組織的な阻害要因は欧米人と日本人で問題の観点が異なる
組織的な阻害要因は欧米人と日本人で問題の観点が異なる指摘があったでのメモ。
(引用開始)
そして先に揚げた日本のプロジェクトの大規模なトラブルの例に、共通のパターンがある事がある事がよく話題にのぼります。
そのパターンというのは、これらのプロジェクトは共通して、細かい項目はかなり精査され綿密に計画されるのに対し、それらの上位項目である中項目や大項目が決定されないままであり、従って詳細項目も暫定的なものにならざるを得ず、その上位項目の決定がどんどん遅れていき、最後に破綻に至るパターンです。
このパターンは、むしろ日本固有と言って良いと思います。
これは、このパターンが日本でしか見られないと言う意味ではなく、このパターンが分野を問わず日本の組織に広く遍在し、かつ省みられることなく何度も繰り返される、と言う意味で日本固有です。
欧米人と日本人で異なる見え方
このパターンに対し欧米人と日本人では異なる見解を示します。
欧米人のコンサルタント達は、これは能力の問題というとらえ方をします。
彼らの目には、日本の組織は、ポジションが上がるにつれ、そのポジションに就く人間のマネジメント能力が劣って行く様に映ります。
つまり、ポジションが上がるにつれ、そのポジションに要求される決断力やリーダーシップ、場合によっては政治力が欠落して行く様に見えます。
現場で求められる能力と、上位のポジションで求められる能力は、明らかに異なる訳ですが、日本の組織は往々にして、後者の能力がポジションが上がれば上がるほど欠落していくように彼らには映るらしいのです。
また逆に、外国人コンサルト達は、異口同音に、現場レベルの人間達の優秀さに驚くと言います。
破綻したプロジェクトの中で、現場レベルの人々が何とか問題を収拾しながら、曲がりなりにも解決して行く能力は驚嘆に値すると言います。
一方、日本人のコンサルタントには、このパターンは、能力の問題とは映らず、むしろ組織に戦略眼、戦略の視点が欠けている事に問題を感じます。
また、能力に関しては、欧米に比べ、組織全体がかなり均質的である様に感じる傾向があります。
(引用終了)
スクラムを積極的に推進していくと、最終的には「組織的な阻害要因(Organizational Impediment)」にぶちあたると言われる。
例えば、スクラムによって、チームはソフトウェア開発プロセスをどんどん改善していくので、プロセス改善を妨げる問題を共有し解決しようとしていく。
すると、組織に対して、プロセスの進化や問題解決のための変革を実施するよう、継続的にプレッシャーを与え始める。
組織にとって、1つのチーム内のプロセスが改善されて効率化されるのは良いが、それが組織の階層構造や組織のルールにまで文句を言い始めてくると、組織とチームで軋轢が生じる。
この症状が「組織的な阻害要因(Organizational Impediment)」になる。
上記の記事では、組織的な阻害要因は欧米人と日本人で問題の観点が異なる。
欧米人は、それを組織の能力の問題ととらえる。
簡単に言えば、経営トップの能力がない、という事実を指摘しているだけ。
しかし、日本人は組織の能力の問題ではなく、組織の戦略が欠落している、と見なす。
組織のあるべき方針、あるべき行動が間違っていると見なすのだろう。
この違いは、実はとても大きい。
組織的な阻害要因が組織の能力の問題ならば、正直救いようがない。
「あなたのスキルでは、この問題は解決できないのですよ。あなたの首を変えるしかありません」と言っているのに等しい。
上記の記事によれば、日本のソフトウェア開発に限らず、日本の他の業界の経営方法、日本の政治・経済などを見渡しても、同様の事象が発生しているように思える。
つまり、日本の組織のトップを変えるか、もっと能力を向上させるようにしなければ、根本的な解決にならない。
日本でアジャイル開発を導入しにくい、と言われる理由は、最終的には組織的な阻害要因にぶち当たり、それ以上の根本的な変革につながらず、抑えこまれてしまうからだろう、と直感している。
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