最近よく聞くRedmineのFAQ~Excel添付のチケットから野良Redmineまで
3/25土開催予定のRedmine大阪のパネルディスカッション「RedmineのFAQとアンチパターン」について、資料を集めている。
たくさん集まりすぎて、話せそうにないので、たぶん話せないことをメモ書きしておく。
以下は、未整理のメモ。
たぶん、どこかで講演として話したい。
【1】Excel添付のチケット
チケット説明欄がほとんど無くて、Excel添付だけ。
Excelを開かないと内容が分からない。
添付Excelの内容が最新でないので、話がつながらない。
障害管理、事務処理ワークフローで発生しやすい。
解決策は、いくつかある。
基本は、Excel添付は極力止めて、チケット説明欄に書く。
2つ目は、障害の画面キャプチャは、clipboard_image_pasteプラグインで、コピーした画像を貼り付ける。
3つ目は、どうしてもExcelファイルが必要ならば、wiki_uncプラグインで、共有ファイルサーバーのExcelにへリンクさせる。
その方がExcelファイルが大容量でも良いし、Excelファイルがどんどん更新されても最新版は共有フィアルサーバーにあるから。
Redmineで共有ファイルサーバーへリンクするプラグインredmine_wiki_unc: プログラマの思索
追記:
GDriveプラグインがある。
このGDriveプラグインを使えば、添付ファイルや文書はGDriveに配置して、チケットにリンクすればいい。
Gdrive Document library - Plugins - Redmine
他に、FTP File Server Pluginを使う方法もある。
FTP File Server Pluginをを使って、FTPファイルサーバーを別途用意して、そこに添付ファイルや文書を配置する運用もありうる。
RedmineへのファイルアップロードをFTPファイルサーバーに置き換えるプラグインFTP File Server Plugin: プログラマの思索
FTP File Server - Plugins - Redmine
【2】チケットがポエム
チケット説明欄が散文形式。
誰も分からない。
何をしたら完了になるのか、意見が割れる。
チケット管理のアンチパターンとベストプラクティス - Javaプログラマのはしくれダイアリー
Redmineのチケット管理のアンチパターン事例: プログラマの思索
基本の対策は、チケット起票の運用ルールを策定する。
チケットUIの改善策として、Issue_templateプラグインを使う。
つまり、何を書いたら作業指示書となるのか、テンプレートを事前に用意して、強制的に書かせるようにしたらいい。
Issue Template - Plugins - Redmine
【3】議事録はチケット? Wiki?
議事録をチケットで回す事例を見かける。
議事録チケットのメリットはいくつかある。
一つは、回覧のチェックができる。
チェックリスト形式で、全員がきちんと読むように義務付けられる。
もう一つは、議事録の書記を担当者でアサインできる。
議事録の責任者を明確にできる。
しかし、議事録チケットのデメリットもあると思う。
議事録がチケットに埋もれてしまうのが嫌。
議事録は日付順に、1箇所にまとめられた方が、変更内容を追跡しやすい。
たとえば、顧客との要件定義の議事録とか。
Wikiの方が共有しやすいと思う。
個人的には、議事録はWikiの方が好き。(この辺りは色々意見があると思う)
対策としては、Wikiに議事録チケットのリンクを張り、日付順に探せるようにしておく。
【4】Redmineでナレッジはどう蓄積する?
