« Redmineに入れたプラグイン一覧part4 | トップページ | 社会人の勉強方法にもWF型開発や適応型開発のアナロジーを活かせるか »

2013/07/21

英語の勉強はウォーターフォール型開発よりも適応型開発が向いている

先日、牛尾さんの講演「ITエンジニアの ゼロから始める英語勉強法(ペラペラ実践編)」を聞いてきた。
勉強方法について考えたことをメモ。

アジャイルの流儀で英語に挑戦! - 第3回 英語が身につく五つの原則:ITpro

関西IT勉強宴会のブログです: 2013-07-01(月)第24回関西IT勉強宴会

理にかなったアジャイル王子の華麗なるペラペラ英会話メソッド - 第24回 関西IT勉強宴会 -: ソフトウェアさかば

【1】牛尾さんは「ITエンジニアの ゼロから始める英語勉強法 英語落ちこぼれでもペラペラになれる!」を出版された。
英語に疎いITエンジニアも、英語がペラペラになれる勉強方法について説明している、とのこと。
講演内容しか知らないけれど、分かりやすかった。

【2】英語の勉強方法の基本原則は、下記の5つがあるらしい。

(1)サウンドファーストの原則
 英語は耳から覚える。
 学校で教わったように、文法を覚えて、英単語を覚えて書いて暗記する方法では駄目。

 牛尾さんの話で面白かった点は、日本語は音域が狭いために、日本語の音域外の英語の発音は雑音として聞いてしまって、理解不能になってしまうこと。
 だから、英語の発音を大量に聞いて、雑音ではなく英語なのだ、と耳と脳みそに植えつけることが大事だ、と。
 日本人が学校で18年間も英語を勉強しながらほとんど使えない理由の一つは、音域が違うから、という科学的根拠があるわけだ。

(2)ダイレクト理解の原則
 日本語を使わず、英語で直接理解する英語脳にする。
 駄目な勉強方法は、せっかく聞いた英語音を日本語に変換して理解しようとすること。
 英語の意味と翻訳した日本語の意味は、ニュアンスがどうしても微妙に異なるので、理解の妨げになる。
 スライド資料には「消毒」という言葉があるが、それは、英語で聞いた言葉を日本語で理解した後、もう一度英語だけで理解するように変換すること。
 「消毒」という概念から、いかに英語脳で考えることが重要なのか、という主張が見え隠れする。

(3)スピーキング中心原則
 英語脳を鍛えるには、音読がおすすめ。
 日本人は完璧な英語をしゃべろうとして、なかなかしゃべろうとしないから上達しない。
 日本人は恥ずかしがり屋。
 韓国人や中国人、他の外国人は、間違っていても、とにかくしゃべろうとするから、上達していく。
 
 牛尾さんの話で面白かった点は、日本語の発音は子音よりも母音が強い特徴があるが、英語や他の言語では、子音と母音は同じくらいのバランスで発音する特徴がある、とのこと。
 実際、日本語で「か」~「わ」までの発音は母音の方が強い。
 英語では「K」「F」「R」などの子音だけで発音できる。
 だから、意識的に子音だけで話すように訓練すると良い、とのこと。

 アンチパターンは、英語のサウンド能力が低いのに、いきなり英語学校に行ってしまうこと。
 英語の発音練習だけに特化したCDやDVDもあるらしいので、サウンド能力やスピーキング能力が低い人はそこから勉強するのが確実、とのこと。
 
 最近なら、iPhoneやiPod touchのボイスメモを使って、音読した自分の発音を録音しておき、後から聞いて、発音をチェックするとよい、とのこと。
 日本人は最初は恥ずかしがって音読を記録しないけれど、一度慣れると、ボイスメモは英語勉強にとても効果的だ、と話されていた。
 ここ最近の英語の勉強では、iPhoneのようなスマフォやITツールを駆使することが重要であるように思える。

(4)コンテキスト理解の原則
 英語の聞き取りや音読に慣れてきたら、たくさんの英語に触れること。
 多読がおすすめ。
 アメリカでは、移民してきた外国人に、英語能力に合わせて、英単語の数(500語とか1000語)を絞った絵本やCDを貸し出しているらしい。
 自分の能力に合わせて、英単語の数を絞った本やCDで慣れた後に、映画やニュースなどの触れると良い、とのこと。

(5)選択と集中の原則
 社会人の場合、学生と違って時間がないので、勉強の工数をあまりかけずに英語脳を身につけたい。
 そのためには、英語脳の習得レベルがあると考えて、レベルに合わせた勉強方法を身につけると良い。
 
 例えば、英語が雑音として聞こえてしまうレベルでは、いきなり英会話学校に行っても習得しない。
 まずは英語の音域に慣れたり、子音だけで発音できるように、赤ちゃん英語から勉強する。
 
 でも、ある特定のレベルに向いた方法だけでは、すぐに壁にぶつかり、それ以上のレベルアップが出来ない。
 そう感じたら、次のレベルに合わせた英語の勉強方法に変える。
 例えば、音読してボイスメモに録音したり、1000語くらいの英語の絵本を読んだり、ステップアップさせる。
 
 そして何よりも、英語脳になるために、たくさんの英語の音をシャワーのように浴びるようにする。
 毎日15分は少な過ぎで、毎日2時間ぐらい聞いたほうが良い、とのこと。

 この辺りの話は、ソフトウェア開発における適応型開発を思い出させる。
 Scrumの検査と適応プロセスと同じだ。
 まずは自分で英語を聞き、発音練習してみて、自分の能力を評価して、自分の体になじませたら(英語脳に適応したら)、次のスプリントでは、別の勉強方法に変えて試す。
 自分自身に英語脳を適応させることで、少しずつ英語力が身についていく。

 学校の英語勉強法法は、今思い出すと、典型的なウォーターフォール型開発だ。
 なぜならば、SVOCのような文法や「too 形容詞 to 同士」のような英文法を覚えて、漢文をレ点を付けて日本語で覚えるように、ひたすら日本語脳で理解しようと計画的に勉強させられていたから。
 もっと経験重視の勉強方法が英語脳には向いている。

 牛尾さんの英語勉強方法は、コンサルタントらしく5つの原則というメソッドでうまくその概念を抽象化しており、そのメソッドを他人にも説明しやすい。
 僕も英語脳を鍛える時は、上記の方法を使おうと思う。

|

« Redmineに入れたプラグイン一覧part4 | トップページ | 社会人の勉強方法にもWF型開発や適応型開発のアナロジーを活かせるか »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« Redmineに入れたプラグイン一覧part4 | トップページ | 社会人の勉強方法にもWF型開発や適応型開発のアナロジーを活かせるか »