所の問題は、それがお伽話であることだ。全てのビジネスはマーケットの力と経済のルールに支配されていて、収入があり、支出があり、利益が出せなければ去るだけだ。
スタートアップは現実を無視し、避けられないこと(利益を上げて持続可能な本物のビジネスにならなければならないこと)をできるだけ後回しにしようとする人々によって経営されている。
利益に至る方針のないものはビジネスとは言わない。それは趣味だ。
スタートアップというアイデアに頼ってはいけない。本物のビジネスを最初から目指そう。
・制約を受け入れる
→制約は武器だ。資源が制限されると、それで何とかしようと、創造性が求められる。
・中途半端な製品ではなく、半分の製品
→素晴らしいアイデアも一度に実現しようとすると一気にくだらない製品になってしまう。
より良いものを作るには、やりたいことを半分にするのだ。
中途半端な一つよりも、とてもよくできた半分の大きさのものを作る方が良い。
もし素晴らしいアイデアが本当に魅力的なものならば、後からでもやることができる。
多くのものは小さくすればするほど良くなる。
(アジャイルの小規模リリースにもつながる)
・決断することで前に進む
→はっきり決断しないと、仕事は山積みになり、結局、そうした山のそれぞれの問題は放置されたり、急いで処理されたり、放り出されて解決されないままになる。
完璧な解決を待たず、決断して前進するのだ。
決断に決断を重ねる流れに入ると、勢いが生まれ、モチベーションも高まり、あなたが決めた一つ一つがあなたの土台になっていく。
どれほど計画しても間違ってしまうものもある。あまりにも分析しすぎて、先送りしてしまい自体を悪化させるようなことをしてはならない。
・副産物を売る
→何かを作る時、実は何か別のもの(副産物)を生まれている。副産物に注目し、チャンスを見出すのだ。
例えば、材木業界は、かつて捨てるだけだったおがくずやチップを売り、収益を上げている。
37signalsも、ソフトウェアを作る会社だが、その知識をブログで公開し、ワークショップや雑誌の記事になり、最終的に今の本となって出版された。その副産物として、100万ドル以上の利益が37signalsに入ってきた。
ソフトウェア会社は普段、本を書くことを考えてない。バンドは普通、収録の過程を映像で撮って売ろうと考えていない。自動車会社は普通、製造工程で出てきた木の切れ端を豆炭にして売ろうと考えていない。
でもそれら副産物で収益を上げることができる。おそらく、あなたも売れるかもしれない何かを作っているだろう。
(出版した人ならこの感覚はわかるはず)
・柔道のような解決策を見つけるのだ
→柔道のように、最低限の力で最大の効果を発揮するそこそこの解決策を見つけるのだ。それに後からでも、そこそこなものはとても良いものに変えることができるから。
・小さな勝利を手に入れる
→仕事のはずみはモチベーションの燃料だ。
あることを成し遂げ、次のことに進むことによって仕事のはずみが生まれる。
・ヒーローにはなるな
→やめることが最善の方法になりうる時もある。
既に一つのことにそれだけの価値がないほど多すぎる時間を費やしたのであれば、そこから手を引くこと。
・長すぎるToDoリストは終わることがない
→長いリストにはゴミが集まる。長いリストには罪悪感を抱かせる。
長いリストはいくつもの小さいリストに分解しよう。
問題を素早く扱うことができるように、可能な限り小さな要素へ分解するのだ。
・小さな決断をする
→大きな決断は変えるのも難しいし、たとえそうでなかったとしても自分は正しい決断をしたと信じ続ける傾向がある。客観的でなくなってしまう。
そのかわり、効率良く一時的な小さな選択をしよう。
小さな決断は大きな間違いをすることもない。変更の余地がある。失敗しても大きなペナルティはなく、修正するだけだ。
・けんかを売る
→競合相手が最低だと思ったらそう言おう。アンチでいることは、あなた自身を差別化し、人を惹きつけるのに非常に良い方法だ。
例えば、アウディ、アップル。
敵を持つことは顧客に伝えるための素晴らしいストーリーをもたらしてくれる。人々は対立によってかき立てられ、情熱に火がつく。
(良いコンフリクトは場を活性化させる)
・基本的に「ノー」と言おう
”顧客の言うことを聞いていたら、もっと速く走る馬を彼らに与えていただろう。(自動車王:ヘンリー・フォード)”
→「ノー」と言っても後悔することはめったにないが、「イエス」と言って後悔することはよくある。
