Redmine本家未取込チケットで人気のあるチケット情報
@y503Unavailableさんの力作「Redmine本家未取込チケットで人気のあるチケット情報」が公開されていたのでメモ。
読んでみると、結構面白い。
@y503Unavailableさんが、幾つかのカテゴリで「+1」を集計してくれているので、感想をラフなメモ書き。
【参考】
QA #270: 本家未取込チケットを巡る(仮) - Unofficial Redmine Cooking - redmine.tokyo
気づき #280: 未完了全部(2017/01/09現在) - Unofficial Redmine Cooking - redmine.tokyo
(引用開始)
Redmine本家には、多数の未取込チケットが点在する。
+1が多いチケットには、それなりの内容がある筈だが、埋もれているのが現状。
標準に取り込まれなくとも、参考になる点は多々あるだろうし、必要な人もいる筈。
作者の思いもある。
そんなチケットに陽を当てたい。
(引用終了)
【1】気づき #271: issue編 - Unofficial Redmine Cooking - redmine.tokyo
Feature #1448: Add tags to issues - Redmine
Feature #1176: Recurring Tasks - Redmine
Feature #5358: Share Issues Categories for sub-projects - Redmine
【1-1】1番多いのは、Redmineのニュース、ドキュメント、フォーラム、Wikiなどにタグ機能を追加したい要望。
チケット機能でも同様の要望が多い。
ハッシュタグみたいに、Redmineのあらゆる情報をタグ付けできると、検索しやすくなる。
【1-2】2番目はRedmineで定期的なタスクをチケット自動生成したい要望。
たとえば、毎月の報告書作成、ログの定期採取と集計作業、サーバーメンテナンスなど、定期的な作業は手動登録でなく、自動登録できれば、忘れることもない。
日本人だけでなく、世界中の開発者も同様に考えているんだね。
@netazoneさんが、Cron+Shellの実行方法を公開してくれているので参考になる。
QA #273: 定期的作業をチケットで作業管理したい - Unofficial Redmine Cooking - redmine.tokyo
他にも、Redmineのプラグインもあるらしい。
見た目はこちらの方が、一般受けしそう。
【1-3】3番目は、カテゴリのサブプロジェクトへ継承したい要望。
似たようなチケットはたくさんある。
世界中の開発者も、同様に思っているみたい。
Patch #11898: Inheritable issue categories - Redmine
Redmineは親子プロジェクトを気軽に作れるために、カテゴリを逐一登録し直すのが面倒。
親プロジェクトのカテゴリを自動継承できれば、その後、自由に修正するなどできれば、もっと便利になるのに。
【2】気づき #274: customfield編 - Unofficial Redmine Cooking - redmine.tokyo
Feature #685: New Custom Field "Found in Version" - Redmine
Feature #3543: Improve 'long text' custom fields - Redmine
Feature #11361: Custom Field Groups, and User Specific Fields - Redmine
【2-1】1番多い機能は、バージョンとマイルストーンを区別したい要望。
下記チケットと重複しているらしい。
もし実現するとなると、マイルストーンとバージョンを多対1にするなどの関係が必要になるだろう。
僕としては、バージョンとマイルストーンを同一視するというRedmineの運用はアジャイル開発とマッチしているので、実装不要と思う。
【2-2】他には、「長いテキスト」カスタムフィールドを2列化したい、とか、カスタムフィールドをグルーピングしたい、という改善要望。
たとえば、障害チケットはカスタムフィールドが多くなりがちなので、テキストエリアを広くしたり、配置を自由に変えたり、グルーピングして操作しやすいUIにしたい。
カスタムフィールドのレイアウト変更は、ViewCustomizeプラグインで個別で対応可能だが、Redmineの基本機能に盛り込んだ方が確かに使い勝手は上がるだろう。
【3】気づき #275: ui編 - Unofficial Redmine Cooking - redmine.tokyo
Feature #1040: Global wiki - Redmine
