Redmineのもう一つのEVMプラグインEVM Calculation Plugin
先日の東京Redmine勉強会で、アンケート資料にあるプラグインを見ていたら、EVMプラグインがあったのでメモ。
【参考】
Redmine.tokyo 13回 参加者アンケート結果
EVM Calculation Plugin - Plugins - Redmine
redmine_issue_evm/README_ja.md at master ・ momibun926/redmine_issue_evm
チケット駆動開発にEVMの概念を導入してみる: プログラマの思索
RedmineプラグインRodmapsにEVMの機能を追加する: プログラマの思索
RedmineからPMBOKのEVMを計測する方法: プログラマの思索
【公開】未発表資料「チケット駆動開発におけるEVMの考え方」 #RxtStudy: プログラマの思索
RedmineにおけるEVMの実装方法は、過去にたくさん書いてきた。
また「チケット駆動開発」「Redmineによるタスクマネジメント実践技法」にもアイデアは書いた。
上記のEVMプラグインは、OSSなのにほぼ実用的に使える機能が整っている。
Redmineに予定工数、実績工数が入力される運用があるなら、EVMを使いたくなってくるだろう。
従来はExcelでEVMを管理するしか方法がなかったので、きちんとプロジェクト管理を徹底しているリーダーは、自分でExcelマクロで実装している人が多い。
EVMをきちんと運用できれば、プロジェクトの状況を正確に把握しやすくなる。
特に、製造業の製品開発のように、リードタイムがソフトウェア開発よりも多少長い場合は有効だろう、と思う。
しかし、EVMは運用が難しい。
理由は、いくつかある。
一つは、予定工数と実績工数を入力させる運用は手間がかかること。
しかも、仕様変更や進捗遅れでリスケするたびに、ガントチャートの保守が面倒になる。
そういう場面のために、仕様変更やリスケのタイミングでベースラインを設定して、進捗やコストを比較したいわけだが、その運用も結構面倒。
もう一つは、EVを計算しても、リーダーの感覚ではシステム上計算されたEVとプロジェクトの現状が合致していない場合が多いこと。
普通のEVMでは、WBSの進捗率を元にEVを計算するわけだが、進捗率が50%や90%で停滞したまま放置されてくると、プロジェクトの現状と合わなくなるのは当然。
たぶん、進捗率ベースのEVMの運用は悪手だと思う。
完了チケットでEVを計測する方がいいと思う。
なお、プラグイン上の注意点は、
・EVは進捗率を使わずに完了チケットで計算していること
・バージョンとは別にベースラインを設定してEVMを比較できること、
・チャートの表示にはHigthChartを使っていて商用目的では利用のできないライセンスであること
だろう。
つまり、EVはプロジェクトの現状よりも低めに計算されやすいので、こまめにチケットを分割したり棚卸ししたりすることが必要だろう。
また、ベースライン機能があるので、プロジェクトのスコープが変化した時にEVMの履歴が残せるのは便利。
但し、チャート表示のライブラリのライセンスには注意。
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