機会費用、機会損失、機会原価の考え方
簿記が扱う会計上の原価だけが、原価と呼ばれているわけではない。
機会原価と呼ばれるものがあるが、機会原価とはそもそも何だろうか?
機会費用、機会損失とは何か?
以下は、自分の理解のためのメモなので、間違っていたら後で直す。
主張は特に無し。
【参考】
N's spirit 機会原価とは 機会費用とは 機会損失とは
「機会損失」と「機会原価」の違いについて : 杉本公認会計士事務所 公式ブログ
機会費用 - オポチュニティーコスト - sawacom.net
N's spirit 機会原価とは 機会費用とは 機会損失とは
【1】機会費用、機会原価、機会損失は紛らわしく、間違えやすい。
「機会費用=機会原価=opportunity cost」、「機会損失=逸失利益」と覚えれば理解しやすく成る。
【2】 機会原価(opportunity cost)と機会損失の違い
(引用開始)
今回は、「機会損失」と「機会原価」の違いについてです。
両者は経済学や管理会計の分野でよく耳にする言葉ですよね。
これらの言葉はよく混同されがちでよく似てる言葉ですが違いがあります。
機会損失とは、最善の意思決定をしなかったために、失った利益額であり、
機会費用とは、ある意思決定をしたために行えなかった投資機会のうち、最大の利益を得ることができなかった利益額になります。
具体的には、投資額が一定で、得ることができる利益が200、100投資案A、Bがあったとします。
投資案Aを選択した場合には、機会損失は0、機会原価は100となり、投資案Bを選択した場合には、機会損失は100、機会原価は、200となります。
つまり、機会損失は最適な意思決定を行いえば0になりますが、機会原価は、代替的な投資案がある場合は必ず発生するためゼロにすることはできません。
(引用終了)
例:
投資案A 利益=200
投資案B 利益=100
→投資案Aを採用した場合、機会損失=0、機会原価=100
→投資案Bを採用した場合、機会損失=100、機会原価=200
「機会原価」とは、諸代替案のうち一つを受け入れ、他を断念した結果、失われる最大の利益。
逃がした利益が原価(機会原価)になる。
「機会損失」とは、最善の意思決定をしなかったために、失った利益。
法学では、「逸失利益」とも呼ばれるらしい。
(引用開始)
機会原価は埋没原価と異なり、意思決定に影響を与えるものです。投資の判断の際に、何が機会原価になっているのか正確に見極めないと、本来は投資すべきものでないものに投資をしてしまう、逆に投資の必要なものに投資を止めてしまうということが起こり得ます。
この機会原価をキャッシュフローの中で用いているのが、割引率になります。
(引用終了)
【3】機会費用(opportunity cost)は機会原価と同じ概念
(引用開始)
機会費用は、「オポチュニティーコスト」とも呼ばれ、ある行動を選択することによって失われる、他の選択可能な行動のうちの最大利益を指す経済学上の概念をいいます。
(引用終了)
【4】機会原価が何となく難しく感じるのは、未来の原価であり、会計上の原価と異なるから。
会計上の原価は、過去に発生した費用の履歴であり、簿記で記述される。
原価は、過去に発生した費用を記録して集計しただけだから、数値ははっきりしている。
機会原価が難しいもう一つの理由は、2つの選択肢(オプション)の利益の差額で計算されるから。
つまり、差額原価。
しかし、機会原価は、その機会を逃すことで失った利益なので、その数値が明確で絶対正しいとは言えない。
でも、普通の人は機会原価の基準で、買い物したり、就職を決めたりしている。
「時間をお金で買う」行為は、機会原価を最小限に抑えようとする発想。
大学院に進むよりも2年早く就職してお金を稼いだ方が得だ、という行為も、機会原価の基準に基づく。
つまり、普通の人は、機会原価を最小化しようとして、機会損失=0に近づけようと、意思決定を選択する。
まさに、人間は経済的合理性に基づいて行動する、みたいな考え方。
【5】でも、逸失利益(機会損失)は、自ら選択した行動で発生するだけではない。
交通事故、震災、火事のような突然の災害や人災が原因で降りかかる時もある。
その場合、逸失利益を推定計算して、加害者に損害賠償請求する権利が被害者にある。
しかし、逸失利益の計算は推定なので、本当に正しいか、という問題もつきまとう。
また、逸失利益に基づく損害賠償請求には、法律に基づく要件がある。
不法行為、債務不履行など。
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