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2015/04/12

XP祭り関西2015の感想~IT投資とは一体何なのか? #xpjugkansai

XP祭り関西2015の感想をメモ。
以下は、論理的でないラフなメモ。
間違っていたら後で直す。

【参考】
XP祭りin関西2015 - XPJUG関西wiki

XP祭りin関西2015 ~Agile S×T~ - 日本XPユーザーグループ関西 | Doorkeeper

XP祭りin関西2015 に参加しました - fkino diary(2015-04-11)

【期間限定!】アジャイル関連PDF版を特別価格で手に入れよう! - オーム社書籍編集局

2015/4/11 XP祭り関西2015 #xpjugkansai - Togetterまとめ

【1】スタッフとして裏方でイベントを手伝っていました。
手作り感満載のイベントで、至らない所はたくさんあったと思いますが、参加率95%超えは成功だったのかな、と思います。

アジャイルな戦術・戦略というテーマだったので、昔はアジャイラーだったが中間管理職になった方を講演者にお呼びしたので、経験に基づいた内容になって面白かったと思います。
また、「実践 反復型ソフトウェア開発」の著者である津田さんの講演がとても熱く、もっと聞きたいなーと思いました。

【2】@yasuohosotaniさん、@tanigonさんの話を聞きながら、気になった問題意識がある。

akipiiさんはTwitterを使っています: "#xpjugkansai 今日の話を聞くとSIにおけるIT投資とは何だろうという問題意識を持つ。製造業なら工場に設備投資して生産や品質を向上させる。すぐに結果が出る。でもIT業界では人に投資してもすぐに結果は出ないしリスクも高い。"

@agilekawabataさんが言うように、ソフトウェア開発では、人が全てだ。
エンジニアの能力次第で、アウトプットの品質も使い勝手も大きく変わる。
駄目なエンジニアを100人揃えても、肝心のシステムはリリースできる保証すら無い。

だから、ソフトウェア企業は、エンジニアのスキルが常に高い状態であるように、エンジニアを大切にしないといけないし、エンジニアに投資しないといけないのではないか。

@yasuohosotaniさん、@tanigonさん、@agilekawabataさんのように、昔は僕らと同じアジャイルな一人の開発者だった人達が、管理職や経営者となって、アジャイル開発を実現するビジネスを作り出すだけでなく、ソフトウェア企業の財産と言えるエンジニアに対し、どのように投資して、ビジネスを拡大し加速させようとしているのか、という問題意識を持った。

【2-1】資本主義の原理として、貯蓄は投資して、投資の金額以上のリターンを得ることで、経済成長していくサイクルが基本にある。
資本主義経済である限り、経済成長率>0が宿命であり、常にインフレ状態にしなければならないのではないか。
だからこそ、貯蓄をタンス預金として埋蔵させるのではなく、有望先に投資して、流通させなければならない。

製造業ならば、工場への設備投資によって、生産量や品質を劇的に増やすことができる。
新しい機会装置、新しい工場の建設によって、モノを大量生産し浪費することで、周囲の経済も活発化する。

この設備投資が行き過ぎるとバブルが起きるので、日銀や政府は公定歩合という金利によって、貯蓄から投資に回るお金の量をコントロールし、持続的に経済成長できる仕組みを作っている。

【2-3】では、IT業界における投資とは何なのか?
製造業や小売業のように、工場やお店、機械装置のようなモノに投資するのではない。
エンジニアという人がソフトウェア企業のコアコンピタンスならば、エンジニアそのものに投資しなければならない。

でも、エンジニアに投資すると言ったら、どんな方法があるのか?
せいぜい、教育研修に行かせる、OJTの案件に入れる、ぐらいしか方法がない。
他には、最新のPCやサーバーを導入するとか、座り心地のよい椅子やキーボードを買うぐらいだ。
それらの方法で、投資した直後に劇的に生産性やリターンがすぐに生まれるとは限らない。
むしろ、教育研修の効果は、数年経たないと分からない時が多いのではないか。

【2-4】製造業などがIT業界と違う点は、設備投資の投資対効果の速度が劇的に違う点だと思う。
新しい工場を作り、どんどん製品を作っていけば、短期間で大量の製品を調達・販売できる。
アップルが大量の注文を元に、iPhoneやAppleWatchを短期間に生産して販売するの典型例だ。

でも、エンジニアに投資したからといって、投資した直後からすぐに劇的にアウトプットが数倍以上も増えることは現実的にあまりないように思う。
人間は元々保守的な存在だから、簡単に考え方や習慣をすぐに変更して、生産量を増やすことはできないと思う。

エンジニアへ直接お金を投資するやり方は、多分、投資対効果は悪いのだろうと思う。

【2-5】では、IT企業の投資方法としては何が効果的なのか?
単純に考えると、M&Aで他の企業を買収したり、社外の優秀な開発者を抱え込むことだ。
つまり、外部にいる優秀なエンジニアを取り込むことで、ソフトウェア企業が生産できるシステム規模を拡大させる方法を採用するだろう。
GoogleやFacebookなどを見ていると、そんな傾向があるように思える。
でも、その手法はどのソフトウェア企業でも採用できるとは限らない。

【2-6】有効なIT投資はそれだけしかないのか?
@fkinoさんと話しながら気づいたことは、ITコミュニティへの活動やOSSへの貢献の活動もIT投資として有効ではないか?

エンジニアも人であるからには、ITコミュニティという場で、自分と違う価値観や立場の人達と交流することで、刺激を受けて、成長する意識を持ってくれればいい。

LinuxやRubyなど成功しているオープンソースのように、プログラムを自発的に公開したり、パッチを送ることで、最新の技術に触れることもできる。
また、社外の優秀なエンジニアに揉まれることで、エンジニアの能力を伸ばすこともできるだろう。

特に、オープンソースのライブラリやツールを自主的に開発したり研究することは、新しい技術の方向性を知ることもできるし、その技術が将来モノになるかどうかという判断力を磨くことにも役立つ。
最近はGitHubでオープンソースの開発を行うのが普通であり、エンジニア同士がより密接に刺激しあえる環境ができたように思う。

但し、日本企業では、売上につながらない業務活動は認められないから、ITコミュニティへの活動やOSS活動がやりにくい弱点があると思う。

個人的にこの手法が問題であると思う状況は、エンジニアがスキル向上を目指すには、業務時間外でITコミュニティに活動したり、OSSの活動をすることしかないことだ。
つまり、会社の労働時間以外で、エンジニア自身が自分自身に投資する意識を持たなければ、スキルは向上しない。
でも、折角の休日にOSS活動に専念するエンジニアはかなり少ないだろう。

日本人のホワイトカラーの生産性が諸外国に比べて低いというニュースを聞くと、何となく上記のような理由を連想してしまう。

【2-7】そんな状況でも、講演者の方の話を聞くと、彼らの立場で色々試そうとされている。

例えば、@yasuohosotaniさんが試されている「実験的アプローチ」は、一つのIT投資の手法だろうと直感する。
新しい技術を取り入れることで課題解決を試みる手法であるが、それだけが目的ではない。
実際、若手に新しい技術を試させて、実際に活動してみることで、若手エンジニアが成長する機会を作り出している。

@agilekawabataさん、@tanigonさんも、話には触れなかったやり方を持っているだろうと推測する。
@fkinoさんも別の発想を持たれていて、大変参考になった。

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