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2019/02/24

RedmineとAIエンジンを連携する事例のリンク

RedmineとAIエンジンを連携する事例があったのでリンクしておく。
以下は自分が理解した内容のラフなメモ書き。
間違っていたら後で直す。

【参考1】
その問い合わせ、AIが解決します!~Redmineチケットレコメンドシステムのご紹介~ | Future Tech Blog - フューチャーアーキテクト

社内ヘルプデスクをAIで! | Future Tech Blog - フューチャーアーキテクト

【1】後者の事例は、チケットの内容をAIエンジンが自動判断して、カテゴリ振り分けを自動設定する。
前者の事例は、チケット登録時の情報を元に、AIエンジンが類似チケットを自動で関連付ける。

上記の例で興味深い内容は、下記の点だ。

(引用開始)
検索アルゴリズムは、「類似文書検索」と「キーワード検索」のハイブリッド手法を用いることにより、より精度を向上させる試みを行いました。
類似文書検索は、機械学習のトップカンファレンス1 で発表されたSCDV(sparse Composite Document Vector)と呼ばれるEmbedding手法を用い、キーワード検索は現在有力とされているBM25を用いました。
本システムのもっとも肝な部分は、SCDV(文書検索)×BM25(キーワード検索)のハイブリッドアルゴリズムを実装した点にあります。
(引用終了)

なるほど、類似文書検索とキーワード検索を元に、チケット内容の類似度の度合いを相関関数で測定して、精度を高めているわけだ。
類似文書検索だけ、キーワード検索だけ、ではなく、2つを組み合わせた多重度分析にして重みを教師あり学習で精度をさらに高めている点は、面白いな、と思った。

【2】アーキテクチャとしては、AWS上にRedmineとJenkinsとAIエンジンがあって、Jenkinsが定期的にRedmineをポーリングしてAIエンジンに連携し、カテゴリ振り分けや類似チケットを推定して、Redmineへ情報を返却する流れみたい。
Redmineのチケットにカテゴリ振り分けや類似チケットを関連チケットとしてリンクさせる処理は、RedmineプラグインまたはREST APIで実装しているみたい。

確かに、Redmineの外側にAIサーバーを置いて、Redmineのデータを定期的に渡すようにするサーバー設計ならば、既存の仕組みを組み合わせるだけで作れそうな気がする。
Redmineのデータをやり取りするI/Fの部分だけは、REST APIやRedmineプラグインで実装すればいい。

この発想は、Redmineの外部にBIサーバー(例えば、Tableauとか)を置いて、Redmineのデータを定期的に集計表示させる仕組みにも似ている。
つまり、Redmine単体はチケットというデータ収集基盤とみなし、AIサーバーやBIサーバーがRedmineのチケットを定期的に取得して、類似データを分析したり、いろんな観点のメトリクスを集計する仕組みが作れるわけだ。

【3】上記の事例は非常に面白い。
なぜなら、「少人数・短期間で、簡単に構築することができた」からだ。
つまり、RedmineとAIエンジンを組み合わせる手法は、昨今のOSSライブラリを上手く流用できれば、そう難しくないのだろう。

現在、Redmineを長年運用してチケット枚数が数万~数十万件まで蓄積された開発現場はたぶん、割と多いのではないか、と思う。
AIサーバーで類似チケットを自動設定したり、カテゴリ振り分けを自動設定したりする事例があるならば、他に、別のチケット振り分けの観点でチケットの属性にデータを設定する機能も実現可能だろう。
つまり、@ktohさんが以前話していたように、Redmineにスマートナビまたはコンシェルジュのようなエンジンを実現することで、チケット入力者に事前に情報を提供したり、チケット入力を支援することも可能だろう。

この辺りのアイデアは色々考えてみたいと思う。

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