エバンジェリスト養成講座の感想
XP祭り関西2013の懇親会で、希望者に配布した「エバンジェリスト養成講座」をさらっと読んでみたらとても面白かった。
感想をラフなメモ書き。
エバンジェリストとは、自社の製品やサービスを顧客に分かりやすく説明する人。
MSやIBMに多い。
AWSの玉川憲さんもそういう人。
第1回『エバンジェリストに必要なもの、それは』(1/3):企業のIT・経営・ビジネスをつなぐ情報サイト EnterpriseZine (EZ)
【1】体験や経験を語ることがプレゼンテーション。
経験が大切。
製品の良い点も悪い点も経験しておけば、講演者の話に説得力も出てくる。
聴衆からの質問にも回答しやすい。
【2】プレゼンは伝われば成功。
何を伝えるのか?
伝えることがゴール。
だから、伝える内容を決めるために、シナリオを共有しておくことが大切。
営業マンと営業しに行くなら、何を伝えたいのか、営業マンとシナリオを共有しておく。
システム提案に行くなら、顧客に何を伝えたいのか、SEとシナリオを共有しておく。
【3】モノよりも人(講演者)の方が記憶に残る時が多い。
「スティーブ・ジョブズが話していたアレ」とか。
プレゼンターの雰囲気、立ち振舞、話しぶりが印象に残りやすい。
その意味では、プレゼンは自己表現。
単なる製品説明ではなく、製品と一緒に自分を売り込んでいる。
だから身だしなみも重要。
格子型、斜線模様のシャツやネクタイは避けたほうが良いとのこと。
理由は、Webで写真がアップされた時、ぼやけてしまうから、とのこと。
それゆえに、プレゼンターは、経営者などの上層部向け、つまり、トップアプローチを重視した方が良い、とのこと。
プレゼンは営業ではない。
チャンスを広げたり、興味を持ってもらうことが目的だから。
【4】7種類のプレゼンスタイルがある。
(1)オーソドックス型。
文章を箇条書き。
資料の中身で話す。
但し、身振り手振りで説明したり、事前に資料を配布したりしておく。
(2)ビジー型。
図や表を入れた詳細な資料。
A0やA1などの紙に印刷して、指さしながら説明する。
CIO一人相手に、数字や分析を絡めながら話す時に都合がいい。
(3)フラッシュ型。
高橋メソッドと同義。
例えば、60秒で27枚のスライドを使う。
内容がとても多く、効果的。
短時間でたくさんのことが話せる利点がある。
エレベータートークにも使える。
LTでとても有効なスタイル。
プレゼンの勉強になるので、プレゼンの初心者にとてもお勧めらしい。
(4)デモ型
(5)機能比較型
(6)完全比較型
文字通り。
(7)スティーブ・ジョブズ型
スライドに説明がなく、画像やイメージで伝える。
アドリブが全てなので、スライドやシナリオを丸暗記して復唱できるのが前提。
プレゼンテーションZenでも提唱されている手法。
最近の勉強会の発表では、このプレゼンスタイルが主流。
だから、とても垢抜けており、聴きやすいし、印象に残りやすい。
【5】プレゼンのシナリオの3つの視点
自分という製品担当者の視点。
神様という第3者の視点。
顧客という「皆さん」の視点。
プレゼンターは、顧客の視点を大切にしよう。
顧客視点のプレゼンが最も伝わりやすい。
更に自分が体験した内容が話しやすい。
【6】プレゼンはデートに似ている。
プロセスが評価される。
デートでは、女性は男性がエスコートしてくれることを期待している。
プレゼンも、聞く人は、どんな内容を話してくれるのか、期待している。
テーマの選択、時間の厳守、シナリオの決定、アドリブ、サプライズ。
いずれもデートの必要要素に似ている。
プレゼンはドラマ形式が良い。
よくあるパターンは、ホラーストーリー中心。
つまり、問題や課題を提示して、それをどのように解決していくのか、を説明するパターン。
システム提案でよく使われるITソリューションのパターンに近い。
もう一つは、サクセスストーリー中心。
他社の成功事例を中心に話す。
事例なので説得力があるし、経営者は他社の動向を知りたがっている。
【7】プレゼンの最初でアイスブレイクは重要。
いわゆる「つかみ」。
最初の5分で聴衆に興味を持ってもらうのが目的。
アイスブレイクの元ネタを数種類持っておくと良いかもしれない。
【8】プレゼンの話し方には幾つかの注意点がある。
言葉は言い切る。
話を切ったり、話を元に戻さない。
言葉の空白を作らない。
1分間に数字を3回入れると説得力が増す。
右肩上がりのグラフにする。
経営者にとって、売上が右肩下がりのグラフは見たくもない。
覚えて欲しい言葉は連呼する。
キーワードを刷り込ませる。
ペースメーカーを見つける。
聴衆から頷いてくれる人を見つけて、その人を見ながら話すと調子が上がる。
「皆さんならどう思いますか?」という文句を入れる。
QAを聴衆に促す。
聴衆を引き込む。考えさせる。
【まとめ感想】
LTで高橋メソッドのプレゼンをしながら、プレゼンスキルを上げていくやり方があるかもしれない。
プレゼン資料を作るだけでなく、話し方、シナリオにも注意する所は取り入れたいと思う。
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