マンキュー経済学のリンク
米国の経済学の教科書「マンキュー経済学 I ミクロ編(第3版)」「マンキュー経済学 II マクロ編(第3版)」の解説記事をリンクしておく。
【参考】
【ミクロ経済学】経済学における10の大原理【マンキュー経済学】 - NAVER まとめ
[読書]マンキュー経済学Ⅰ ミクロ編: ある開発エンジニアの備忘録
マンキュー経済学ミクロ編が一目瞭然なすごいパワポ | Kousyoublog
マンキュー経済学を読み終えた - yosuke のはてなブログ
(引用開始)
いま世界で一番読まれている経済学界の大ベストセラーテキストのミクロ編、最新改訂版。経済学の基礎から応用までこれ1冊でカバー
(引用終了)
【青木泰樹】「経済学を学ぶ理由は、経済学者に騙されないためです」 | 三橋貴明の「新」日本経済新聞
(引用開始)
本書で定義される「経済学の十大原理」は下記のとおり。
人々はどのように意思決定するか
(1)人々はトレードオフ(相反する関係)に直面している
(2)あるものの費用は、それを得るために放棄したものの価値である
(3)合理的な人々は限界的な部分で考える
(4)人々はさまざまなインセンティブ(誘因)に反応する
人々はどのように影響しあうか
(5)交易(取引)はすべての人々をより豊かにする
(6)通常、市場は経済活動を組織する良策である
(7)政府は市場のもたらす成果を改善できることもある
経済は全体としてどのように動いているか
(8)一国の生活水準は、財・サービスの生産能力に依存している
(9)政府が紙幣を印刷しすぎると、物価が上昇する
(10)社会は、インフレ率と失業率の短期的トレードオフに直面している。
(引用終了)
「マンキュー経済学・ミクロ編」「マンキュー経済学(マクロ編)」ともに、600ページ以上もあり、すごく分厚い。
でも、中身は、初心者でもゆっくり読めば理解できる。
個人的に面白いと思ったのは、「マンキュー経済学・ミクロ編」の第5章に書かれている「需要の価格弾力性」の概念とその具体例だ。
需要の価格弾力性とは、価格の変化に対して需要量がどれだけ敏感に反応するかを測る尺度。
価格弾力性とは | ビジネススクールならグロービス・マネジメント・スクール
需要の価格弾力性が高い、あるいは弾力的な場合、価格の変動に敏感に需要が反応する。
つまり、値下げすれば、需要が急激に増えるし、値上げすれば需要が急減する。
「マンキュー経済学・ミクロ編」では、例えば、生鮮食料品などの必需品は非弾力的で、宝石や自動車などの贅沢品は弾力的と説明している。
「マンキュー経済学・ミクロ編」では、現実世界の弾力性の実例として、下記の数値をあげている。
米国の経済学者が市場データから統計的手法を用いて集めたらしい。
卵:0.1
医療:0.2
米:0.5
住居:0.7
牛肉:1.6
ウイスキー:4.4
「需要の価格弾力性」に関する上記の数値から読み取れるのは、例えば、卵の価格が急激に高くなったり安くなっても、需要は0.1くらいの変化しないから、需要はほとんど変わらない。
逆に、ウイスキーは、値段を下げれば、需要の変化は4.4もあるから、重要が急激に増える。
つまり、生活必需品は非弾力的で、ぜいたく品は弾力的な傾向になっている。
具体例は当たり前で分かりやすいが、「需要の価格弾力性が高い」「需要の価格弾力性は非弾力的」などという言葉は正直分かりにくい。
経済学特有の概念だからだろう。
おそらくこの概念の背後には、ある測定時点における価格と需要の変化率を表す微分方程式が隠れているのだろうと推測する。
「需要の価格弾力性」が経済学の中で重要な概念の一つである理由は、「風が吹けば桶屋が儲かる」ような演繹的なロジックで経済現象を説明できる身近な例を提供しているからだろうと思う。
例えば、需要の価格弾力性が高い商品と分かれば、製品の価格政策を市場とタイミングに合わせて変化させれば、売上を増やすことができる。
経営者にとって、商品や製品の値付けは非常に重要な経営戦略だから、すごく神経を使うだろう。
生鮮食料品に限らず、工業製品やサービスの値付けでも、「需要の価格弾力性」で説明できるだろう。
「マンキュー経済学・ミクロ編」で面白いのは、政府の経済政策の効果を「需要の価格弾力性」で説明できる経済現象があることだ。
(引用開始)
今回は、第5章における過去4回のまとめとして、3つの応用例を紹介します。
(1)農耕にとって良いニュースは農業者たちにとって、悪いニュースであろうか?
(2)どうしてOPEC(石油輸出国機構)は、石油の高価格を保ち続けて失敗したのだろうか?
(3)麻薬禁止が薬物関係の犯罪を増加させるのかそれとも減少させるのでしょうか?
(引用終了)
詳細は「マンキュー経済学・ミクロ編」を読めば分かるが、人間の行動とその結果も、恣意的なものではなく、その背後にある原理原則に従っているという示唆が面白い。
経済学は中途半端な科学と思っていたけれど、社会現象や経済現象をある程度、理論的に説明できる部分は面白いなあと思う。
| 固定リンク
「経済学・ERP・財務会計」カテゴリの記事
- ビジネス書の名著はどれ?(2023.09.18)
- 第85回IT勉強宴会の感想~概念データモデルからビジネスモデルを構築すべきという考え方(2023.05.13)
- 令和4年度春期試験のITストラテジスト試験第4問をastahでモデル化してみた(2023.04.15)
- 経営戦略とIT戦略をつなぐ鍵は何なのか(2023.01.04)
- 計量政治学と計量経済学の考え方の違い(2022.10.02)
コメント