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2016/01/22

研究室の雑務にRedmineを使った事例

研究室の雑務にRedmineを使った事例が公開されていたのでメモ。

【参考1】
研究室にRedmineを導入するメリット - kengo700のブログ

研究室のRedmineの概要 - kengo700のブログ

Redmineのチケットで研究室の物品管理 - kengo700のブログ

RedmineのWikiで用語集 - kengo700のブログ

RedmineのWikiで研究室の学位論文リスト(ファイルサーバへのリンク) - kengo700のブログ

おそらく大学の研究室で、Redmineをどのように使っているか、という事例が詳しく記載されているのが興味深い。

1)ホーム画面に頻繁にアクセスするリンクを貼っておき、使い勝手を良くする。

2)研究の知識やノウハウを蓄積・共有するために、knowledgebaseプラグイン、Wiki、用語集 / Glossaryプラグインを駆使して記録する。

3)研究に関わるイベントをチケット化し、チケット一覧のクエリに「イベント一覧」を作っておく。
たとえば、研究室の進捗報告会、学会、全体ミーティングなど。
イベントをチケット化しておけば、ガントチャートで表示できるので、スケジュールが一目で分かる利点もあるのだろう。

4)研究室の各種装置・設備をチケット化し、「装置・設備一覧」「購入リスト」「実験スペース 」「共有PC」「工作機械」「オフィス機器」「ソフトウェア」などのチケット一覧をクエリ化しておく。
@kusukawaさんによる事例「サーバー機器管理台帳をチケットで管理する」方法と似た考え方。

5)研究室の雑務も別プロジェクトにしておく。
たとえば、ファイルサーバ管理、メールアカウント管理、内部ネットワーク管理、ライセンス管理など。

6)研究室に留学生が多いので、日本語だけでなく英語でも表記しておく。
Redmineは多言語対応しているので、いろんな国の言語で表示できるのが利点だ。

7)学位論文リストのように、Redmineからファイルをダウンロードできるような仕組みを作る。
具体的には、Wikiやチケットに添付、「ファイル」「文書」機能を利用、redmine_wiki_uncプラグインによるUNC パスを利用などがある。
上記の例では、Redmineのサーバからファイルサーバをマウントする手法を使ったらしい。

なお、「redmine_wiki_uncプラグインでUNC パスを利用する方法ではChromeなどのブラウザでは対応していなかった」というコメントがあったが、下記のChrome extensionを使えば、UNCパスからファイルを開くことができた。

DatAnswers Chrome Local File Opener - Chrome ウェブストア

Firefoxのアドオンでも、UNCパスが開けるらしい。

Firefoxアドオンを使って UNCパス からフォルダを開けるようにしてみた。 - ICT備忘録

【2】この研究室が上手いと思うのは、イベントに関わるチケット、装置・設備に関わるチケット、研究のノウハウを蓄積するWikiをそれぞれ別プロジェクトで分離して管理している点だ。
つまり、用途が全く異なる業務は、別プロジェクトで分離して管理できるようにしておく。

そうすれば、せっかくチケットに記録しているのに、情報が散乱して探しにくくなることもないだろう。
Redmineが多種多様なワークフローによって色んな業務に使える特徴と、複数プロジェクトで別々にチケット管理できる利点を上手く組み合わせている。
すなわち、Redmineというサーバーが1台あれば、イベント管理も設備管理もノウハウの蓄積も一元管理できるわけだ。

【3】下記の記事の「Redmineを運用するメリット」が興味深い。

研究室にRedmineを導入するメリット - kengo700のブログ

(引用開始)
Redmineを使うと何がいいのかについて、具体例を使って説明します。
例1:トラブル対応の効率化
例2:物品管理の効率化
例3:研究の効率化
(引用終了)

「例1:トラブル対応の効率化」では、研究室で稼働しているサーバや他の機器などにトラブルが生じた場合のRedmine導入前・後の業務フローがシーケンス図で書かれていて分かりやすい。
やはり、メールや報告書でノウハウが死蔵されてしまい、そのノウハウは誰も使えない。
「チケットがそのまま作業報告書になる」点が最大の利点なのだろう。

「例2:物品管理の効率化」では、共有パソコンの貸し出し履歴をWikiで管理していたが、Wikiの表は編集しにくく、使いづらいデメリットがあった。
物品管理をチケットに置き換えることで、「チケットはWikiに比べて編集しやすい」「チケットは探しやすい」「履歴が残るのでトレーサビリティ(追跡可能性)を使える」「業務連絡メールが自動的に送られる」というメリットが出てくる。

「例3:研究の効率化」では、研究の資料を共有ファイルサーバーで、ファイル名を「yyyyMMdd_xxxx.pdf」のように管理していたらしい。
もちろん、ファイルが散乱して、引き継ぎ資料をまとめるのが大変というデメリットがある。
研究資料をRedmineとGitLabで管理することによって、「チケットに関連情報をまとめられる」「作業記録がそのまま引き継ぎ資料となる」「複数人での作業において、役割分担、進捗、期限などを共有できる」というメリットが出てくる。

そんな話を読むと、チケットに何を対応させて、どんな業務を回したいのか、を深く突き詰めて考えているのかな、と想像する。

【4】最後に下記のリンクが公開されていたので、今後の執筆記事もすごく期待したい。

Redmineに関する記事の執筆予定(またはリンク集) - kengo700のブログ

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