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2017/08/10

法律の背後には経済学の理論があるという仮説

法律の背後には経済学の理論があるという仮説についてメモ。
以下は主張がまとまっていないが、素人によるラフなメモ書き。

【1】とある会合に出た時、そこでは、参加者やスタッフが中小企業への施策を色々議論して、アイデアをまとめていた。
最終的には、それらのアイデアを施策としてまとめて、中小企業庁へ持参して、提案書として渡したらしい。
そして、今年度の中小企業への施策に、提案の内容が盛り込まれており、やった意義があった、という報告があった。
その時に、こういう施策が実行されると、我々士業にもお仕事が舞い込むんですよ、という話があった。

その話を聞いて、すごいな、と思うと同時に、別の考えが浮かんだ。
政治では、基本は法律を策定して、企業や人間の行動を規制したり、補助金のようなインセンティブを与えてある方向へ誘導したりする。
つまり、法律は、世の中の社会において、みんなの不利益となるような企業行動は規制し、将来の産業育成や弱者保護のような方向へ企業行動が向くようにインセンティブを与える。

法律の暗黙の前提には、人間は全てが善人とは限らず、悪人もいるので、そういう人たちを規制しなくてはいけない、という考えがあるような気がする。
すると、個人一人の思いや行動というミクロではなく、集団や企業、国家のように人間を集団というマクロで見て、その全体を規制したり、ある方向へ誘導するように制御したくなる。
実際、すべてを自由に任せていたら、悪い行動は誰も規制できなくなる。
そのために法律があるのではないか。

つまり、法律という制度によって、企業行動や人間の行動を規制して、ある方向にインセンティブを持たせるように仕向けているわけだ。
この考え方は、経済学における「制度経済学派」の考え方に近いのではないか。

【2】マンキュー経済学の本でも、「経済学の10の原理」で、「人々は様々なインセンティブに反応する」「通常、市場は経済活動を組織する良策である」「政府が市場のもたらす成果を改善できることもある」という原理があるが、それらを連想する。

経済学の十大原理

経済学の十大原理(マンキュー入門経済学) | 経済を10分だけ学ぶ

普通は、市場経済で自由に任せた方がいい。
企業も人間も、自由にアイデアを作り出し、事業を生み出して、自由に経済活動をすればいい。
でも、自由な市場経済原理で上手く行かない場合も多い。
そこで、法律という制度で、大企業が独占しないように規制したり、補助金を新産業で活動している中小企業に与えたりして、その方向へ他の企業が向くようにインセンティブを与えたりする。

【3】他に、独占禁止法が存在する理由がまさにそう。
独占・寡占市場に対しては、独占禁止法が対処法の一つ。

「市場の機能がうまくはたらけば、資源が効率的に配分される」というのが基本的な経済学の考え方だが、独占・寡占によりそれがうまく機能しない場合が「市場の失敗」。
そうならないように、自由な競争を生み出すように独占禁止法が存在し、公正取引委員会もある。

独占禁止法の存在意義には、経済学の理論が根底にある。

【4】他に、SCPパラダイムという言葉を知って、何となく関係があるような気がした。

SCPモデル/パラダイム - techdmba

SCPパラダイム - 人材開発・組織開発コンサルタント「ZOFFY」の日記

戦略論の復習②…ポジショニングアプローチ|田舎者の受験日記

SCPパラダイムは、ある業界の構造を分析する際の枠組み。
市場構造(Structure)が市場行動(Conduct)を規定し、市場行動が市場成果(Performance)を規定する(つまりS→C→P)という考え方で、外部環境が企業の行動を規定し、企業の利潤を規定する、という考え方。

この発想を展開すると、ある業界で独占利潤を得ている大企業がいて、消費者が不利益を被っているならば、余剰利益を得ている企業(P)に対し、その企業の行動を法律などで規制し(C)、とどめに法が無くても企業が余剰利潤を得られないような市場構造にする(S)というロジックも成り立つ。
つまり、法律によって、企業行動を規制することで、独占利潤を得られないようして、自由競争になるような方向へ誘導する。

おそらく、独占禁止法だけでなく、下請代金支払遅延等防止法など数多くの中小企業向けの法律も、そういうロジックがあるのだろう。
つまり、本来は、弱者である中小企業を守るという政治的事情として法律が作られているのだろうが、大企業が独占利潤を得にくいように、経済学の理論で補強できるように法律を構成しているのではないか。

換言すれば、そういう理論を背後に法律を作っているならば、現実を規定する法則に即しているので、その法律はすぐには廃れないだろう。

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