社会統計学は面白い
社会統計学のサイトの内容がとても面白かったのでメモ。
ラフなメモ書き。
【元ネタ】
社会実情データ図録 Honkawa Data Tribune
社会の動向を知りたい時、経済活動や社会活動の数値を計測して比較検証するやり方はよく使われる。
その場合、棒グラフや円グラフのように、時系列の推移や全体における割合などで比較したりする。
このサイトでは、QC活動で出てくる相関図を頻繁に使って、2つの変数を元にグラフ化して変数間の関連度合いを見る。
現代は各省庁やIPAなどの公的団体などのHPから数値データを収集できるので、こういう比較検証がやりやすくなっていると思う。
【1】図録▽経済成長率の推移(日本)
図録▽経済成長率の推移(日本の戦前及び戦後直後)
日本の経済成長率を見ると、高度経済成長期から一貫して下がってきているのが分かる。
90年以降、マイナス成長率が結構ある点がとても目を引く。
国全体が貧乏になったわけだから、平均的な日本人の所得も減っているわけだ。
90年代以降に働き始めた人達にとっては、デフレという経済現象を身を持って実感しているのではないだろうか?
興味深いのは、戦前の経済成長率を見ると、ジグザグで不安定なこと。
10%も伸びた年度の翌年にはマイナス成長率になっていたりする。
これだけ不安定な経済であれば、社会不安も多いだろうと統計からも推測される。
【2】日本と世界の国々のGDPや経済成長率の比較も面白い。
90年代以降、日本の経済成長率は、韓国や中国だけでなく、アメリカやEUよりも低い事実が上記ページから読み取れる。
図録▽時事トピックス:中国がGDP世界2位、日本が世界3位に
【3】図録▽ヨーロッパの超長期人口推移
図録▽ヨーロッパ地域別人口分布の超長期推移
(引用開始)
ローマ帝国、フランス革命、ロシア革命とヨーロッパ最大の歴史事件は、それぞれ、南欧、西欧、ヨーロッパ・ソ連と当時の最大人口地域で起こっていることに気づかされる。
「人口の最大の集中地域は、一般に政治的・経済的支配を達成した地域にあった。今日、ヨーロッパ最大の人口国がソ連であることは興味深いことである。」
(引用終了)
ヨーロッパという地理を見ると、アラビア・インド・中国と比較して、半島のようにとても複雑な地形をしているのに気づく。
そして、各時代の人口増減によって、戦争があったり、革命があったりしている。
【4】日本の人口推移も見てみると面白い。
江戸時代はほとんど人口が増えず、幕末は畿内よりも北陸の方が人口が多いという事実が興味深い。
図録▽地域別人口分布の超長期推移(縄文時代から1995年まで)
幕末に北陸が経済的に盛んだった理由は、日本海を中心とした北前船という船舶による航路が発達していたかららしい。
今でも、福井や金沢、富山は、共働き世帯が多く、大家族中心の家庭が多いという話も聞いた時があるが、その理由はそんな歴史的経緯があるからかもしれない。
この統計サイトは、いろんな観点の統計数字で比較論評しているので、今まで常識と思っていた内容がそうでもないという事実が判明したりして、読んでいると引き込まれる。
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