アジャイルな組織構成の記事のリンク
最近の平鍋さんのBlog記事がすごく面白いので、リンクしておく。
アジャイルな組織構成とは何か、すごく考えさせられる。
特に主張はなし。
【参考1】
Technology Radar mentions Team Structure | an Agile Way
(引用開始)
今回の大きなテーマは(超訳すると)、
1.Docker as process, PaaS as machine, microservices architecture as programming model
Dockerを「プロセス」、PaaSを「マシン」、microservices architectureを「プログラミングモデル」とみようじゃないの。それに合わせて疎結合の小さなサービスの集合としてアプリケーションを作れるし、合わせて疎結合の小さなチーム構成が作れる。
2.Intelligent empowerment
AIやDeep Learning使った差別化が可能になった。ずっと研究分野のものだった AI や Machine Learning が急激に実用になってきた!
3.The holistic effect of team structure
チームにまかせる構造。スタートアップだけでなく企業の中でも、プロジェクト指向からプロダクト指向へと変わってきた。自分たちで作って自分たちで運用。
(中略)
特に、前のブログでも書いたが、Docker/PaaS/Microservices のおかげで逆コーンウェイ戦略が取れるようになり、組織の構造とソフトウェアの構造を「戦略的に」合わせていく作戦が、1と3に出てくる。
(引用終了)
【参考2】
デジタルビジネスとアジャイル(Mary Poppendieck on Digitization) | an Agile Way
(引用開始)
“Software is eating the world”
2011のマーク・アンドリーセンのコラムからの言葉だと思う。「あらゆる産業がデジタル化し、すべての企業はソフトウェア企業になる」という強烈なデジタル革命宣言だった。
Maryの主張は、その中では、もっとも大事なのは有能な人を集めて、その人たちに権限をあたえ、自分で動けるようにするリーダーシップなんだ、というのがメッセージです。
GE のCEO、Jeff Immelt のページあたり、講演の途中でTom が立ち上がって、次のように一言放ったのが印象的でした。
“The most important resource for today’s companies is not capital, but talented and passionate people.”
「今日企業にもっとも重要な資源は、資本ではない。有能で情熱をもった人だ。」
(中略)
この人の組織の仕方が変わってくる話は、「シリコンバレーから始まった小さいチームに権限を与える手法は、企業の情報システム開発にも影響を与え始めている」という言い方で、Technology Radar にも登場します(つまりアジャイルのこと)。
(引用終了)
【参考3】
SPI Japan 2016 で基調講演しました | an Agile Way
(引用開始)
“新製品開発としてのnonakaスクラムの源流は80年代の日本の製造業にあり、それがソフトウェア開発の文脈で欧米から再発見されたものがアジャイルと理解しています。
現在の欧米型企業経営が、必ずしも国民生活の質の向上に寄与していないことを鑑みると、私たち日本人が、過去の知恵と若者の活力の両方を活かす形で、新しい日本の持続的イノベーションのやり方をつむぎ出す必要があります。
その力の源泉は、高い志を持った経営と、いきいきと働くことができる現場環境にあるのではないでしょうか。
日本に適したアジャイル、スクラムの形を、描き出そうではありませんか。
そのためにはまず、経営、ミドルマネジメント、現場が話す場を作り、お互いに共感することから始めなくてはなりません。”
平成24年4月16日
一橋大学名誉教授 野中郁次郎
(引用終了)
【参考4】
Visiting Ikujiro Nonaka, Grandfather of Scrum | an Agile Way
(引用開始)
こんな会話をしながら、僕が考えた事。もちろん先生のフォーカスは、組織論にある。僕はアジャイルなソフトウェア開発チーム、が中心課題だ。
アジャイルはチームとソフトウエアが射程。「よいソフトウエア作りは、よいチーム作り」という拡張コーンウエイ則。さらに、ソフトウェアとチームの関係は、Jim McKarthy の Core Protocol なんかともつながる。
アジャイルが発展したのは、ミクロレベル(個人)でなくマクロレベル(組織)でなく、メソレベル(チーム)である。アジャイルのスイートスポット。これを現構造の組織にそのまま持ち込む活動はそもそもうまくないのでないか?
むしろ、メソレベル(チーム)が重要であることを、再認識し、メソレベルこそが、全体のクオリティの決定要因であることを認めること。
野中先生が「日本には中間管理職というのがキーになり、トップダウンでなく、ボトムアップでなく、ミドルアップダウンだ」という話をしていたのが、現在のエンタープライズアジャイル導入と符号するように思えて来ています。
(引用終了)
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