Feature #2117: Alternative view for "Projects" page - Redmine
Feature #8417: per tracker configurable issue form layout with preview - Redmine
【3-1】「メインのホームページはグローバルなwikiでなければならないのでは」という改善要望が1番多い。
色んな権限を持つユーザで管理されていたとしても、Redmineを操作する時には、FAQサイトやユーザガイド、手順などをWikiにまとめておき、誰でも参照できるようにしておきたい。
そうすれば、Redmineの運用が楽になる。
小規模チームのRedmineなら、グローバルWikiは不要だが、数百人~数千人が使う場合、Redmineの権限が複雑になり、誰もがアクセスできるプロジェクトは作りにくくなる。
たとえば、社員だけ見れるWiki、パートナー社員も含めたユーザが見れるWikiなどのように、複雑に管理したくなってくる。
【3-2】2番目は、「プロジェクト」ページが使いにくい、という要望。
一般に、Redmineで複数のプロジェクトを作っていくことになり、数百~数千個作る場合もあるだろう。
すると、プロジェクト一覧ページにプロジェクトが大量に並んで表示されるが、非常に見づらい。
プロジェクト一覧ページのUIはもっと改善できる余地がある。
特に、PMOや経営層など、部署ごとに複数プロジェクトを横断して見たい場合、現状のプロジェクト一覧ページでは状況を把握しづらい。
3番目は、カスタムフィールドや基本フィールドの配置を自由に変更したい要望。
【4】気づき #277: カテゴリ未設定分 - Unofficial Redmine Cooking - redmine.tokyo
Feature #2897: Tagging in Redmine - Redmine
Feature #3995: Upgrade to "Files" module - Redmine
Feature #10121: Watchers - Add Group / Role - Redmine
【4-1】1番目に多いのは、タグ付け機能。
【4-2】2番目は、ファイル管理機能の強化。
チケットでは、チケットやWikiに添付されるファイルは、「ファイル」モジュールに表示され、"Related To:"というタイトルの列が追加されて、リンクされるようにする、という要望が届いている。
これは面白い。
Redmineのモジュールの中で、「文書」「ファイル」は最も使われていない機能の一つだろう。
「ファイル」にRedmineへアップロードされた添付ファイルの全リストが表示されるようになれば、添付ファイルを探したり、添付ファイルを管理するなどの操作もやりやすくなるだろう。
「文書」モジュールを拡張したプラグインとしては、DMSFプラグインが昔から知られていた。
RedmineへOffice文書をアップロードして、Redmine上でドキュメント管理ができるようになるプラグインだ。
このプラグインが必要になる状況は、ISO9000の監査やシステム監査などの場面で、Redmineに蓄積されたチケットだけでなく、障害や問合せ、是正対策などの文書もトレーサビリティを確保して、即座に必要な情報を取り出せるようにしたいからだ。
danmunn/redmine_dmsf: Fork of svn repository for redmine_dmsf
Redmine3.2でバージョン管理もできるドキュメント管理プラグイン「DMSF」 | 俺的備忘録 ?なんかいろいろ?
【4-3】3番目は、チケットのウォッチャーをユーザグループや役割などでも選択・検索できるようにしたい要望。
現場でRedmineを使っている人からは、ウォッチャーをもっと強化したい要望は多い。
彼らは、ウォッチャーをメールのCc代わりに使っているみたいだ。
Ver3.xに対応しているプラグインとして、下記があるみたい。
※追記:情報が錯綜しているので、まとめた。
QA #290: チケットのウォッチャーをユーザグループや役割などでも選択・検索できるようにしたい - Unofficial Redmine Cooking - redmine.tokyo
【5】以上のように見てみると、タグ付、カテゴリ継承、ファイル管理機能の強化、定期チケット自動作成など、日本人のRedmineユーザが欲しいと思っている機能は、世界中の開発者も同様に思っているように見える。
こういう埋もれたチケットを集計して発見してくれた、@y503Unavailableさんに感謝。
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