物理学は一つの認識論
偶然見つけた初心者向けの物理学のサイトが面白かったのでメモ。
理解できたことをラフなメモ書き。
間違っていたら後で直す。
【元ネタ】
EMANの物理学
数学や物理は背景にある思想を知らなければ理解できない: プログラマの思索
【1】高校時代に学んだ物理学は公式だらけで正直面白くなかった。
物理学を本当に理解するには、微積分と微分方程式の解法が必要であり、そこまでのハードルが高かったから。
だから、公式を覚えるしか無かった。
でも、公式の背後に隠れた思想を理解していくと、過去の偉人が自然をどのように見て考えていたのか、どのように認識していたのか、という一つの哲学(認識論)にぶち当たる。
物理や数学は、背景にある思想や直観を元に、数式で厳密に表現していく手法を組み合わせて発達してきたと言える。
物理法則には3種類の形式がある。
一つは「微分形式」であり、「ある瞬間の状態からスタートして微小な時間経過の後に状態がどのように 変化するか、または、ある一点の状態から微小な距離だけ離れたところでは 状態がどのように変化するか、を記述するやり方」である。
例えば、ニュートンの運動方程式や、電磁気のマクスウェル方程式など、有名な物理法則が微分方程式で書かれている。
モノの小さな挙動から、全体を把握しようとする考え方。
もう一つは「積分形式」であり、「部分にはこだわらずに、全体として見た場合に どんなことが成り立っているかを書き下すやり方」である。
例えば、エネルギー保存則や、電磁気学に出てくる積分形のガウスの法則がある。
だが他方、「変分原理」「最小作用の原理」と呼ばれる形式がある。
これは、開始状態と終了状態を指定後、自然は開始状態から終了状態までどのような経路を選択して進むのか、という観点で法則を記述する。
例えば、光の屈折や、量子力学で出てくる経路積分などが相当する。
「変分原理」の発端は、ニュートンが解いた最速降下線問題にある。
ベルヌーイという大陸の学者が、「質点がある点 A からスタートして 滑らかな斜面を転がり落ちるとき、最短時間で別の点 B まで 辿り着くには斜面をどのような形にしたら良いだろうか。」という「最速降下線問題」を提起した後、ニュートンが問題を受け取った日の一晩で解いたという逸話が有名。
最速降下線問題の解答も有名で、サイクロイドになる、というもの。
ニュートンは変分原理という考え方で最速降下線問題を解いて、ここから解析力学が始まった。
解析力学が量子力学へ応用されたことで、変分原理の考え方が現代物理学の骨格となるわけだ。
ちなみに、僕が大学時代に読んだ「物理数学の直観的方法」には、最速降下線問題の内容が詳しく書かれていた。
量子力学や相対性理論は正直に考えるほど、分かりにくいと思う。
理由は、哲学の認識論みたいに、モノをどうやってヒトは認識するのか、という観測問題を孕んでいるからだと思う。
古典力学では、デカルトの認識論のように、ヒトの認識はカメラ方式のように、実在を客観的に認識でき、実在そのものに言及する。
でも、量子力学や相対性理論のような現代物理学では、観測する立場で見え方が変わる、という観点で話を進める。
相対性理論で出てくる光速度不変の原理、量子力学で出てくる不確定性原理にしても、観測者の場所によって認識ないし観測した事象が違ってくるという点を注意すれば、世間の一般常識から離れた思想を理解しやすくなるのではないか。
【4】EMANの物理学・力学・力とは何か
EMANの物理学・力学・エネルギーとは何か
力やエネルギーは、運動量という概念で考えると分かりやすい、という指摘はとても参考になった。
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