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2016/11/20

第11回東京Redmine勉強会の見所

11/26土に開催される第11回東京Redmine勉強会の見所についてメモ。

【参考】
第11回勉強会 - redmine.tokyo

redmine.tokyo 第11回勉強会 - connpass

【1】10月下旬にこっそり告知したら、あっという間に満員御礼になりました。
いつもながら東京では、Redmineユーザが多い事実を感じます。

【2】今回の勉強会の主なテーマは「Redmineの「多用」性とその進化」です。
テーマに関しては、スタッフ内で議論が色々ありました。

【2-1】Redmineや「チケット駆動」という概念が日本ではかなり普及しています。
実際の現場では、IT業界だけでなく、多方面の業界で、色んな職種を持つ人達がRedmineを利用している。

すると、本来のタスク管理という使い方だけでなく、インシデント管理やヘルプデスクのサポートなどにも使われていて、色んな問題点や課題が発生している。
そこで、「どんな使われ方がされているのか?」という観点で、@kazuphさんのIOT企業の事例、@mattaniさんの簡易CRM利用事例の講演を用意しました。

個人的には、@kazuphさんのIOT企業の事例はとても興味があります。
以前Blogで紹介しました。

「RedmineがIoT企業に異常にマッチしてしまった話」の記事がすばらしい: プログラマの思索

Blogの内容を読むと、ポイントは、ハード部隊やソフト部隊、カスタマーサポートのような気質も技能も異なるチーム間連携にRedmineが有効であった、という点でしょう。
利用ユーザが増えて、利用する組織が増えると、チームごとの組織文化も異なってきます。

その場合、そういうチームと作業や情報を連携して、いかにシナジー効果を生み出すか?
そして、どのような開発基盤や運用ルールがあれば、スムーズにチーム間連携ができて、1+1=3のようなシナジー効果を発揮できるのか?

また、「導入にはRedmineエバンジェリストみたいな人が必要」という指摘も興味深い点です。
Redmine特有の癖をいかに生かすのか、あるいは、組織にマッチさせたのか?

実際の現場でRedmineを運用して駆使されているだけに、その経験談を聞いてみたい所です。

【2-2】大規模な組織へRedmineの運用を拡大した時、どのような問題点や課題が出てくるのか?という問題意識から、今年は大阪と東京で過去3回のRedmine勉強会がありました。

第14回RxTStudy勉強会「Redmineの未来を考える - 機能・運用・コミュニティ」の感想 #RxTStudy: プログラマの思索

第10回redmine.tokyoの感想~Redmineユーザはメトリクスがお好き #redmineT: プログラマの思索

第65回 SEA関西プロセス分科会&RxTStudy #15 「チケット管理システムによるプロセス支援と今後の課題」の感想: プログラマの思索

Redmineと組織構造の関係性については、第15回RxTstudy 『大規模組織や 多様な業務における Redmineの課題』で発表しましたが、他の課題もあります。

スタッフからあがったテーマは「Redmineのバージョンアップやデータ移行で留意点はあるか」という点です。
Redmineも誕生してから既に10年経ち、Redmineを運用している現場でも3~8年くらい使っているところもあるでしょう。

たとえば、当初は3人で使っていたRedmineが100人以上に使われて、SIの現場で勤務時間中はフル稼働している状況になると、バージョンアップ作業や保守作業がやりにくくなってきます。
特に、バージョンアップやデータ移行作業は、RedmineがSIの事実上の基幹業務システムになった状態では非常に神経質にならざるをえないでしょう。

その場合、どんな点に留意して、バージョンアップやデータ移行をすべきなのか?

ファーエンドテクノロジーの@g_maedaさんにRedmineバージョンアップの注意点、アジャイルウェアの堂端さんに「乱立してるRedmineを一つにまとめる話」について講演してもらいます。

特に、「乱立してるRedmineを一つにまとめる話」の内容は、十数個のRedmineインスタンスが部署ごとに別々に存在していたが、プロセス標準化の機運が盛り上がって、1個のRedmineインスタンスに統合した時の経緯と苦労話になります。
データ移行をどこまで行なっているのかは聞いていませんが、各部署のRedmineインスタンスのワークフローを抽出し、社内の標準ワークフローを策定する方向に持っていった、と聞いています。

Redmineのデータ移行と言えば、奈良さんの講演「Redmineサーバ統合事例」が真っ先に思い出されますが、単純なデータ移行だけでなく、標準プロセスの策定作業に、Redmineのワークフローデータが使われたこと、その標準プロセスがトップダウンではなく、散在したRedmineから抽出してボトムアップに作っていった、という点が面白いのだろうと思います。

【2-3】また、「Unofficial Redmine Cooking」というプロジェクトを開始して、東京Redmine勉強会のスタッフやユーザを中心に、Redmineの改善要望やパッチの情報を交換しよう、という要望もスタッフからあがりました。

たとえば、Redmineユーザメーリングリストでも、Redmineの画面UIの改善要望が非常に多いです。
Redmine利用者が増えてきたので、現場ごとにRedmineをもっと使いやすくしたい、という声が多く上がっているのでしょう。

そういう質問を実際にやり取りできる場を設けて、Redmine本家に情報提供ができたらいいな、と思います。

Redmine Users (japanese) - Google グループ

Redmineの画面レイアウトの微修正にこだわる改善要望はViewCustomizeプラグインを使え!: プログラマの思索

【3】他にも、最近公開されたRedmineのサービス「Planio」の紹介、会場を提供して頂いたテクマトリクス様における「RedmineとElectronで新人の育成状況を可視化した事例」などがあります。

さらに、@ryouma_nagareさんのLT「開発環境の認証を改善してRedmineを社内標準にした話」は、RedmineのLDAP設定に関する話なので、とても興味があります。
Redmineのログイン認証を社内のLDAPサーバーと連携させることで、Redmineユーザ管理や保守をかなり楽に出来ます。
実際、Redmineを外部に公開している場合、退職したユーザをRedmineから削除する運用作業は、ユーザ数が増えるほど非常に面倒になってくるので、LDAP認証をかませれば、LDAPサーバーの方でユーザ管理してもらい、その情報を同期するだけでいい。

しかし、実際に運用した人の話を聞くと、色んな留意点やノウハウがあります。

たとえば、ユーザが退職した場合、Redmineユーザに登録されたメーリングリストのメールアドレスから削除しないと、通知に失敗する。
たとえば、自社の社員のLDAPサーバーと協力会社の常駐メンバーのLDAPサーバーが異なる場合、どのように設定して注意すべきか?
実際、Redmine本家にも下記チケットで要望が上がっているが未対応のまま。

Feature #9216: Support of multiple LDAP servers for authorization - Redmine

この辺りのノウハウも、もっと聞いてみたい。

【4】講演LTを含めては10本近くあって盛りだくさんですが、グループディスカッションの場ももうけています。
テーブルごとにざっくばらんに話してみながら、お互いの苦労話や知見、ノウハウを情報交換してもらえればと思います。

【追記】そういえば、「入門Redmine第5版」が公開されていました。
出版日は2016/12/1だそうです。
作者の@g_maedaさんも来られるので、もしかしたら、最新の出版の状況も披露してくれるかもしれません。
お楽しみに。


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