業務や技術ノウハウを蓄積したい。
その場合、Redmineをポータルサイトのように使いたい。
PJ横断のグローバルWikiのような機能がRedmineに欲しい。
このアイデアは以前書いた。
redmineでナレッジを蓄積していく方法: プログラマの思索
ナレッジ蓄積用のプラグインはいくつかある。
WikiExtensionsプラグイン。
Wiki Extensions - Plugins - Redmine
用語集プラグインは、業務分析工程での専門用語の管理、社内辞書として使える。
但し、Ver3.xに未対応なので、有志がカスタマイズしている。
redmine_glossary(用語集)プラグインのRedmine 3.0(3.1)対応 - torutkの日記
knowledgebaseプラグインは、タグ付けやカテゴリ分類ができて、情報の役立ち度をランク付け、記事にコメント可、管理メニューから即アクセス可能。
たぶん、グローバルWikiとして使いたいなら、knowledgebaseプラグインがお勧めかな。
Ver3.3.xでも使えた。
Knowledgebase - Plugins - Redmine
alexbevi/redmine_knowledgebase: A knowledgebase plugin for Redmine
個人的に、Redmineでいつも残念な機能は、コードシンタックスの言語が少なすぎること。
C#がない。
.NET開発者から、いつも問い合わせが来る。
2016年12月のRedmine開発状況 | Redmine.JP Blog(Feature #24681: シンタックスハイライトの対応言語を100以上に増やす)
【5】チケット完了時に項目が未入力
チケットの期日、進捗率が未入力で放置されやすい。
CFが空欄だとチケット集計時に困る。
対策は、完了時に自動補完させる。
issue_completionを入れる。
Redmineチケットの完了時に進捗率と期日を自動更新するプラグインredmine_issue_completion: プログラマの思索
カスタムフィールドの自動補完は、ViewCustomizeプラグインで実装できるだろう。
Redmineの画面レイアウトの微修正にこだわる改善要望はViewCustomizeプラグインを使え!: プログラマの思索
【6】チケットのCFが多すぎる
CFが誰も使わない項目になっている。
Excel管理台帳の項目がそのままチケット化された場合に多い。
特に、障害管理台帳とか。
CFのメリットは集計しやすいこと。
一方、入力コストが大きい。
CFはコピーしにくい。
タブキーが使えないので、入力が面倒。
CFが多くなるほど、チケットがサクサク流れない。
解決策は、基本はCFは必要最小限にする方が良いと思う。
チケットのUI改善策として、説明欄にテンプレートを準備し、CFを極力使わない方法もある。
Issue_templateプラグインを使う。
チケット入力を楽にするための方法はもっとあるだろう。
Issue Template - Plugins - Redmine
【7】庶務チケットをテンプレート化したい
利用シーンとして、庶務・事務の業務は定型作業。
内容も単純。
集計不要のタスクだから。
定形作業のテンプレートがないと、一貫性がなくなり属人的になりやすい。
CFでたくさん細かく項目を作る程でもない作業が多い。
解決策はいくつかある。
一つは、チケット説明欄をテンプレート化する。
Issue_templateプラグインを使う。
Issue Template - Plugins - Redmine
Issue_templateプラグインは、トラッカー単位、PJ単位にテンプレートを用意できるので、庶務業務のためだけのトラッカーを増殖させる必要がなくなるメリットが良い。
一方、Issue_templateプラグインでは、担当者は空欄になってしまうので、デフォルトの担当者を設定できない。
ここの運用が結構困る。
ViewCustomizeプラグインでデフォルト担当者を自動補完させるように設定する?
ViewCustomizeプラグインでRedmineをマイクロコア化できるか: プログラマの思索
もう一つは、テンプレートチケットを作っておき、チケットのcopy機能を使う。
説明欄をテンプレートにしておき、担当者を初期設定しておけばいい。
開始日を空欄にしておけば、新規でコピーした時、現在日が自動設定される。
【8】毎月の定型作業のチケット登録を簡単にしたい
利用シーンは、月末の作業実績報告書の作成、とか、定期的なログ集計、とか、年1回のシステム保守作業。
チケットを定期的に登録する解決策はどんなものがあるか?
一つは、Cron+REST APIでチケット自動登録。
他には、定型タスクをチケットするプラグインがいくつかある。
定期的なタスクをチケット登録するRedmineプラグイン: プログラマの思索
【9】チケットがメール化している
チケットがなかなか終了しない。
コメントがスレッド化している。
チケットのコメント数が多い。
チケットのコメントで別の問題解決が進行している場合は、危険なサイン?
