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2015/08/29

ブログを書き続けることの意味と効果

お知り合いの方から、こんな質問を受けたので、自分の考えを書いておく。
ラフなメモ書き。

【1】質問内容:
「2日に1度のペースで記事を書かれており、更新頻度も質も高いですが、どうやったら更新頻度を高めて、記事の質も高められるのでしょうか?(書き方のコツなどあれば知りたいです)」

こんなに書き散らし続けているBlogに読者がいるのがとても嬉しい。
以下、自分の考えを書いておく。
たぶん、そんなに独自性はないと思う。

【2】動機を大切にする

【2-1】ブログは日記に近い。
何かを書こうとする時、やはりパワーが要る。
僕の場合、ソフトウェア開発の仕事にすごく不満や疑問をずっと持ち続けている。
それが動機になっている。

なぜ、こんなに残業が多いのか?
なぜ、ソフトウェア開発はクリエイティブな仕事と言われるのに、実際は、大量のメンバーを投入して労働集約的にゴリ押ししようとするのか?

本来のあるべきソフトウェア開発プロセスは何なのか?
ソフトウェア開発には、どんな技術や思想が重要なのか?

ポジティブな動機と言うよりも、ネガティブな動機の方が多い。
そこから、問題意識を持ち、あるべき姿を調べたり、考えたりして、それをメモ書きしていく感じ。

【2-2】もう一つは、新しい技術やアイデアをメモしておくこと。
以前はRSSのフィード記事、最近はFacebookのタイムラインで流れる記事を見て、これはクリップしておきたい、と思う記事や内容をBlogにメモしている。
僕の場合、記事の内容にある技術やプロセス、思想は完全に理解できてなくても、まずはBlogに感じたこと、疑問点を書いておく。

Blogなら、外出先や会社でも見れるので、その記事を何度も読み直したり、調べたりして、理解を深めることもできる。
Blogが紙の日記よりも良い点は、リンクが貼れることだ。
Blogはリンク一覧だけでも有用だ。
そのリンクを辿ることで、たくさんの情報に触れることができる。

【2-3】僕の考えでは、Blogは日本人に向いたWeb構造を持つと思う。
枕草子や徒然草のように、日本人は古くから日記形式で記録を残してきた。
日本人には、日記という形式が向いているのではないか、と思う。

【3】メッセージを明確に持つ

【3-1】文章にはメッセージが重要。
自分の意見や主張を明確にすることが大事。

野口悠紀雄さん著の「「超」文章法」の最初にこんな事が書かれている。

「仕事を効率的に進めるには、書類の整理をうまく行う必要がある」はメッセージではない。
「書類は内容別に分類するのではなく、時間順に並べるのが良い」がメッセージだ。

なかなか明確なメッセージは書きづらいけれど、自分の意見や考えを明確にする、という作業は、他人と議論する時にすごく重要だ。
自分の立場や考えを明確に持つからこそ、議論が深まり、問題の本質が見える時があるから。

【3-2】ブログを何度も書いていると、似たような構造の文章を書く時がある。
僕の場合、問題の提示→解決の方向性→効果や課題 みたいな流れをよく書いていると思う。

例えば、「勝つための論文の書き方」によれば、「?から始まり!で終わる」とストーリーが流れるように書ける、とある。
確かに、疑問点や問題意識を最初に提示すると、それを解決するような考えを書きやすく、それをまとめると、結論やメッセージを出しやすくなる。

問題の提示は、そんなに難しいものを出す必要はない。
むしろ、当たり前と思っていることに対して、疑問を投げかける方がいいと思う。

論文作成の技法part1~論文の構造: プログラマの思索

論文作成の技法part2~論文作成の観点 : プログラマの思索

【3-3】ブログを何度も書くと、同じような接続詞を何度も書く時がある。
接続詞はすごく重要だ。
文章の流れが分かりやすくなるだけでなく、相手に、次はこんな流れになるのですよ、と事前に提示することにも使えるからだ。

僕の経験では、「では」「そこで」を大切にするようにしている。
「では」を使うと、現状に対し、こんな問題が提示できるのだが、皆さんはどう思います?みたいに使う。
「そこで」は、自分はこんなアイデアを考えている、するとこんな効果が出るのでは、みたいに使う。

この二つはなかなか使いこなせないけど、上手く使いたいと思っている。

また、「つまり」「すなわち」も多用する。
一つのアイデアや意見を、他の言葉で言い換えたり、他の状況で置き換えたりする時に使っている。
僕の場合、「つまり」「すなわち」を使いながら、自分の考えを深く掘り下げている感じ。
でも、多用しすぎると、文章がくどくなる感じ。

英語なら「that」に相当するから、自然に使えると思う。

【4】BlogはSNSのホーム

【4-1】「必ず結果が出るブログ運営テクニック100 プロ・ブロガーが教える“俺メディア"の極意」にも書かれているが、Webではログが重要。
ログはGoogle検索でいくらでも欲しい情報にアクセスできるし、ハイパーリンクがあれば、たくさんの記事と関係性を持てる。
Blogは記事(ログ)の蓄積の集合体なので、記事が多いほど、資産になる。

逆にTwitter、Facebook、LineなどSNS全盛だけど、それらの記事はタイムラインに流れて埋もれてしまう。
単に消費されるだけ。

最近は、SNS全盛だからこそ、Blogの価値が再認識されていると思う。
Blogが自己紹介のツールとして使えるのだ。
また、SNSにBlogの記事をリンクすれば、Blogへの流入も多くなり、相乗効果が上がる。

【4-2】Blogの記事を貯めておけば、色んな効果が出てくる。
僕の場合、Blogの記事は講演の元ネタになるし、最終的には出版した書籍のアイデアの宝庫になっている。
蓄積された思索やアイデアが残っているからこそ、色んな講演や記事執筆がやりやすくなる。

本屋でよく「書き下ろし」という文庫本を見かけるけれど、あのスタイルはすごく難しいと思う。
1冊の本は20万字必要と言われるが、Inputの情報は少なくともその10倍以上は必要なはず。
それらを圧縮して濃縮して、一つのアウトプットが出てくる。
ゼロから作り出すのはすごく大変なはずだ。
だから、日頃からたくさんのアイデアを貯めておかないと、ライターという職業はやれないと思う。

【4-3】個人的には、倉貫さんのBlogはすごいなあ、といつも思う。
「受託開発はディフェンシブ」「アジャイル開発では当初に想定した機能を”全部”つくらない」など、問題の本質を見抜いた記事をBlogでたくさん公開されている。
優れた記事をBlogでたくさん公開されているからこそ、たくさん講演できて、出版もできているのだろうと思う。

Social Change! ソニックガーデン SonicGarden 倉貫義人のブログ

上記のアイデアを今後ももっと煮詰めたいと思う。

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