Redmineでコミュニケーションを非同期化する
日経ITProの記事を読んで、Redmineの利用に関して考えさせられたのでメモ。
ラフなメモ書き。
特にメッセージはない。
【元ネタ】
記者の眼 - 忙しいIT現場だからこそ“残業ゼロ”、あるプロマネが取った策とは:ITpro
【1】IT業界は残業が多い。
あるいは、正月や深夜の本番リリースによるシフト勤務、または、本番障害による夜間コールなど、勤務時間が不規則になりがち。
技術者は疲弊しがち。
生産性向上が逆に、空いた稼働率の隙間を埋めてしまう悪循環があるのだ。
例えば、プロジェクト運営をうまく回して早帰りしていると、他の火を噴いている案件から、人をよこせ、と言われて、チームのメンバーを引き抜かれて、生産性を落とす場合がよくある。
だから、日本のSIでは生産性を上げても、はかどっていないような仕事ぶりをする。
【2】(2/3)記者の眼 - 忙しいIT現場だからこそ“残業ゼロ”、あるプロマネが取った策とは:ITproの記事で興味を引いたのは、下記の文章だ。
(引用開始)
もちろん、利用部門からの問い合わせをすべて断るわけにはいかない。
そこでリーダーの大石氏が、原則すべての問い合わせに対応する。メンバーに確認が必要なときは、大石氏が課題管理ツール「Redmine」にチケットを発行。開発業務が一段落した際に、メンバーに対処してもらう。
「コミュニケーションを非同期化すれば、隙間時間を有効に活用できる」(大石氏)。
(引用終了)
チケット管理によって、コミュニケーションを非同期化する。
つまり、ペアプログラミングのように、同じ時間帯に同じ場所で対面でコミュニケーションするのではなく、チケットでワンクッションおいて、違う時間帯に違う場所でコミュニケーションするわけだ。
実際、チケット管理が有効な状況は、チームのメンバーがプロパー社員と請負契約のパートナー社員の構成のために違うフロアに物理的に離れている場合や、日本の設計チームと中国のオフショア開発チームのように地理的に離れている場合に有効だった。
物理的、地理的に離れている場合は、電話やメールでやり取りするしかないが、電話は割り込みして作業を中断させるし、メールは大量のレスで分からなくなってしまいがち。
チケットでやり取りすれば、チケットのコメントが一つのスレッドになるし、ソースやWikiへのリンクやファイルの添付も簡単だ。
また、違う時間帯にチケットでやり取りできるのもいい。
チケットのやり取りは、ペアプログラミングならぬ「ペア作業」なのだ。
実際、障害の修正と検証のやり取り、QAに対する質問と回答のやり取りは、開発者とテスター、開発者と設計者の間でチケットをキャッチボールのようにやり取りし、最後はCloseされる。
この種のやり取りは、40代の中年SEよりも20代の若手PGの方がすぐに馴染んでくれる。
【3】そんな内容を振り返ると、「Googleはコードレビューを非同期ペアプログラミングとみなしている」という過去の記事を連想した。
コードレビューはペアプログラミングの代替手段: プログラマの思索
現代は、非同期なコミュニケーションの手法は、チケット管理だけではない。
SkypeやGoogleHangoutもあるし、チャットやFacebookメッセージ、SNSなどたくさんある。
最近なら、リモートワークに関する手法がそれに当てはまるだろう。
コミュニケーションのIT化が、逆に、ソフトウェア開発を人間化し(humanize)、チーム間の人間関係を強化してくれる。
非同期コミュニケーションの実現方法として、チケット管理にはどんな特徴があるのか、今度整理してみる。
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