個人的には、スレッドが長いチケットは気にならない。
メールのやり取りがチケット化されたと理解できるから。
チケットは細かすぎても逆に使い勝手が悪く、検索しにくくて、困る場合もある。
【10】ソース管理よりも文書管理をチケットで追跡したい
たとえば、ISO9001の規定文書をポータルサイトに配置して共有したい。
文書テンプレートは、ポータルサイトからダウンロードさせて、使わせたい。
ISO9001の規定文書の履歴管理もしたいし、参照や更新権限を制御したい。
現状では、共有ファイルサーバーに文書を置くと、チケットと関連付けれない。
共有ファイルサーバーのファイル管理は煩雑になりがち。
解決策としてはいくつかある。
暫定策としては、ファイル容量が大きすぎな場合は、redmine_wiki_uncプラグインを使う。
共有ファイルサーバーへUNCパスでリンクさせるだけ。
Redmineを文書管理ツールとして使うならば、DMSFプラグインを使う。
RxTStudy勉強会のJAXA講演でも、JAXAではDMSFプラグインを導入していたらしい。
Ver3.3.xにも対応している。
Redmineの文書ファイルを全文検索するプラグインのリンク: プログラマの思索
DMSFプラグインなら、文書を階層で管理できる。
文書ファイルの履歴管理、文書ファイルの簡易ワークフロー制御も可能。
但し、文書ファイルのワークフローはトラッカーと異なる管理画面で設定する。
文書更新時にメール送信、Office文書を全文検索もある。
但し、全文検索は日本語はパッチ必要みたい。
Redmine3.2でバージョン管理もできるドキュメント管理プラグイン「DMSF」 | 俺的備忘録 〜なんかいろいろ〜
【11】利用者全員に手軽にアナウンスしたい
利用シーンは、RedmineのVerUpアナウンス、定期メンテナンスなど利用者全員への事前通知。
いくつかプラグインがある。
bannerプラグインなら、バナー表示できる。
このプラグインが一番使い勝手が良い。
redmine_maintenanceプラグインでは、メンテナンスモードになると、管理者以外は操作できなくなる機能を提供する。
VerUp時は、そもそもRedmineを再起動するので、使えない?
ameya86/redmine_maintenance: メンテナンスモードを提供するプラグインです
【12】チケット集計機能が弱い
蓄積されたチケットを色んな観点で集計したい。
Redmineの基本機能では集計機能が不足している。
でも自作すればいい。
自分たちで改善していく。
対策は、やり方は色々ある。
CSV出力してExcelマクロ集計。
各種の集計プラグインを使う。
たとえば、RedminePivottableプラグインでピボット集計とか。
Redmine Pivot tableプラグインのリンク: プログラマの思索
他にも色々。
RESTAPI経由でBIツールに集計させれば、もっと多機能にできる。
RedmineのチケットデータをRedmine外部のBIツールで表現するアイデア: プログラマの思索
Elastic Search+Logstash+Kibana+TimelionでRedmineのBIを実現する記事のリンク: プログラマの思索
【13】野良Redmineが社内に溢れる
症状として、会社標準のRedmineは使いにくい。
別チームのRedmineは特定PJに特化されている。
運用が拡大すると、運用ルール策定が追いつかない。
オフショアや外部ベンダーのやり取りは、セキュリティ上別サーバーにすべきだから。
結局、社内に非公式のRedmineインスタンスがあふれる。
別名は「闇Redmine」。
Redmineを運用している規模について - Google グループ
Redmineの運用が大規模化していく上での課題~@Will_meaningさんとのやり取り - Togetterまとめ
第10回redmine.tokyoの感想~Redmineユーザはメトリクスがお好き #redmineT: プログラマの思索
第11回東京Redmine勉強会の感想~Redmineエバンジェリストが日本各地で出現しているらしい #redmineT: プログラマの思索
根本問題は、大規模な組織で多様な業務を、一つのRedmineインスタンスで対応できるか?
組織ごとにRedmineを作りたい意図もある。
セキュリティ上の理由で複数のRedmineインスタンスはありうる。
Redmineインスタンスはチームの組織文化や慣習を表す: プログラマの思索
Redmineに向いている組織はPJ型組織やマトリクス型組織ではないかという仮説: プログラマの思索
第13回RxTStudy勉強会の感想 #RxTStudy: プログラマの思索
他の課題として、複数のRedmineインスタンスを統合できるか?
組織の統廃合、ナレッジ蓄積の引継ぎなど、いろんな事情があるだろう。
QA #247: 複数のRedmineサーバを統合したい - Unofficial Redmine Cooking - redmine.tokyo
Redmine同士でチケットを関連付けたい。
リンク型CFを使う。
Redmineのリンク型カスタムフィールドの使い方: プログラマの思索
【14】他にも「ウォッチャー機能を強化したい」とかある。
後でまとめる。
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