・顧客をあなたよりも成長させよう
→既存の顧客にこだわり続けていると、新たな顧客から自社を切り離してしまう。
あなたの製品やサービスは既存顧客にあまりにも最適化されすぎており、新たな顧客に魅力がないものに写ってしまう。
顧客が成長すると、アプリケーションが彼らのビジネスに合わなくなってくる。
でも僕らはノーと答えた。その理由は、顧客が僕らの製品をモノにできないよりも、顧客には僕らの製品を追い抜いて欲しいと考えていたから。
あなたの製品を使っている人よりも使っていない人の方が多く存在する。そうした人達が使い始めることができるように、製品が小さくてシンプルになっているようにしよう。
あなたの会社、ニーズがコロコロ変わる特定の個人よりもあるタイプの顧客に忠実であるべき。
(顧客が重要なのか、マーケットが重要なのか)
・無名であることを受け入れる
→無名であるときこそ、思い立ったアイデアを試してみよう。
例えば、ブロードウェイも大きな公演の前に小さな町でテスト公演することで、俳優は専門家の厳しい評価を受ける前に観客から生の評価を受けることができる。
(デブサミのような大きな講演の前に、小さなコミュニティで講演する体験をしておくことが大事)
・観客を作る
→どんな会社にも顧客はいるが、一番幸運な会社は観客がいる。
今の時代の最先端を走る会社は、莫大なお金を広告にかけるよりも、人々に来てもらうようにする。観客は時々あなたの所に舞い戻ってきてくれる。観客は一番理解なる顧客であり、一番の見込み客だ。
37signalsはブログに毎日10万人以上の読者、つまり観客を築いてきた。彼らはブログの内容に興味を持ってくるわけだから、僕らの製品、僕らが売る物にも共感を示してくれるはずだ。
昔ながらの方法では、毎日10万人の人に連絡するにはいくらのお金があっても足りない。
話す、書く、ブログを書く、ツイッターでつぶやく、映像を作る、などで観客を作る。
価値ある情報を共有し、ゆっくりと確実んい忠実な観客を獲得すれば、何か言いたい時にも、然るべき人達が既に聞いてくれている。
(ソーシャルビジネスの基本的な考え方につながる。TwitterやFacebook、Blogは、TVの広告よりもはるかに影響力がある)
・料理人を見習う
→優れた料理人は、自身が知っていることを公開し、皆と共有することで有名になる。
彼らは自身のレシピを料理本に記載し、自身の技術を料理番組で披露している。
彼らは、そうしたレシピやテクニックだけでは彼を凌駕するのに十分でないと知っている。
経営者も彼らを見習うべきだ。
あなたも著名は料理人を見習おう。
彼らは料理し、料理本を書く。
あなたはのレシピ、料理本は何か?
(ノウハウをオープンにした方が実は儲かる。ソーシャルな時代の流れ)
・人を雇うにはまず自分自身から
→まず自分自身でやってみるまで誰かを雇ってはいけない。
自分で仕事の本質を理解すれば、新しい人達のマネジメントもうまくできる。いつ厳しく接し、いつ励ませば良いのか分かる。
・会社を知人のいないパーティにしない
→短期間に人をたくさん雇うと、知人のいないパーティになってしまいがちだ。
いつも新しい顔があるのでよそよそしくなり、対立や劇的な反応を避ける。
物事が厳しくなった時にも皆が率直に自分の意見を言えるような環境が必要だ。
それがないと、人の感情を傷つけないが誰も愛さない商品を作ることになる。
(急成長の会社でありがちな罠)
・文句は放っておく
→議論の的になったからと言って、バカみたいに後退しないことだ。
たいていの場合、人はいずれ自分たちで変化に適応する。
一回新しい方針に慣れればその方が前より良いと思うものだ。
人が文句をいう時は、しばらく様子を見たいとはっきり言ってしまうことだ。
(他人を気にするな、自分の内なる声を大切に)
・ロックスターは環境が作る
→人は駄目な仕事、普通の仕事、素晴らしい仕事をする。
それは我々の想像以上に環境による所が大きい。
ロックスター環境は信頼と自律と責任から生じるものだ。
良い環境は働いている人を尊重している証拠だ。
・ひらめきには賞味期限がある
→皆がアイデアを持っている。
ひらめきには果物や牛乳のように賞味期限がある。
何かしたいことがあれば、今しなければならない。
ひらめきは不思議なものだ。生産性を高め、ヤル気をあおる。でも、待ってはくれない。
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