ツール革命でソフトウェア開発が変わる
第6回品川Redmine勉強会のつぶやきで、気になったコメントをメモ。
【元ネタ1】
Redmine勉強会でJIRAの紹介をしてきました #47redmine - 製品とサービスのブログ - リックソフト
(引用開始)
ツール革命が起こっている
今回は、日経システムより「Redmine超入門」 の発売を記念しての開催ということで、講演1は日経システム副編集長の中山さんより、この本を出した背景の説明がありました。その中で一番記憶に残っている言葉は、
"なぜ、この本を出版したか?ツール革命がおこっているから"
とのこと。全く同感です。
(引用終了)
【元ネタ2】
第6回品川Redmine勉強会(2014/2/15) #47redmine - Togetterまとめ
Twitter / ohnuki: #47redmine なぜRedmine超入門を出したか?ツール革命が起こっているから。
Twitter / tkusukawa: 95年の時はアメリカで流行ったことが日本に入ってくる構図があった。 #47redmine
【元ネタ3】
shinagawa.redmine 第6回勉強会に参加してきた - njuntechのブログ
(引用開始)
・日経SYSTEMSとしては、アメリカの先進企業を見て、それから日本
アメリカではやったものが、半年~1年遅れて、日本に来る
・日本では・・・
エンタープライズ系は遅れている
が、ネット系は進んでいる
ツールをどんどん使っている
・CI/CDツールを使うにしても、Redmineをポータルとすることができる
まずはRedmineを入れる
・本当の入門書がない
当時、Xperiaの入門書がはやった
画面のイメージがずらっと並んだようなもの
Redmineでも同じようなものを作る必要がある(ニーズがある)のでは?
(引用終了)
「ツール革命が起きている」という話はとても同感。
GitHubによるソーシャルコーディング、Redmineによるチケット駆動開発、JenkinsやChefなどによる「Infra structure as Code」など、ソフトウェア開発環境周りの技術革新が昨今は激しい。
このツール革命の流れに、エンタープライズ系企業、特にメーカー系企業やSIが遅れているように思える。
例えば、日本の製造業のやり方を真似た「ソフトウェアファクトリー」という考え方がある。
この開発プロセスは、ソフトウェア開発をソフトウェア工場にしてしまうという発想と同じ。
しかし、このやり方が、現代のソフトウェア開発では通用しなくなっているように思う。
日本型ソフトウェアファクトリーこそ真の敵 - 勘と経験と読経
プログラマは工場労働者と同じで、設計書に従ってプログラムを製造(メーカー系企業やSIではプログラミングとは言わず「製造」と呼ぶ)し、出荷(メーカー系企業ではリリースと呼ばずに出荷と呼ぶ)する。
プログラマは知的労働者ではなく、設計書に従って開発する人に過ぎないという発想は、おそらく、アジャイル開発とは相入れない。
ソフトウェアファクトリーのやり方は、メインフレームとCobolの世界のように、ハードとソフトが密接に絡んで、クローズドな世界では通用した。
しかし、現代のように、数多くのオープンソースないしミドルウェアの製品を連携してシステム化する場合では、従来のノウハウが生きにくい。
ノウハウそのものも、ソフトウェアのVerUpに追随しなければ、何の役にも立たない。
アジャイル開発の面白さの一つは、XPのTDDやCIのように、ソフトウェア開発環境の効率化に注力する点にある。
そんな話は以前から知っていたよ、とCobol時代の人も言うけれど、従来はそんな開発環境が高価でオープンソースで公開されておらず、社内で閉じていたから、時代の流れに取り残されたように思える。
時代に合わせて、開発プロセスをVerUpしながら進化させていく、という発想がソフトウェアファクトリーにはないように思える。
特に、エンタープライズ企業のソフトウェア開発環境は遅れているように思う。
その理由は、従来のウォーターフォール型開発にとらわれ過ぎていることに問題があるのだろうと思う。
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