【公開】講演資料「Redmineの運用パターン集~私に聞くな、チケットシステムに聞け」 #tidd
本日の講演資料「Redmineの運用パターン集~私に聞くな、チケットシステムに聞け」をCC Attributionライセンスで公開します。
本講演の目的は、高機能なチケット管理システムであるRedmineを社内業務に適用した場合、どんな問題に対して有効なのか、そして、Redmineを導入しても解決できない課題は何か、という観点で話しました。
チケット駆動開発をソフトウェア開発のタスク管理ではなく、運用保守・ヘルプデスク管理・HW資産管理・工数管理に適用した運用事例をパターン化してみました。
運用事例をまとめながら感じたことは、Redmineはオープンソースなのにとても優れた業務システムだなあ、という点です。
チケットの背後にあるトレーサビリティやワークフロー管理のような機能だけでなく、REST APIやメールによるチケット自動登録のように外部接続できる機能がある点が非常に興味深いです。
普通の業務システムでは、仕入先から納品情報や請求情報を外部接続で取り込んだり、業務システムから会計システムへ売上や買掛金の情報を外部接続で渡すなど、他のサブシステムとやり取りする外部接続のアーキテクチャが重要です。
Webシステムでも、例えばカード決済機能はクレジットカード会社へ入力情報を渡して、オーソリ認証や与信機能を実行してもらう例があります。
そのような外部接続のアーキテクチャがあれば、別のシステムから欲しい情報を受信したり、別のシステムで処理を依頼するような作業ができます。
業務システムが全ての業務を実現する必要はなく、他システムと連携すれば良いのです。
講演資料で述べているように、運用保守・ヘルプデスク管理・HW資産管理・工数管理をRedmineで運用すると、チケット管理で上手くはまる業務があるものの、Redmineのデフォルト機能だけでは不足する要件や業務はあります。
でも、そのような不足した機能は、RedmineのREST APIやメールによるチケット自動登録機能のように、他システムに情報を渡して処理してもらえば良いのです。
つまり、サービス指向アーキテクチャ(SOA)の発想で解決できるだろうと僕は思っています。
例えば、HW資産管理や工数管理で会計システムと連動する処理が必要な場合は、REST APIによるリアルタイム連携またはバッチ処理による一括集計処理で実装すればいいだろうと思います。
そんなことを考えると、Redmineで社内業務をIT化して業務改善していく手法は可能性があると確信しています。
今後も色々考えてみたいと思います。
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